「自分たちから崩れないというところをテーマに、僕が就任してからやってきている」(鬼木監督)。あらためて立ち返る鬼木フロンターレの強み。(リーグ第22節・名古屋グランパス戦:0-3)

豊田スタジアムでの名古屋グランパス戦は0-3で敗戦。

・・・どう振り返って良いのか、なんとも難しいゲームだったと思います。

試合前は、相撲で言うならば、同じ土俵でがっぷり四つに組み合う展開になるのではないかと予想していました。

しかし、取組を開始する立合い(たちあい)の直前にフロンターレ側にアクシンデントが起きてしまいます。その動揺を引きずり、がっぷりと組み合うことなく、そのまま寄り切られてしまった感じです。

 もちろん、それも含めてのチームの実力ですから言い訳はご法度なのですが、終わってみると、なんとも消化不良な敗戦となってしまいました。

 がっぷり四つに組み合う展開にならなかった理由については、本文でたっぷりと語っていますのでそこに譲りますが、これでフロンターレはリーグ2試合連続無得点です。

得点力で感じたのは、ゴールを生み出すには、やっぱり「思い切りの良さ」がとても大事なのだなということです。

 例えば、開始11分に生まれた和泉竜司の先制点は、まさに典型でしょう。
名古屋の1本目のコーナーキックをクリアで弾き返したボールを、エリア外から吉田豊がダイレクトでボレーを合わせ、その軌道を和泉竜司が頭でそらす形でゴールネットに吸い込まれました。

同じプレーを再現しろと言ってもたぶん難しいはずで、吉田豊からすれば、思い切って打ったらゴールにつながったのだと思いますし、フロンターレ側からすれば、「それが入ってしまうのか」という一発でもありました。

 一方で、フロンターレのコーナーキックでも、全く同じような場面がありました。

 40分の場面で、同じようにCKで弾かれたこぼれ球を、エリア外拾った脇坂泰斗は、ダイレクトではなく、トラップしてじゃらシュートを打とうとします。しかし、慎重にコントロールした分だけ時間がかかり、後ろから来ていたシャビエルに防がれてしまいました。その差を脇坂泰斗は、こう振り返ります。

「相手も(守備で)集中していたと思います。あそこで相手は点を取ったが、自分たちは点を取れなかった。相手は思い切って打って入っていますが、僕は、止めてかっさらわれている。もっと積極的にやれば良かったと思います」

そういう意味でも色々と勝負を分けたポイントについて考えさせられた試合ですが、詳しくはレビューで語っていきます。ラインナップはこちらです。

1.「リョウタを中心に・・・・ではないですが、リョウタがいた中で想定したメンバーの組み合わせとか、パスの出所とか、守備のところのハメ方とか、自分の中でもある程度は想定していたところもありました」(鬼木達監督)。開始直前に変更を余儀なくされた「大島システム」。そしてなぜ指揮官は山村和也を選択したのか。

2.「準備の面でもヤマくん(山村和也)は難しかったと思うし、そこは想定外だった」(車屋紳太郎)、「ヤマが入った状態でうまくいくまでに時間がかかった。その間に2失点してしまった。そこで軽く混乱というか、攻守で自分たちが準備してきたことが出来なかった」(中村憲剛)、「個人としてもあまりリズムに乗れていない中で失点してしまい、チームとしてもうまく前半は入ることが出来なかった」(山村和也)。前半に起きていた、ボタンの掛け違いとは?

3.「パスがずれても(ボールを)納めて展開する。そういうところが求められることろ。そこで自分も同じようにミスをしていたら良くない」(脇坂泰斗)、「(自分が)落ちなくてもボールが入ってくるかなという感覚はあった。前に居たほうが相手は嫌かなと言うところで。ちょっとそこは見ながらやってました」(中村憲剛)。中盤の選手達が反省する、前半の修正点。そして、試合前の阿部浩之が危惧していた、夏場の試合運びで気をつけないといけないこととは?

4.「簡単なんですよ。ここで下を向いて、負け続けるのは。でも絶対にそういうチームではないと思っているし、鬼さんもそういう人ではない」。J1通算450試合を達成したミックスゾーンで中村憲剛が語った、勇ましい決意。

5.「自分たちから崩れないというところをテーマに、僕が就任してからやってきている」(鬼木監督)。「鬼さんも言っていましたけど、鹿島が3連覇した時も、順調な3連覇ではなかった。そういう時もある。だから、最終的に優勝していればいい」(新井章太)。あらためて立ち返る鬼木フロンターレの強み。

以上、5つのポイントで全部で約11000文字です。現地取材だけではなく、後日取材も加えたレビューになっております。敗戦にモヤモヤしている方に読んでいただけたらと思っています。

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第22節・名古屋グランパス戦)

では、レビュースタートです!

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「自分たちから崩れないというところをテーマに、僕が就任してからやってきている」(鬼木監督)。あらためて立ち返る鬼木フロンターレの強み。(リーグ第22節・名古屋グランパス戦:0-3)

いしかわごう

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いしかわごう

サッカーと将棋をコンテンツ化するフリーランスです。Number Webなどに寄稿。著書は「将棋でサッカーが面白くなる本」、「川崎フロンターレあるある1&2」など。「サッカー脳を育む」、「サッカー上達のためのマインドとメソッド」など中村憲剛の著書の構成も担当。
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