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目覚めの気持ち

人の大切な物を壊す夢ばかり見る 自分の大切な物さえ壊せない臆病者のくせにね 私は私の空いた口を塞ぐためだけに手を使って そのまま転げ落ちて 頭を打って 死ぬのだ 椿

    • 自己紹介文1408

      私は長女で、人に甘えることが苦手だった。 ある時それを克服したいと思った。 私は人と迷惑をかけ合って生きていきたいと思っている。 同じくらい楽しいことも分け合って生きていきたいと思っている。 私にとって美しいものは心の栄養で、それがないと生きていけない。 メリーポピンズも映画の中で似たようなことを言っていた。 私はたまに少しだけ1人になりたいけれど、ずっと1人でいるととても不安になってしまう。 世界も人もなく、私だけが取り残されたように思ってしまう。 まだ世界があるのか確認す

      • 寒い

        寒い だってそうです誰も そうするしかないと諦めているから 寒い 砂漠の遠くで冷えていく 体を心を暖められないから 寒い たった一つのものも 守れぬしがない手は何のためにある 寒い 近くの街にて冷えていく 心を体をしかと知っていながら 寒い それさえもどうにもならない私に あの命に涙を流す権利はあるのか

        • 衝撃で死ぬと思った。 しかし意外にも、私はふかふかの床で目を覚ました。 どこなのかよくわからない。だけど多分、さっき落ちた箪笥の中だと思う。 今ならなんでもできる気がした。 だけど歩こうとすればするほど、足が取られてとても疲れていく。 だって床が、ふかふかなんだもん。 そしてとても可愛いペイズリー柄の、ピンクの床。 ペイズリー柄は縦横無尽に動き回って、時々私の様子を伺っている。 がむしゃらに動くのをやめて、よくこの空間を観察してみると、ここは広い円錐状のサーカスのテントの様に

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        目覚めの気持ち

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        記事

          2.

          視界がショッキングピンクに染まっている。 これはパーティではない。ただの1人遊び。 私はどうにかチカチカする視界を元に戻そうと、目をぱちくりさせたり眼球を360°回してみたり、途轍もなく目を細めてから見開いたりした。 しかしそれが始まってしばらく、視界は文字通りショッキングな激しいピンクに全て支配されていた。 輪郭が見えてきたのは10分ほど経ってからであろうか。 今まで部屋のカーテンの柄だと思っていたペイズリーが巨大な獣となり襲いかかってくるのが、視界の端で見えた。刹那、それ

          許して欲しい。「国際トランスジェンダー可視化の日」に寄せて

          急にこんな文を、私が真面目に書くとは思わなかった。 もう過ぎてしまったが、3/31は「国際トランスジェンダー可視化の日」であったという。過ぎてから書き始めていることをとても反省している。許して。 当事者でありながら、私はその存在を昨年あたりになんとなくふわっと知ったのだった。 私はそれまで知らずに生きてこれて幸せなのかもしれないし、知らずに苦しみもがいてなんとか今生きているのかもしれないし、両方なのかもしれない。ともかくそれをとやかくいう気はない。自分を許したいのだ。 今まで

          許して欲しい。「国際トランスジェンダー可視化の日」に寄せて

          1.

          3/28、今日死んだのは啓蟄に目覚めたばかりの小さな虫だった。 私はたまに、心というのはもともと引っかかりのない球体だったように感じる。 様々なものに触れて、揉まれ、ぶつかり、削られ、撫でられるうちに、その球体はどんどんざらついてゆく。 今の部屋の中の散らかりはそのまま私の心のざらつきの原因のように思う。視界に机の上の散乱した細かい薬やサプリメント、カサカサしたレシート、筆記用具等が入る度、それらが心をさらにザラザラと不快に削ってゆく。 ザラザラと ザラザラと ザラザラと

          渋谷で?時の夢の中

          私は渋谷駅の南口と東口の間にあるマクドナルドを抜けて、そこから続くモールのようになっているアーケードを全速力で走っていた。 呼吸器が痛い。口の中に血のような味が滲んできた。 ビルの隙間から開けた空を見るのが好きで、私は空き地に寝転ぶ。 雲は渦を巻いている。 突然、空き地の目の前の道の向こうから、こちらへ向かってくる激しい音がした。 近づいてくるガソリンと焦げた匂い。 赤ちゃんの人形が付いた火炎放射器が、辺りにガソリンを撒き散らし、近くのものを焼きながら目の前を通り過ぎていった

          渋谷で?時の夢の中

          無題は逃げ 逃げは大切

          国道沿いの花 綺麗な花 隣の草は車に潰され乾涸びて美味しそう なんて早い乗り物がこの世にあるのだろうと感動した 何度も乗っている新幹線の窓の外をふと見たとき 景色は尾を引きながら私の後方へ吸い込まれてゆく 快感 不快感 恐れている 畏れている 期待してる さっき空一面の鱗雲が通り過ぎていったよ どうしてだろう 一昨日の夜降った雨は昨日まで確かにあった 今はすっかり乾いて また雲に さみしい さみしいから歌う 本当に? 私たちの問は単純な解に収束しない 光が眩しい ス

          無題は逃げ 逃げは大切

          必殺技の内訳

          恋に落ちてしまえ お前も お前も お前も 恋に落ちてしまえ お前も お前も お前も 此れを奉り給え ガランゴ ガランゴ ガランゴ 此れを奉り給え ガランド ガランド ガランド 暮なずむ 鳥に注意してね ギャランボ ギャランボ ギャランボ 鳥に注意してね ミャミャンミャ ミャミャンミャ ミャミャンミャ 竹藪出来た 出来たら笑え 笑え 笑え 山笑え これは呪いですよ シャランシャ シャランシャ シャランシャ これは呪いですよ ドロンド ドロンド ドロンド これ

          必殺技の内訳

          王国を捨てた日

          インターホンが光っているのに気付いた 確認したら変な時間に押されていた 録画された映像にはただ暗い玄関だけが映されて どこか顔のように見えた 気のせいだった 誰が声を盗んだって私は空 無数の翼あるもの達が歌う 壊れた目に向かって羽虫は突進する 廃墟になってからデパートは栄える ゆくえの無いものに皆惹かれて 抗って朽ちて叫ぶ 鳥になりたい 魚になりたい 翼を持った魚になりたい 言うのは簡単 やるのも簡単 それを望む限りは 誰も大して望んでいないから 全ては難解 いつまでも

          王国を捨てた日

          ダークサイドです。お気をつけ下さい。

          あっという間に、薩摩芋のジャムも凍えた星月も、桃とジメジメ畝る闇に取って代わるでしょう。 危ないほどピンク色の夕暮れ 足が縺れた 歩けるはずの平らな道 日が沈む 日が沈む 日が沈む トロッとした闇は香る 鎖と同じ温度が首を縛る 玉虫色に魅了されてはいけない あの言葉を聞いてはいけない 耳と目は塞いでも 脳の中から見えて聞こえる 見えて聞こえる 見えて聞こえる

          ダークサイドです。お気をつけ下さい。

          古い指輪の夢

          海辺では何も聞こえない サラサラと砂の落ちる ザワザワと波の押し寄せる 縞模様の中に取り残された 高いところから落ちたせい 頭を打ったから鮮明になってしまった 口から何かがするすると 身体中をペイズリーが這い回っている とても気持ちが悪いけれど それではどうぞ CGの中で必死に 必死にチャールストンを! 1.2.3.4.1.2.3.4.1.2.3.4.1.2.3.4前!後ろ!前!後ろ! 遡行!遡行!遡行!遡行! ケークウォーク!ケークウォーク!ケークウォーク!ケークウォ

          古い指輪の夢

          独りごちてサイゴニ

          山裾が燃え出したとき呟いた イマノアナタヲゼンブクレナイ 重ねれば忘れてゆける思い出も クズレオチタヨトウフノカタマリ 滝壺の白とグレーと青緑 セカイハアラタニアカイヨアカイ

          独りごちてサイゴニ

          ニューロマンティク

          梅林の雑踏 蓮華畑のピンク 光が肩をすり抜ける 大きな袖が靡く 飲み水に顔を浸した 前髪が垂れる 紋白蝶が羽ばたく大きな音 杜若の口づけ 迷いが胸に被される 小さな声が消えて 追い風に強く願った 藍染の浴衣 太陽が燃え尽きる直前の香り 黄金の田が揺れる波 鏡越しの暴風雨 ミュグレーのダンス 回路の変換 黙る赤い山

          ニューロマンティク

          夜の芳しき

          今夜私は、どうせ眠れないからと開き直って、しばらく見て見ぬふりをしていた部屋の整理をすることにした。 昼間外に出たら、もうすっかり初夏の陽気だったので、ついに暑苦しく思うばかりになってしまったコート達を整理して、衣替えから。 かつて着物が普段着であった頃、6月1日からはしっかりと、裏地のついていない単の着物に変えた。最近は暑いから、私は6月1日よりももう少し早く、5月1日にやってしまうのだけど、今年は3月終わりからほとんど家にいるだけの毎日で、すっかりそんな季節になったのを

          夜の芳しき