第20回

ただ俺を生かす力 〜ハードコアアンダーワールド〜第二十回 太陽の瞬き編

日本のPUNKシーンを取り扱っているBollocksという雑誌がある。
そこに2014年から2019年にかけて、30回にわたり「ただ俺を生かす力〜ハードコアアンダーワールド〜」という連載コラムを執筆してきた。
残念ながら2019年のNo.44号で連載が終わってしまったが、そのBollocksで書いていた連載をnoteで読めるようにすることにした。
noteで連載している「ISHIYA私観平成ハードコア史」と「ISHIYA私観平成ハードコア史 第2章」と被る話も最初の方にはあるが、途中からその時々で感じたことや、ライブ、ツアーの様子なども書いているので、また違った趣向のコラムにはなっていると思う。
これまで雑誌を買わなくては読めなかったコラムだが、連載が終わったことによって俺個人で発信することができる許可を得て、今回noteでの公開となった。
売文稼業なので有料とさせていただくが、全30回分を雑誌で読むとなると3万円+消費税がかかるので、お得に全話読めるようになっている値段設定になっていると思う。毎回雑誌掲載時に乗せた写真もカラーで掲載するので、興味のある方は是非購入していただけると幸いである。
掲載時の話に加筆・修正は加わると思うが、内容は変わらず時系列などは当時のままで掲載させてもらうので、是非購入して楽しんでもらいたい。

写真 最後の懲役に行く寸前に耕さんとJUNと撮った写真。まさかこれが最後になるなんて…。

この原稿の締め切り直前の2017年の10月17日に、信じられない話が俺の耳に入った。THE FOOLS、ブルースビンボーズのボーカルである伊藤耕さんが死んだというのだ。
あまりにも信じられない話だが、俺は今、この原稿を伊藤耕さんの遺体に面会した後に書いている。
耕さんは高円寺の斎場にある一角で、眠っているとしか思えない穏やかな顔で、少しニヤけたような顔をしながら棺桶に覆われていた。

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30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!