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アンチャンとおんちゃん

たまの平日休み。歩いてぶらぶらとコンビニに向かう道すがら。


「おい、アンチャン! アンチャン!」


思わず振り返ったものの、自分ではなかったようす。工事現場の作業員の間で会話が続いていた。

美人の人に手を振られ、手を振り返したら、自分の後ろの人と手を振り合っていた、よりは恥ずかしくない。でもなんだかいたたまれないぐらいの感じだ。

面白かったのは、「アンチャン」というフレーズに自分はいつまで反応するのかな、と思ったこと。

自分が子どものころ。昭和から平成になっていく時代。

40歳代の男性といえば、アンチャンというより、おじさん。こっちの言葉でいえばオンチャンだった。
学校の先生は正露丸の香りが漂っていたし、ホームラン王は少しだけお腹が出た落合選手。1990年のタモリさんは45歳だ。

決して今の自分が若く見えるとか、そんなことを言っているのではない。
中学生や高校生から見たら、おじさんに見えるのかな、なんて考えつつ、コンビニに到着。会計が終わって駐車場。


「オンチャン!ねえ待って!!」



思わず振り返る。元気に走る小学生の女の子。自分ではなく、道の先の男性に呼び掛けたようだ。

オンチャンでもあり、アンチャンでもある微妙なお年頃。


またひとつ大人の階段を上った平和な一日の話。

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