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言葉の異称を勉強してみる その肆

異称・異名・別名を知ることにより日本語の魅力を再確認し、あわよくば短歌で使えそうな言葉を収集しようという記事の第四弾です。
さっそくいってみましょう。


【蛇】
「朽ち縄(くちなわ)」
形が朽ちた縄に似ているところから。

「陸鰻(おかうなぎ)」
蛇の異称。

「かがち」
蛇の異称。

【大蛇】
「おろち」
旧仮名遣いだと「をろち」。

「うわばみ」
15世紀ぐらいから「おろち」に代わって使われるようになった。

【牛】
「黒牡丹(こくぼたん/くろぼたん)
中国の故事から。

「田鹿(たじし)」
牛の異称。

【鹿】
「萩の夫(はぎのつま)」
鹿が萩を妻として訪れるという伝承から。

「紅葉鳥(もみじどり)」
鹿の異称。

【梅】
「風待草(かぜまちぐさ)」
春は東からくると信じられていた昔、東風を待って咲くから。

「春告草(はるつげぐさ)」
春の訪れを告げてくれる花から。

「香栄草(かばえぐさ)」
梅の異称。

「花の兄(はなのあに)」
一年のうちで他の花に先駆けて咲くから。

「木母(もくぼ)」
梅の異称。

「清客(せいかく)」
梅の異称。

「好文木(こうぶんぼく)」
中国の故事から。

【菊】
「秋花(あきしくのはな)」
菊の異称。

「隠逸花(いんいつのはな/いんいつか)
他の草花がしぼんだ頃に咲くさまが、俗世を離れて隠れ住む人のさまに似ているところから。

「形見草(かたみぐさ)」
菊の異称。

「河原お萩(かわらおはぎ)」
「本草和名」(平安前期)より。

「草の主(くさのあるじ)」
菊の異称。

「霜下の傑(そうかのけつ)」
「撮壌集」(1454年)より。

「花の弟(はなのおとと)」
多くの花に遅れて咲くところから。

「星見草(ほしみぐさ)」
菊の異称。


今回は以上です。
牛なのに「田鹿」や、鹿なのに「紅葉鳥」とはこれ如何に? と思いますが、これもまた異称・別名の面白さですね。
ちなみに「花の弟」の読みは「はなのおとと」で、誤字ではありません。

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