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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ2nd第9節・浦和レッズ戦)

8月20日は、埼玉スタジアム2002で浦和レッズ戦です。

 ご存知のように、年間1位の川崎フロンターレと年間2位の浦和レッズによる直接対決です。勝ち点差は2。フロンターレが負ければ年間順位が入れ替わりますが、勝てば勝ち点5差と広がります。まさに天王山と言って良いビッグマッチです。

 この浦和戦に向けて選手たちを取材していて印象的だったのは、首位決戦というシチュエーションもさることながら、埼スタの雰囲気を楽しみしていたことを口にしていたことです。

「楽しみですね。アウェイチームからすると、パワーをもらえるし、あそこで勝つ喜びはひとしお。シーンとなるのが気持ち良いので、それを再現できるように。絶対に負けられない試合なので、どういう形であれ、勝って帰りたいですね」(井川祐輔)

「(多摩川)クラシコとも違うし、神奈川ダービーとも違う。むこうも意識しているはず。サポーターもたくさん入ると思ってます。ただ1stステージで自分たちは悔しい思いをしている。でもそれがあったからこそ、その後の16戦負けなしにつながったし、自分たちの質を求めてやってきた部分もある。今回はそのリベンジという気持ちは大きい。あそこでゴールを決めたらシーンとなる。そういう風になれれば」(中村憲剛)。

「サッカー選手として、よかったと思えるピッチ。たくさんのサポーターが応援にきてくれると思うし、相手のサポーターが多いのも嬉しいこと。それを黙らせたいという気持ちもあります。そこで緊張したり、嫌だなと思うのではなく、どれだけ楽しめるか。そういう選手がたくさんいれば、きっと勝てると思ってます」(小林悠)

 ちなみに試合は19時キックオフ。埼スタでの浦和戦といえば、だいたいシーズン終盤にデーゲームでやっている印象が強く、ナイトゲームというのは、あまり記憶がありません。

「そうですね。確かに、ナイターはあまりないですね」と小林悠。一方の中村憲剛は、「そういえば、そうですね。ただリーグでさかのぼれば、5、6年前にやっているはず」と、すぐに思い出していたのは、さすがでした。調べてみると、2011年の7月に夜の埼スタで試合をしてました(※なお第4節なのは、東日本大震災の影響で延期になり、この時期に開催されたためです)。

 久しぶりの夜の埼スタでの一戦。天王山だけあって、チケットはすでにかなりの数が売れているみたいなので、当日のスタジアムを包む雰囲気を含めて、非常に楽しみです。

では、ピッチ上の見どころをディープに語っていきたいと思います。

今回のラインナップはこちらです。

1.なぜ3バックなのか。総力戦で挑む今節の気になる予想スタメンは?

2.前日練習で合流した大島僚太の出場はあるか。その決断から読み取れる、風間監督からのメッセージとは?

3.中央からのアタックで浦和守備陣を崩し切る!2シャドーが口を揃えた「3人で攻撃を完結させること」の意味すること。

4.カギを握る両翼の攻防。「今まで溜めていたエネルギーをしっかり出して、チームを上向きにしていきたい」。中野嘉大は、巡ってきたチャンスをモノにできるか。

5.いつもより長くなることが予想される、我慢の時間帯。「相手の狙いがどこにあるか。それを感じながら、前から行くのか、それともブロックを作ったほうがいいのか。それを判断しなくてはいけないし、自分たちでコントロールしないといけない」(中村憲剛)。チーム全体で求められる、守備のマネジメント力。

 以上5つのポイントです。冒頭の部分も含めると、全部で約7500文字のボリュームです。フロンターレ視点での、この浦和戦の見どころをどこよりも深掘りして語っているつもりです・・・・よろしくどうぞ!!

なお、参考までに前回対戦した1stステージのゲームレビューはこちらです。→ワンポイントレビュー:「後半は、自分のところには興梠さんがずっとついていた」(大島僚太)。浦和が練ってきた、フロンターレに頑固な握りをさせないための巧妙な対策。(1st第8節浦和レッズ戦:0-1)


では、スタート!

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