見出し画像

痛恨だったPK失敗。その翌日に小林悠が語った、チームメートとの信頼関係。(リーグ第18節・湘南ベルマーレ戦:0-0 ※延期試合)

BMWスタジアムでの湘南ベルマーレ戦は0-0のスコアレスドロー。

 最後まで勝ち点3を取りに行った結果、引き分けに終わりました。
仕留めるチャンスは試合終盤にありました。ただ、あの知念慶の決定機と小林悠のPKを立て続けに止められては、GK秋元陽太をほめるしかありませんね。

 こういう決めるべき決定機で決められない場合、攻めている側がじれてしまい、相手のカウンターやセットプレーなどで決められてしまうのが、サッカーです。しかし、そういう展開には持ち込まれることなく、フロンターレ守備陣も我慢強く無失点で終えました。そう考えると、悪くはない勝ち点1だったと思います。

・・・にしても、悪天候でしたね。
映像で見た方もわかるとおもいますが、特に試合後半は暴風雨で、「台風でまた試合が延期になるのではないか?」という思いが記者席でよぎったほどでした。あの暴風雨の中、現地で応援されたサポーターのみなさんには頭が下がります。本当にお疲れさまでした。

 印象的だったのが、試合後のミックスゾーンで、中村憲剛が出てきたときのことです。集まってきた記者たちの奥に目をやり、ものすごい音で降り続けた豪雨を見ながら、試合のことではなく、BMWスタジアムのピッチ状態について賞賛のコメントを最初に切り出してくれました。

「こんなに雨が降っていたのに・・・・まずこのピッチが素晴らしい仕事だった。こういう雨になると、ピッチにも田んぼになってサッカーにならないが、試合をやる分には関係なかった。そこは本当に感謝したい。さすが湘南造園さん」

 なぜ彼が平塚競技場の芝を管理している「湘南造園」のことを知っているのかというと、川崎フロンターレが練習している麻生グラウンドも湘南造園だからなんですね。とはいえ、試合直後になかなか出てくるコメントではないです。さすがですね。

 試合はドローでしたが、やるべきことをやったという思いもあったのでしょう。すぐに切り替えていました。

「下を向く必要はないし、前向きにやるだけ。もちろん勝ち点3が取れればベストですけど、チームで点を取りに行く姿勢を出せた。やり続けるしかないですね」(中村憲剛)

 では、そんな一戦のディープなゲームレビューです。
試合当日だけではなく、試合翌日の後日取材も行いました。またすぐに試合はやってきますが、ピッチでの駆け引きポイントとメンタル面の話などを詳しく掘り下げてます。ラインナップはこちらです。

1.「ハメようとしても、早めにロングボールを入れられると、どうしてもセカンドボールの争いになってしまった」(下田北斗)。湘南のハイプレスと川崎のビルドアップ。湘南のロングボールと川崎のセカンドボール回収。お互いの「強気」がぶつかりあった、立ち上がりの攻防戦を読み解く。

2.「外回しはできていたが、そこから中に入っていく。そこは選手の距離感もあるし、ボールの動かし方もある。ゴールを目指さないと相手は守りやすい」(谷口彰悟)。向かい風を受けて攻めあぐねた我慢の前半を、どう見るか。決定機を作るために足りなかったものとは?

3.「こっちから仕掛けろという監督からの合図だったと思う。そこでエンジンがかかったと思う」(車屋紳太郎)。「重馬場だったので、多少は肉弾戦というか、スクランブルになってくるだろうなと」(鬼木監督)。指揮官が3枚の選手交代に込めた、明確なメッセージ。

4.「トラップも決まったし、落ち着いていた。相手のGKもよかったが、もうちょっと速いシュートを打てればよかった」(知念慶)。「わざと攻めさせてカウンターを狙う。ワンサイド(ゲーム)が全部いいわけじゃない。カウンターで取れることもけっこうある」(阿部浩之)。知念が決め切れなかったチャンスから学ぶべきヒントとは?

5.「試合が終わった後、すぐにショウゴ(谷口彰悟)や奈良ちゃん(奈良竜樹)から『下を向くな』と支えられた。心強いチームメートたちに、また頑張ろうという気持ちになれた」。痛恨だったPK失敗。試合翌日に小林悠が語った、チームメートとの信頼関係。

 以上、5つのポイントで全部で約7500文字です。
特にポイントで小林悠が語った、チームメートとの信頼関係のエピソードは、ぜひ読んでほしいと思っています。森谷賢太郎の心遣いに小林は感謝してましたね。

なお、試合のプレビューはこちらです。➡️試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第18節・湘南ベルマーレ戦 ※延期試合)

では、スタート!

ここから先は

6,666字

¥ 300

ご覧いただきありがとうございます。いただいたサポートは、継続的な取材活動や、自己投資の費用に使わせてもらいます。