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新装再編版「スラムダンク」を語る〜第1巻レビュー:流川楓の名前の由来を、君は知っているか?

 どうも、いしかわごうです。

先日、打ち合わせで渋谷駅に行くと、ハチ公前の巨大広告看板が漫画「SLAM DUNK」の新装再編版になっていたんですよ。

・・・こんなん、写真を撮りますよね。撮りまくりますよね。

「SLAM DUNK(スラムダンク)」はリアルタイムで少年ジャンプを読んでいましたし、コミックス版も完全版も全部をいまだに所有しています。「あれから10日後」のイベントも足を運んで、あの黒板漫画を生で見ていますし、自宅には湘北スタメン5人のフィギュアが並んでいます。そのぐらいマニアですし、「人生のバイブル」と言っても過言ではありません。

 そんな「SLAM DUNK」が、2018年6月に新装再編版が発売されることになりました。

 せっかくなので、この「新装再編版」をきっかけに、久しぶりにスラムダンクを「読み直した人向け」に新装再編版のレビューを書いていこうかなと思います。ネタバレは盛りだくさん、特盛りつゆだくですので、初めて読む人は、そこはあしからず。本編に関する鋭い考察とかは特にないですが、読んでいる人が、何かひとつでも発見があるような感想やレビューになったら良いなと思います。

・・・・というわけで第1巻から。

表紙:桜木花道

主人公ですから当然ですね。髪型はリーゼントです。花道は物語中盤で髪型が坊主頭(丸刈り)になるので、リーゼントは初期の花道の象徴ですよね。裏表紙には晴子さんもいます。

帯カバー:「俺の名は、バスケットマン桜木-----------」

収録されているのは、#1 桜木君から#14 NEW POWER GENERATION までの14話。ちなみに#14の「 NEW POWER GENERATION 」は流川楓が作中で聴いていたプリンスの曲名でもあります。

「ゴメンなさい桜木君 わたしバスケット部の小田君が好きなの」

 から始まるオープニングなんですけど、なんか「うわー」って感じですね・笑。中学3年間のフラれ記録50人達成を桜木軍団に祝われてるので、記念すべき最初のページに出てくるこの花道は、中学生です。

 ちなみにオープニングで名前だけが出たバスケット部の小田くん。

 原作中には登場しませんが、劇場版アニメでは「武園の小田竜政」として出てきます。花道を振った女の子・島村葉子とは恋人同士の設定です。武園高校は強豪校として描かれていて、アニメではインターハイ予選で海南大付属高とも対戦していました(海南には歯が立たず完敗)。

 1巻なので、第1話で花道と晴子、第2話で流川、第4話でゴリと主要キャラが続々と登場。初めて登場したゴリは絵柄が全然違いますね。花道の呼び方もゴリラジジイだし。花道って「ジジイ」とか「じい」とか好きですね。

 初期の頃のスラムダンクのテイストとしては、スポーツ漫画一直線ではなく、ラブコメやギャグ漫画要素がたくさん盛り込まれてます。ここらへんは、当時のジャンプ事情も背景にあったと言われています。

 当時の少年ジャンプは人気絶頂の黄金期で、連載が始まる作品は、スタートダッシュでそれなりの人気が出ないと、10週で連載が即打ち切りになることでも知られていました。なので、途中から路線変更できるように、編集者と話し合っていろいろな要素を盛り込んでいたそうです。初期の花道が少し内気な性格で描かれているのは、連載前の読み切り漫画「赤が好き」の影響だったかな。

 結果的には、第1話で「バスケットはお好きですか?」と晴子さんに聞かれて「大好きです」と答えたこのくだりが、ストーリーのクライマックスで効いてくるのもニクイ演出ですよね。

 この1巻では、まだギャグテイストが多いんですけど、井上先生はこのへんの塩梅がうまいんですよね。

 例えば、花道がバスケ部に入部するためにゴリに気に入られようとあれこれと作戦を練る回。性格や好きな食べ物と女の好みを先輩のヤスから聞き出すわけですが、「厳格な人だから」と言われてメモっている紙をよーく見ると、漢字が苦手な花道は「元角な人」とメモしてるところとか、細かくて好きです。ちなみにゴリに贈るバナナとともに添えてある雑誌の切り抜き写真は「宮沢りえ」でした・・・時代を感じる一コマですが、当時の宮沢りえ、すさまじい人気がありましたからね。

 流川も、最初はキャラが違いますね。
「桜木」と心の中で呼んでいます。バスケ部になってからは、名前を呼ばず、「おい」、「どあほう」、「あんにゃろう」でしたから。

 ちなみに流川楓の名前の由来って知ってますか。
これは井上雄彦先生が「漫画がはじまる」(スイッチ・パブリッシング)という対談本の中で明かしてくれているのですが、日本に「流川」と書いてルカワと呼ぶ名字はないそうです(ナガレカワはある)。

 それでどうしてルカワになったかというと、こう明かしているんですね。

「川をつけたかったんです。川がつくのがかっこいいなと思って。それとラ行っていうのが珍しいっていうので、ふと思いついたんですよね。「る」って読んだらいいなと。それから陸川章(りくかわあきら)というバスケットの選手がいまして、その名前がかっこいいなと思っていたんです。そういうところからつながっているような気がしますね。」

 だそうです。

陸川章選手がヒントになっていたとは、ご本人は知っているのでしょうか・笑。なお、楓は特に意味がないとも明かしていました。

 安西監督が登場し、2・3年対1年の紅白戦が始まります。

 この紅白戦で一年生チームの顔ぶれをあらためて見てみたら、佐々岡、桑田、石井のトリオは、ちゃんとこの1年生チームにいます。審判をしているのは1年生の部員でしょう。見慣れない髪型なので、おそらく途中で辞めていく部員だと思います。このとき、流川が23番のビブスを着用しているのは、彼のプレーモデルになったバスケットの神様・マイケル・ジョーダンを意識させる設定のためでしょうな。

 よくよく考えたら、ちゃんとしたバスケのゲームシーンを描いたのは、作中ではこれが初めてなんですよね。ゴリラダンクが初登場してますが、それよりもルーキー・流川の凄さが存分に描かれてます。ゴリに競り合ってリバウンドを取ったり、ゴリのシュートをブロックした高さとか、流川のディフェンス面の活躍がこれだけ描かれているのは貴重かもしれません。公式戦になると、シュートブロックやリバウンドはほぼ桜木かゴリの持ち場になっていましたから。

 花道がゴリに脳天ダンクをかまして終了。笑いで締める終わり方で、まだまだギャグテイストが強い時期ですね。

こんな感じで1巻ずつレビューしていこうと思います。

・・・・・最後に僕のプチ自慢。井上先生からツイッターでリプライもらったことがあります。「ひかる!チャチャチャ!」のネタで・笑。

こちらのレビューも➡️幻のイベント「スラムダンク、あれから10日後」の思い出を振り返ってみた。

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