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完封を支えた要塞・ジェジエウと、規格外の強さと巧さを見せた怪物・ダミアン。個と組織が噛み合い始めた5連勝。(リーグ第11節・清水エスパルス戦:4-0)

IAIスタジアム日本平での清水エスパルス戦は4-0で勝利。

スコアが示すほどの差があった試合内容だったとは思いません。

戦前は、ボールを保持して相手を押し込み、いかにして清水の〔4-4-2〕のブロックを攻略していくかをポイントに考えてましたが、ブロック攻略を仕掛ける前の段階でボールロストする場面も目立ち、試合のリズムを掴めません。強度の高いプレスを中盤で敢行してくる清水に苦しみ、危険なカウンターも受けました。特に序盤は小さくない誤算もあったゲームだと思います。

しかしそんな展開でも、我慢すべきところでは我慢し、隙を見逃さずに得点を奪って試合を進める試合後の大島僚太が、「やるべきことをやった上で、自分たちのやりたいことをやっているというのが、(チームとして)うまく回っているのだと思います」と振り返っていましたが、今のチームには、そういう試合運びのしたたかさがあるのだと思います。

 そういう視点で見ていくと、要所要所で見どころのあったゲームでした。レビューでは、そこをしっかりと掘り下げていきます。今回のラインナップはこちらです。

1.「相手の前線のプレスのかけ方が勢いを持ってくるので、そこさえ外せればというところで、ノボリさんのポジショニングや前線の選手の顔をだすタイミングですね」(大島僚太)。コンパクトな清水守備陣に苦しみ、リズムを掴めなかった序盤。誤算がある中で大島が見せた調整力と、先制弾を生んだ脇坂泰斗が蹴り分けたCKの妙とは?

2.「真ん中でボールが受けられていないというか、あまり落ち着きがなかったというところでぼくが中に入って、ということだったと思います」(脇坂泰斗)。前半途中に施した4-2-3-1へのシステム変更。攻守で何が変わったのか。

3.「ヘディングは得意ではないが、気持ちで押し込みました」(脇坂泰斗)。我慢の報酬で得たプロ初ゴール。そして規格外の強さと巧さで1得点1アシストを記録したレアンドロ・ダミアン。ようやく掴み始めた、元セレソン・ストライカーの生かし方。

4.「やるべきことをやった上で、自分たちのやりたいことをやっているというのが、(チームとして)うまく回っているのだと思います」(大島僚太)。チームとして見せ続けた集中した守備対応。そしてドウグラスを個で撃退し続けた要塞・ジェジエウ。5連勝と完封の要因を探る。

5.「自分がやるべきことは仕掛けることだけではないので」(齋藤学)、「スピードがあって、ドリブルが上手い選手ですが、うまくコントロールできたと思います」(エウシーニョ)。前半のマナブとエウソンのマッチアップが少なかった理由とは?そして「過去の自分」を払拭するために右サイドの齋藤学が川崎で積み重ね始めている自信。

以上、5つのポイントで全部で約9000文字ほどです。今回はぜひ読んでもらいたいコラムの項目もあるので、読んでもらえたら幸いです。

なおプレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第11節・清水エスパルス戦)

では、スタート!

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