見出し画像

初心者のための風間フロンターレ観戦講座vol.1〜最初に理解しておきたい5つのポイント。


「記者は大変だと思うよ。ウチのサッカーは練習から見てないと変化がわからないからさ」
 
 あるとき、風間監督がそんな風に話してくれたことがあります。

「だったら、もうちょっとわかりやすいサッカーを・・・」と言いかけたんですけど、そんな訴えをしたところで受け入れてくれる監督じゃないですからね。むしろ、ちゃんと変化を感じられるように日々の練習を取材しようと思って、今に至っております。

風間監督が川崎フロンターレの指揮官に就任したのは、2012年の4月のことです。今年は2016年ですから、「風間フロンターレ」になって5年目のシーズンを迎えたことになります。

冒頭の言葉にあるように、風間監督のサッカーというのは、ちょっとわかりにくいうえに、まだまだ変化し続けているので、しっかりと説明しようとすると、けっこう・・・いや、かなり大変だったりします。「風間サッカーって何なんですか?」と直球で聞かれると、番記者である自分でも説明するのがちょっと難しいぐらいですからね(・・・余談ですが、その独特の方法論から「革命」というフレーズが有名ですが、これは編集部がつけたフレーズで、風間監督自身は革命と言ったことないのだとか)。

風間体制5年目ともなれば、サポーター全員が風間監督が就任した当初からフロンターレのサッカーを見ていたわけでもないはずで、ここ2、3年で新規サポーターもだいぶ増えてきたと思っています。

でもチーム自体はどんどん変化していて、ちょっと先鋭化している部分があります。そうなると、よくわからない人は、どんどんついていけなくなります。

もちろん、「よくわからないけど、たくさんゴールが生まれるから楽しい」でも十分なんですけど、そこで入門ガイド的なものがあれば、ピッチで行われている内容や変化も理解しやすいとも思うんですよね。

 なにより、いまは2016年シーズンの開幕前ですから。開幕前の準備をするなら、絶好のタイミングでもあります。

そこで、風間フロンターレのサッカーについておさらいできる、全5回ぐらいの初心者向けの観戦講座があっても面白いかなーと思ってみたわけです。できれば講座やセミナーみたいにどっかのイベントで解説するのが手っ取り早いんですけど、それはそれで大変ですから、ちょっくら書いてみようと思いました。

でも「ちょっくら書こう」と思ったけど、やってみたらすげぇーーー大変でした。

過去の資料をまとめていたら、「これ、本として一冊書けるレベルじゃね?」ってなりました。

そりゃ、そうです。4年分あるわけですから。

でもなんとかギュッと凝縮して、初心者向けの「なぜ?」を解説しながら、大事なところだけピンポイントで書いていこうと思います。

繰り返しますけど、これは初心者向けに書いてます。

というのも、風間監督は自身のサッカーを語った著書やメソッドを実演したDVDシリーズをすでに多く出しています。

ここで書く内容は、風間監督が川崎フロンターレでやっていることを僕なりに解釈して説明するというものなので、すでに風間監督の本やDVDでメソッドを学習済みの方が読んでも、目新しい発見はないかもしれません。

もちろん、復習として読んでもらえるのは大歓迎です。自分でも書きながら忘れてしまっていたポイントも多かったので、「わかっているつもり」を防ぎたい人にもおさらいにオススメです。ただあくまで初心者のフロンターレサポーター向けの理解を促すために書いている内容であることもわかってくださいね。

この初回はガイダンスです。講義でいえば、「概論」のようなものなので、「考え方」に関する内容が多くて、少し退屈かもしれません。ただ風間監督のもと、チームが向かおうとしている絵を把握するために理解しておくべき内容ですので、やはり外せないので語ります。

初回の目次を紹介すると、

1.風間フロンターレのサッカーを観戦する上で、最初に理解すべきことは?

2.チームにおける、絶対的な二つの約束事とは?

3.サッカーはミスをするスポーツ、ではダメ。

4.ロングボールは禁止されている?

5.ゴール前ではリスクを冒すべき、ではない理由。

の5つで初回は成り立っております。

それでは、スタートです。

ここから先は

3,742字
この記事のみ ¥ 200

ご覧いただきありがとうございます。いただいたサポートは、継続的な取材活動や、自己投資の費用に使わせてもらいます。