あらためて、天職とは何か?

昨日はさこちゃん(男・30歳)の結婚式でした。この男の生き様をみていると、「よし自分も頑張ろう!」と思えるのですが、そんな話をしたいと思います。

少しご紹介すると、さこちゃんは小さいころから飛行機が作りたくて、2年間の浪人生活を経て大学に進学します。なぜ浪人したかというと、物理が苦手だったからだそうです。

「いやいや、飛行機作りたいのに、物理苦手って致命的じゃね?」と問うたところ、「マニアックな話なんですが、物理全般が苦手なんじゃなくて、電磁気学という分野がダメなんですよ」とさこちゃんは言っていました。

いずれにせよ、さこちゃんは無事大学に入れました。しかし、なぜか大学での専攻は、苦手な「電磁気学」になったのだとか。

どうして苦手な電磁気を専攻したのか尋ねると、「たまたまなんですよ~(泣)本当は違うことしたかったんですが、希望がかなえられず、なぜか電磁気に・・・」という事情があったみたいです。

当然、苦手な電磁気なので、好きになれるはずもなく、鬱々とした学生生活を送ったそうです。「こんなことなら、早く企業に入って、思う存分好きな飛行機に携わりたい!」と、逃げるようにして就職するも、配属されたのはまさかの電磁気関係の部署(笑)

会社に入った後も、中々仕事はうまくいかず、悶々としていたそうです。そりゃそうですよね。小さいころから苦手なことを、何の因果か大学だけでなく、会社でもやらされることになって、嫌になって当たり前です。

しかし、ここからが面白いのですが、会うたびに仕事のグチを言っていたさこちゃんが、ある日を境に変わったのです。

「俺、決めました。電磁気のプロになります!」

とつぜんの宣言に、びっくりした私は、「どうしたの?何かあったの?」と聞きました。

「いや~、別に特別なことはなかったです。ただ、ずっと電磁気のこと好きになれなかったんですが、さすがに10年近くやってると、得意になってくるじゃないですか。そうすると、なんか最近、好きになってきたんですよね(笑)」

すごい嬉しそうに語るさこちゃんを見ていると、「本当に電磁気のこと好きになったんだな」と思いました。

でも考えてみると、天職ってそんなもんかもしれませんね。なんていうんでしょうか、「天職って最初は嫌いな顔してやってくる」というか。

なんでか分かりませんが、僕は「自分が本当にやりたいことは、白馬にのった王子様のように、一目見た瞬間に分かる」と思い込みがあったのですが、最初は嫌いでも、さこちゃんのように10年くらい修行を重ねると、天職と思えることもあるんじゃないかと。

「結局、誰もできないくらい続けた人だけが、幸せをつかむんだろう」

改めてそんなことを感じた、さこちゃんの結婚式でした。

おしまい。

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