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「カメラを止めるな!」を語る:vol.1〜出会いと初鑑賞を振り返ってみる。


 どうも、いしかわごうです。

今回は、快進撃が止まらない映画「カメラを止めるな!」について語ってみようと思います。

物凄くざっくり説明すると、ゾンビ映画の撮影隊に、本物のゾンビが襲いかかるところから始まる、ホラー映画です。

 自分は7月にこの映画の感染者(※鑑賞してハマった人)となり、8月8日現在で4テイク目です(※4回鑑賞していること。猛者は42テイクを目指すらしい)。そのうち1回は、リピーター前提の「絶叫ナイト」で、そこそこ重度の感染者と言えるかもしれません。

 テイク数を重ねていくについて、書きたいことも次々と溢れてくるところが魅力でもあるのですが、その一方で、最初に見たときの自分の感覚が薄れてきていることに気づきました・・・それはいかん!

 ということで、今回はVol.1として、「カメラを止めるな!」を初めて観たときのことを書き残しておきたいと思います。

基本的にネタバレはしていませんので、興味ある方も、ぜひ読んでみてください。

では、スタート!

■出会い

映画「カメラを止めるな!」の存在を知ったのは、7月半ばのある日のこと。

 なんとなくツイッターを眺めていたら、ヨッピーさんが「カメラを止めるな!」という映画をオススメしていたんですね。

 おそらく、これが「カメラを止めるな!」との最初の出会いだったと思います。もしかしたら、それまでもツイッターで作品名を目にしていたかもしれないけど、ヨッピーさんが強くすすめるまでは、「ふーん」ぐらいで、あまり気には留めていなかったんです。

 ヨッピーさんといえば、圧倒的な人気を誇るWEBライター。記事を読めばわかるんですけど、面白いだけではなくて、とても筋の通った仕事をするタイプでもあります。そのヨッピーさんがここまで強く推薦する映画となれば、僕の「気になるものリスト」の上位に記入しておかなくてはなりません。

 余談ですが、2年ぐらい前に、ヨッピーさんがオススメしてた「交互浴」で、なんとなく水風呂を試してみたら、「整ったーー!」となり、それ以来、夜は超ぐっすり眠れるようになりました。

今では銭湯本を片手に都内のおススメ銭湯を調べたり、取材で足を運んだ場所でサウナに通ったりと、それなりのお風呂大好き芸人になっております(いや、芸人じゃないですけど)。

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 翌日の16日、作家の水野敬也さんも「カメラを止めるな!」を絶賛しているではないですか!

 水野敬也さんは、「夢をかなえるゾウ」や「LOVE理論」などの大ヒット作品を多数生み出している作家さんです。自分は水野さんの作品をほとんど持っているぐらいのファンで、サイン会も行ったことがあります。その水野さんまでもオススメしているとなれば、「カメラを止めるな!」のことが、本格的に気になってきました。

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 さらに翌日の17日。再びヨッピーさんが36時間連続更新の企画で、「カメラを止めるな!」を熱弁してました。

基本的にこの映画は何の事前情報もなく、ポンと見に行くのが良いと思う。
僕も人に誘われて何も知らずに見に行ったクチなのだけど、それがかえってよかった。
「えーっ、どうせごく一部のマニアの『俺、映画わかってるよ感』を補完する小道具として使われてる程度の映画なんじゃないの~~~~?」って思ってたし、なんなら本編はじまってからも同じような懸念を持っていたのだけど、完全に、綺麗に、見事にひっくり返されてなんならちょっと感動すら覚えてたからね。いやー、本当に良い映画だわーーーー!

・・・・むむむ。ヨッピーさんにそこまで言わせる「カメラを止めるな!」とは一体何なのか??

 気づいたら、ここ数日で、サッカー界隈の知り合いも、「カメラを止めるな!という映画が面白かった!」、「カメラを止めるな!は絶対見るべき!」とツイッターでつぶやいていたんですね。謎が深まるばかりです。

■アクションを起こす癖をつける

 こういう局面で、「エイッ!」とすぐに行動できる瞬発力は、意外と大事だと自分は思ってます。

 というのも、「とりあえず、やってみる」とか、「まず、行ってみる」というように、自分のフットワークを軽くしておく癖をつけておかないと、せっかく自分のアンテナが反応した興味に対して、いつしか「まっ、今度でいいか・・・」と先延ばし癖がついてしまう気がするのです。

 だから、「面白そう!」と思ったら、あれこれ考えずにアクションを起こしてしまう。腰が重くなる前に、さっと動いてしまう。たかが映画、されど映画です。そこで「行くかどうかではなく、いつ行くのか」にフォーカスして、具体的な日にちにを決めることにしました。

・・・現在は7月17日。

18日は、コンサドーレ札幌対川崎フロンターレの試合取材で札幌にいるため(自分はJリーグを取材するサッカーライターです)、東京に戻るのは19日でした。ゲームレポートやコラムなどの原稿もあるので、行けるのは早くても20日になります。

 そこで20日の麻生での川崎フロンターレの午前取材を終えた後に、「カメラを止めるな!」を観に行ってこようと思い、手帳の予定に力強く書き込みました。

18日は、こんな有名人のツイートも流れてきました。

・・・指原さん!!一体、どういう面白さなのか。

・・・・これはうかうかしていると、注目を集めそうだ。ますます自分の目で面白さを確かめたくなりました。

■いざ、池袋のシネマロサへ。

 20日の午前練習取材後、鑑賞に向かうことに。

ただ当時、この「カメラを止めるな!」を鑑賞できる映画館はかなり限られていました。

 東京だと「新宿K’s cinema」、「渋谷ユーロスペース」、「池袋シネマ・ロサ」で、他に近場だと「川崎チネチッタ」でやっている程度(埼玉の「イオンシネマ大宮」は遠いので却下)。

  新宿のK’s cinema は、午前中のみの上映。そこで渋谷のユーロスペースに行こうと思い、移動中にスマホで上映時間をチェックしたところ、すでに全回満員でチケットが予約できませんでした。

・・・おいおい、マジかよ。TOHOシネマズとかでも上映してくれよーと思いつつ(現在は上映中)、池袋のシネマロサを調べてみると、ツイッターでまだチケットはあるとアナウンス。ただネットでの事前予約ができず、窓口の売り場で購入しないといけないとのことでした。

 東京は猛暑日続きで、移動することすらおっくうになるぐらいの暑さだったんですけど、電車を乗り継ぎ、池袋駅へ。西口を出てロマンス通りを抜けて、シネマロサに到着。

 入り口に「カメラを止めるな!」のでっかいポスター看板が出ていた。窓口で並んでいる人もおらず、夕方の上映チケットをスムーズに購入できました。

「事前情報を入れないで見た方が良い」とのアドバイスだったので、素直に従い喫茶店で時間を過ごすことに。入場の時間になったので、シネマロサへ。チケットはその後完売になっていたようで、200席ぐらいの席が満員でした。

・・・・さて、どんな作品なのだろうか。

■『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』的な手法の映画?

 映画を観る前にイメージしていたのは、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』でした。

 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』というのは、1999年公開のいまから20年ぐらい前に大ヒットした映画です。魔女伝説を題材としたドキュメンタリー映画を撮影しようと森に入り、そのまま消息を絶ってしまった三人の学生。その撮影ビデオを編集して映画化した、という設定の作品でした(実際には脚本も用意されていた劇映画)。

 POV(主観ショット)で撮影された擬似ドキュメンタリーの手法のため、映像に臨場感や緊張感があり、謎が謎を呼んで世界的な大ヒットを叩きだしました。600万円程の超低予算の製作費で、興行収入240億円を叩き出したそうです。

 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は、当時まだ学生だった自分も観ました。ただ、作品自体はラストになってもほとんど何も解明されないまま終わってしまい(逆にそれが恐怖感を増すとも言われていた)、結局はモヤモヤ・・・・と、なんとも腑に落ちない感情を抱いたのを覚えています。

 この『カメラを止めるな!』も、ゾンビ映画の撮影隊に本物のゾンビが襲いかかるところから始まる物語ということなので、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』みたいなテイストなのかな、と思っていたんですね。

 いざ上映が始まると、スクリーンで繰り広げられていくやりとりに、「何だ、この会話の間?」、「いまの、どういうこと?」、「このくだり、必要あった?」と、頭の中が違和感とでツッコミだらけになってきます。

 そして次第に、「一体、自分は何を見せられているんだ?」という疑問と、「このやりとりを延々と見せられるの、わりとしんどいなぁ・・・・」という感情すら出てきて、早い話が、「(この映画を見る判断)失敗だったな、おい」と、あせるわけです。そして『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』みたいに、最後までに真相が明かされないまま終わるんじゃないかと不安になってきます。

・・・でも、そうじゃなかったんですね。

■最高かよ。

ここから先はネタバレになるので詳しくは書きませんが、後半になると、前半部分の点と点が線に繋がっていき、館内は何度も大爆笑が起こっていきます。自分も映画館であんなに笑い声を何度も出したのは初めてでした。そして最後は感動します。

 なんと言えばいいんですかね・・・2001年の第1回のM-1グランプリで、審査員の松本人志が、発想を大絶賛した麒麟の漫才を自分は思い出しました。そしてこの映画はラストに向かっていくについて、なぜか全力で「頑張れー!」と応援したくなるんです・・・最高かよ。

エンドロールまで見終わると、その圧倒的な面白さにしばらく言葉が出てきません。すると上映が終わると同時に、出演者の浅森咲希奈さんが登場し、サプライズでの舞台挨拶が始まりました。

 「ぐわーん、ぐわーん」のカメラ助手の子です。撮影した写真はSNSで拡散してくれてもOK。撮影の裏話などを明かしてくれて、ロビーではパンフレットにサインもしてくれました。とっても可愛い子でしたよ。

■打ちのめされる感覚を味わう

 ひさびさに自分が打ちのめされるような感覚を味わう作品に出会いました。

そでいて、映画館を出る時に、こんなに心地よい気持ちになったのも、記憶にありません。そして、もっとたくさんの人に見て欲しい作品だと、心から思いましたね。

とはいえ、この映画は、ネタバレしないようにオススメするのが本当に難しい。あの圧倒的な面白さを堪能した人ほど、これから観る人の楽しみを奪ってはいけないと肝に銘じるし、未見者に多くを語らなくなるのだ。

だから、「早く見てくれ!一緒に語ろうぜ!」としか言いようがない。

みんなが絶賛するモノを避けがちな天邪鬼な人もいるかもしれないけど、それでも「今すぐ観とけ!」としか言いようがない。

それぐらい、この「カメラを止めるな!」は傑作でした。映画館を出ると、興奮気味につぶやいていました。

■やると決めた人たちの物語。あなたはどうする?

これが、最初のカメ止め体験だったのですが、その二日後には、2回目の鑑賞(テイク2)に足を運んでましたからね。その後、さらにテイク数を重ねていったわけですが、まずは最初の鑑賞日記として今回は書き残してみました。

 ひとつ言っておくと、これは「やるか・やらないか」の岐路に立たされたときに、「やると決めた人たちの物語」でもあります。

 だから、観に行かないでゴチャゴチャと言いたがる人には合わないかもしれません。

・・・・あなたはどうしますか?

ぜひ「行く!」と決めて、映画館に足を運んでみてください!

#カメラを止めるな

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