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茶太郎のその後

奈良の施設からやってきた保護犬の茶太郎。

保護された時から身体はもう限界で、我が家に来てわずか20日で旅立ってしまった。

▲すぐに息切れするので、とにかくよく寝ていた

亡くなった翌日は土曜日だったので、家族みんなで茶太郎を火葬。
慣れた感じの葬儀業者がちょっと嫌だなあと思いつつも、14kgほどあったフワフワの茶太郎は、あっという間に小さな骨になって戻ってきた。

茶太郎を保護してくださった団体の代表も、亡くなった知らせにとてもショックを受けていたようだ。後日、お手紙をいただいたのだが、そこには茶太郎を引き取ったことや最後まで治療をしてくれたことへのお礼、短い期間で亡くなったことに対する申し訳なさが綴られていた。

(あとから知ったところによると、保護して短期間で亡くなると、里親から怒られたりクレームが入ったりすることも多いそうだ。そんなこと言う人いるんだ)

「あの子はあと少し保護が遅れていたら確実に殺処分でした。短い命のなか、最後に幸せな時間を過ごすことができて本当によかったです」

この一文を読んで、私たちの茶太郎に対する悲しみや悔いが残る気持ちは昇華されたように思う。

保護団体の方とはその後も頻繁に連絡を取っていたのだが、私たちの見えないところでたくさんのボランティアが保護活動をサポートしていることを知った。

里親が決まった犬を家庭に順応させるための預かりボランティアや、病院に連れて行く通院ボランティア、たくさんの保護犬を散歩させる散歩ボランティア、生まれたての子猫にミルクをあげるミルクボランティアなどなど……。

茶太郎も、実は多くのボランティアが関わってくださっていたようで、お会いしたことがない方からもLINEやメールでたくさんの追悼メッセージや画像を送ってくださった。私たちだけでなく、茶太郎はたくさんの人たちから愛情をもらっていたんだ。茶太郎、よかったね。

予想外の展開へ

月命日まではとても長く、悲しい毎日だったが、お花やお手紙をいただいたり、あたたかい言葉をかけてくれたり、一緒に泣いてくれた友人もいて、少しずつ前を向くことができた。

毎日里親サイトやSNSで犬画像を眺めては茶太郎の面影を探す日々。しかし、新しいワンちゃんを迎え入れるのは、しばらくはいいかなと思っていた。


そんなある日、再び保護施設の代表の方から電話がかかってきた。
仔犬を引き取ってもらえないだろうかと言われたのだ。

えーーーどうして? 思いもしなかった話に困惑する私。

「保護犬を引き取る」選択は、最近だいぶ浸透していて、特に仔犬は里親を募集するとすぐに希望者が集まる。実際にこの仔犬も多くの人から引き取りたいと連絡をもらっているが、ペットショップで買うような感覚で連絡する人が多く、どの人に引き取ってもらうべきか悩んでる、とのことだった。

「亡くなってまだ日が浅いのにこんなお話は…と思うのですが」と前置きがありながらも、「茶太郎くんのお家のようなところで、仔犬に幸せになってもらいたい」と代表に言われ、再び家族会議を開くことになった。

私と同様、家族も予想外の話に驚き黙ってしまったが、「茶太郎にできなかったことをこのワンちゃんにしてあげたい!」という子どもたちの意見で覚悟が固まった。

再び保護施設のある奈良へ。
生まれたての状態でお母さんと保護されたその仔犬は、5ヶ月になったと聞いていたが、思っていたよりずっと大きかった。

▲「ハク」といいます! 

すでに12kgあり、抱っこも一苦労。新しい家族を迎えた我が家は子育てのような日々がスタートし、目まぐるしく動き出すことになった。


毎日、茶太郎の祭壇の水を替えながら、「茶太郎はあちらで見守ってくれているだろうか」と思う。またどこかで会えるといいな。そして、今度は元気で幸せに暮らせますように。


茶太郎のnoteは今回で終わりです。ハクとの日々はまた別のかたちで。

#保護犬 #保護犬と暮らす

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