『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』 original title : Grace of Monaco

  グレース・ケリーは今でもファッション雑誌などではアイコンですが、私はぜーんぜん思い入れがありません。昔から知ってたことはかなりのアルコール依存症であったこと。それから、今回の映画で知ったことは、父親にかなり行く手を阻まれ、アダルトチルドレン的傾向が強いこと。親友のナオミ・ワッツがそっくりなダイアナを演じて話題になりましたが、ハリウッドの頂点? ニコール・キッドマンがもうひとりの現代のシンデレラを演じています。ただ、まじめすぎるニコールがまじめに国に愛されようと必死になるグレースを演じる姿はちょっといたいたしかったな。「チャールズとはライフスタイルが違いすぎる」ことから自分でも周囲からの評価でも王室に馴染めなかったとされるダイアナですが、フィラデルフィアのレンガ職人の娘からヨーロッパの公妃になったグレースがもっと上流社会で阻害された、というのは、確かにお気の毒ではあるのですが。

 一つ、この映画を見るまで知らなかったこと。グレースがモナコに嫁いだ1950年代、隣国でモナコの保護国でもあったフランスは、植民地の独立に直面していた。ベトナムに続き、フランス最大の植民地でフランス白人社会も大きかったアルジェリアでも独立戦争が起こります。国庫の厳しいフランスは戦費を調達するため、モナコに本拠を置くフランス企業に徴税するようモナコ政府に請求し(モナコはカジノ収入で国庫を賄う無税の国)、「従わなければモナコをフランス領とする」と声明を出します。夫レーニエ大公がこの要求を飲むと、ときの仏大統領ド・ゴールは「モナコ企業にも課税してフランスに納めろ」とむたいな要求を突きつけ、ついには国境封鎖を実行します。この「第二の祖国」の危機を救うため、グレースが秘策をうつ……というふうに物語は展開していきます。

 それは感動的でないわけではないのだけれど、やっぱり私はニコール=グレースのど根性っぷりのほうが気になってしまった(汗)。あ~、この映画も当然ながら衣装がすごいです。

公式サイト http://grace-of-monaco.gaga.ne.jp/

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