見出し画像

ソーシャルリスニングとは。欧米の最新ツールと日本での実験

ソーシャルリスニングとは何か


ソーシャルリスニングとは、文字通り、SNSに投稿されている消費者の「生の声」を傾聴すること。そこで拾ったダイレクトな意見や反応を、企業のマーケティング、ブランディング、商品開発、広告・広報活動に利用するものです。

例えば、「●●航空のカスタマーセンターはまったくつながらない!もう乗らない!」というマイクロ・インフルエンサーのツイートがあり、たくさんの賛同を得ていたとします。これをたった一人の意見だからと看過せず、どういう人がリツイートしているのか、ほかにも同じようなことをつぶやいている人はいないか、など精緻な消費者動向を知るためにどんどん傾聴を深めていくことがソーシャルリスニングの勘所となります。ソーシャルリスニング・ツールを使って得たデータをもとに、仮説を立て、サービスの改善に役立てる。数ヶ月後には「チャットボットでクレームの一時対応」というアイデアが実現しているかもしれません。

あるいは、年ごとに盛り上がりの増すハロウィン。重要キーワードをソーシャルリスニング・ツールに入れ、インスタグラムを観察します。そこで、(仮の話ですが)40代以上の人たちによる仮装の投稿が去年の倍になっていたとしましょう。こうした傾向を受け、ホテル業界であれば、来年以降に宴会場を使った「ハロウィン同窓会プラン」を企画する、といったアイデアが浮かびます。一方で、「ハロウィンの喧騒にはもうウンザリ」とのテキストを添えて「#ひとりハロウィン」のハッシュタグも増えている場合はどうでしょうか。このようなソーシャル上の反応に対して、地方のホテルであれば、20代を対象に「都会を離れて、少し早い温泉を」といったキャンペーンを展開するのも面白いかもしれません。

以上、極端な例をあげましたが、ブランディングにしろキャンペーンにしろ広告にしろ、ソーシャルリスニングはこれまで企業が気付きにくかった消費者の反応を生のデータとして顕在化させる作業です。そして、そこで得られたデータは、対策や企画を練るための「きっかけ」となります。

しかし、ただの「きっかけ」という認識で終わらないのが欧米のソーシャルメディアマーケティング。次の記事で、その一端を見ていきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?