ISHIYA私観「平成ハードコア史」〜#10 NHK「パンク対ヘヴィメタル」

 2019年の今年、平成という時代に終止符が打たれる。

 1989年から始まった平成だが、昭和からパンクシーンにどっぷりと浸かった俺は、昭和も終わりを迎える頃にDEATH SIDEというバンドでライブ活動やレコード発売が活発になって行った。

 自身の活動を踏まえた上で考えてみると、平成という時代が人生のメインとなる活動時期だったと感じ、私観ではあるがその歴史を書き留めておこうと思い筆を取った。

 これから連載をしていこうと思っているこのコラムでは、全くと言っていい「極私観」に基づくものであり、俯瞰の要素からはかけ離れているだろう。

 しかし、平成のアンダーグラウンド・ハードコア・パンクシーンを体験し続けてきた俺の記憶に興味のある方であれば、興味深い話があるはずだ。

 今まで世に出ていないこともたくさん出てくるはずだと思うし、こんな世界が世の中にはあるんだと、少しでも興味を持ってもらえれば、俺が人生を賭けてやってきたことも報われる。

 売文を生業としているのでこのコラムに関しては有料とさせてもらうが、興味がある人は是非このコラムを購読してほしい。

 今後このコラムを読んで、様々なバンドに親しみが湧く人間もいるだろう。しかし、自分が体験したことでもないことで、馴れ馴れしくバンドに知ったかぶりをして話しかけても自己責任なので気をつけることを忠告しておく。

 昭和のハードコア・パンクの先輩たちがそうであったように、一旦中に入れば信じられないほどの優しさを見せてくれる日本のハードコア・パンクの人間たちだが、その壁は厚く高い場合があることを認識してほしい。

 そうでなくては、このコラムを続けることができなくなるかもしれない。

「#10  NHK パンク対ヘヴィメタル」

 今はネットの世界が発達しているので、昔の様々な映像を観ることができて色々な憶測や情報が飛び交うが、映像に残されていない部分というものがある。あまり公にできない内容が多い日本のハードコア・パンクの世界だが、書けない話ほど面白いことばかりだ。
 そんな日本のハードコア・パンクの人間たちだが、メディアに露出していることもある。

 昭和の頃ではオールナイト・フジなどの深夜のテレビ番組でハードコア・パンクが特集されたりもしていたし、個人的なことでいうと俺は当時のファッション雑誌であるホットドッグプレスなんかにも載っていたことがあるし、THE TRASHはMASAMIさんが在籍に、ヤング・センスという雑誌にも取り上げられている。
 平成に入ると、NHKで「パンク対ヘヴィメタル」というトーク番組が行われ、その動画もYouTubeなどで観ることができる。
 あの番組には俺も出ているが、途中からまったく雰囲気変わる。YouTubeにも放送の全てがあるわけではないが、あの番組はカットされた部分が大半で、そのカットされた部分で番組が途中で異様な雰囲気に変わった。

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30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!