流動的な崩しはなぜ復活したのか。指揮官が制限をかけたと明かす家長昭博のポジショニングの変化と、躍動し始めた阿部浩之の背景から読み解く。(リーグ第10節・サガン鳥栖戦:2-0)

ベストアメニティスタジアムでのサガン鳥栖戦は2-0で勝利。

 良い勝ち方でしたね。
連戦ですし、相手が守備組織に定評がある鳥栖ですから、選手達も「我慢比べ」になる展開は想定できていたと思います。その中でも、勝負どころを見極めた後半の仕掛け、そしてリードを奪ってからのメリハリのついた試合運びなど、チームとしての「したたかさ」が伝わって来る戦いぶりでした。

 そして相手組織を揺さぶりながら崩す形のゴールが生まれてきたのも良い兆しだと思います。

 具体的には、2点ともにフィニッシュの中継点となった家長昭博のポジショニングのバランスとタイミングが改善されたことが大きいと思います。それによって阿部浩之も生きてきて、両翼が躍動してきましたからね。

 今回のレビューでは、そのへんの関係を詳しく掘り下げています。ラインナップはこちらです。

1.なぜ立ち上がりは、「浮いていた高橋義希」の対応に苦慮したのか。「我慢の前半」を振り返る。

2.逆襲の後半。「中・外・中」ではなく「中・中・中」で鳥栖守備陣を攻略した先制点。ワンタッチだけで崩し切った、中盤の流動性にあったイメージの共有。

3.なぜフロンターレらしい流動的な崩しが復活したのか。そのカギは、試合を通じた家長昭博のポジショニングの変化にあり。あえて制限をかけたと明かす指揮官と、躍動し始めた阿部浩之の背景を読み解く。

4.連戦を勝ち続けるために遂行した「大人のサッカー」。それを象徴した「シュート6本」という数値から見えてくるもの。

 以上、4つのポイントで、約5000文字です。

ちなみに今回はベアスタ取材に行っていないのと後日取材も間に合わないので、このレビューは事前取材とDAZN観戦を元に執筆しています。そのつもりで読んでみてください(後日取材で追記できれば、のちほど追記する予定です)。

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第10節・サガン鳥栖戦)

では、スタート!

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