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解毒げどくっていうけど、はたして「毒」ってなあに? その2

 その1でも書いたけれど、最近、「解毒=デトックス」が、「摂取」と同じぐらい注目されるようになって、でも、だからこそ、じゃあ「毒」って何を指しているの? ということがはっきりする必要があるんじゃないかと思った。

 ちょっと気になったのは、「これは毒」「これは体に良い」と、世界にある物質を2つに分けて考える風潮のほうが強い、ような気がするから。

 たとえば、私が目にした文献だけでも、「塩は猛毒」「牛乳はモー毒」「白砂糖は毒」など。

 私が以下に書く「何が毒か」を決定するルールは、それとはちょっと(かなり?)違っている。

 そのルールを読んでみてください。

ルール1 すべての物質は毒でも薬でもなく、中立である。 →毒かどうかを決めるのは、摂取した人の分解能力。分解できない人には危険だが、分解して使える人にとっては別に毒じゃない。アルコールなんかがわかりやすい例。脂肪などの分解能力も人によって違う。

ルール2 とはいっても、「誰にとっても毒」というものは存在する。→例えば、サリンを、人間の身体が生命活動を終える前に分解排出する確立はほぼゼロ。よってサリンは「毒」といってもよい。

ルール3 同じ物質でも、摂取が過少だったり過剰だったりすると「毒」となることがある。→ナトリウムがわかりやすい例。足りなくても過剰でも人間の身体に害を及ぼす。

ルール4 有機物は、入ってきた時栄養でも、体内発酵によって基本、毒に変わる。→無機物や酵素は体内に入っても変わりません。

ルール5 他の物質とのバランスによって毒となったり、中和が可能な場合がある。 → 酸性食品、アルカリ性食品や、ナトリウム、カリウムの摂取バランスなど

ルール6 中毒症状には、急性と慢性がある。 →一般的に「中毒」と言われるものは、「食中毒」「急性アルコール中毒」「ガス中毒」など急性のもの。慢性のものは、体内に蓄積され、人間の中和能力の限界を超えた時に病気となって現れる。

ルール7 生物には、「生きるために」毒を求める場合がある。これらはインプットされた本能なので逆らえない。→たとえば、母乳には麻薬物質が含まれている(赤ちゃんにのってお乳の摂取は大仕事なので、その物質がないとやらなくなってしまう)。野生動物に高脂肪の食事を与えると、病気のリスクが高まるほど高脂肪であってもそちらを選ぶ。それは、生物には「身体を健康の保つ」というプログラムと同時に「飢餓状態から身を守る」というプログラムが同時にインプットされているから。極度のストレスにさらされると、身を守るために栄養のバランスを崩しても耽溺状態=依存症を求めるようになる。


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