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決勝という名の魔物と戦った者たち。 / ルヴァンカップ決勝・北海道コンサドーレ札幌戦:3-3(PK:5-4)

JリーグYBCルヴァンカップ決勝・北海道コンサドーレ札幌戦は3-3(PK:5-4)。

120分の死闘とPK戦の末に勝利し、悲願のルヴァンカップ獲得となりました。

「いろんなことが起こりすぎてわけがわからないです」

試合後の中村憲剛はそう笑っていました。

それもそうでしょう。正直、延長戦に入ってからは何度も「もうダメかも」と記者席で思いました。でもその度に、「諦めちゃいかん、諦めちゃいかん」、「わかんないですよ、まだ!」と僕の中のヤスタロウ・マツキが叫んでました。

サッカーの世界というのは、ピッチ上での戦いが終わるまで、確かなことなど何一つないんだよ、本当に。

だからこそ、新井章太が6人目のPKキッカーの進藤亮佑のボールをキャッチした瞬間、どう頑張っても言葉にならないような感覚がこみ上げてきました。

思えば。

この決勝の後にフロンターレの選手たちが案内されたのは、いつも敗者の部屋でした。

2000年、2007年、2009年、そして2017年。

サポーターの皆さんもサポーター暦によって、それぞれに苦い思いが蘇る大会だと思います。僕に関して言えば、フロンターレの番記者として取材を始めたのが、ちょうど10年前の2009年です。試合に負けただけではなく、表彰式の態度に対して厳しい批難を受けた記憶も蘇ります。今振り返っても、心苦しい気分になります。

なので、埼玉スタジアムでルヴァンカップを選手たちが掲げた瞬間の景色は、忘れられません。この大会のタイトルっていうのは、そういう意味でも、「特別」なのだと思います。

では、早速ですが、レビューに入りますね。ラインナップはこちらです。

1.「15分以内の失点はやめようと言っていたけど、入れられたら仕方がない」(阿部浩之)、「立ち上がりで失点して、少し(嫌な記憶が)よぎりましたけど、試合前からそうですし、ハーフタイムもそうですが、落ち着いてました」(登里享平)。完封負けの歴史を乗り越えるために。立ち上がりの失点というシチュエーションに、選手たちはどう向き合ったのか。

2.「今日は、たぶん一日中ゴールに向かってシュートを打っても入らなかったかもしれません(笑)」(レアンドロ・ダミアン)、「蹴るコースが見えていたぶん、決めてやろうという気持ちが出ていたかもしれない」(脇坂泰斗)。「ダミアンとヤストの日」とはならなかった決勝の舞台。試合後の両者が語っていたこと。

3.「思いっ切りです。ニアとファーはカバーに入っているのは見えていた。あそこで狙うというよりは、GKに当たって入るぐらいでも良いかなと」(阿部浩之)。頼りになる男・阿部浩之の仕事ぶり。そしてタイトルを獲ってもなお指摘する、勝ったから反省できることとは?

4.「外しても良いという覚悟はいつも持っているので、緊張はないですね」(家長昭博)。淡々と冷静に、そして力強く。そんなアキがPK戦で初めて見せた、サポーターへの煽り。

5.「ここは逃してはいけないと思ったし、ヤマ(山村和也)のボールがこっちにきた。よっしゃーと。あそこにいるのは持ってるなと思いましたね(笑)」(小林悠)、「枠に飛ばそうと思って、少し外れていたかもしれませんが、悠さんがいて良かった」(山村和也)、「いろんなことが起こりすぎてわけがわからないです」(中村憲剛)。10人での戦いになった延長戦。2年前の決勝で涙を飲んだ中村憲剛と小林悠と、栄冠を味わった山村和也で紡いだ起死回生の同点弾が生まれた理由。

6.「そういう開き直りとかで、メンタルは安定してましたね」(新井章太)、「『(MVPは)俺じゃねーのかよ!』と言ってましたけど(笑)、章太がとってくれてめちゃくちゃ嬉しかったです。」(小林悠)。やっぱり努力は報われる。何者でもなかった男が掴んだもの。

7.最後に。

(※後日取材)8.「自分が信じた方向に蹴ろうと」(長谷川竜也)、下のみんなが泣いていたから、それを見て、お父さんみたいな気分になった(笑)。よしよし、苦しかったよなって」(中村憲剛)、「人生で一番苦しかったかもしれないです。体も頭も気持ちも苦しかったです」(田中碧)、「ちょうど(ロッカールームの)テレビのところに行くときに、ワッというリアクションだったので、(得点が)入ったんだと」(谷口彰悟)。優勝から数日が過ぎて・・・・それぞれのエピソード。

(※後日取材その2)9.「あんまり悠さんは見えていないんです」(大島僚太)。田中碧を脱帽させた小林悠へのアシスト。あの時の大島僚太が見ていた世界と、2点目の布石になっていた場面とは?

以上、9つのポイントで全部で約25000文字(後日取材として、約6000文字のポイント8、約3000文字のポイント9を追加しました)。タイトル原稿ですから、もちろん、大ボリュームです。普段は読んでいない方にも、読んでもらえると嬉しいです。

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(ルヴァンカップ決勝・北海道コンサドーレ札幌戦)

では、スタート!

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決勝という名の魔物と戦った者たち。 / ルヴァンカップ決勝・北海道コンサドーレ札幌戦:3-3(PK:5-4)

いしかわごう

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サッカーと将棋をコンテンツ化するフリーランスです。Number Webなどに寄稿。著書は「将棋でサッカーが面白くなる本」、「川崎フロンターレあるある1&2」など。「サッカー脳を育む」、「サッカー上達のためのマインドとメソッド」など中村憲剛の著書の構成も担当。
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