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ソシャゲ運営の超基本

もう10年とは言わないけれど、7~8年くらい前からずっと言われていることなんだけど、未だに聞かれることがある業界ではとても当たり前と認識されている基本的な話があるんですが、未だにちょいちょい聞かれて話すことがあるんですよね。毎回同じことを言うのも飽きたのでnoteにまとめてみることにしました。

同業者の人からしたら、新人研修の内容にも入らないんじゃない?ってくらいに当たり前の事かと思うのでサラっと流してください。
普段、ゲームで遊んでる人はそうなんだって思うところもあるかもしれません。もし、将来はアプリゲームなどの開発・運営をしたいと思ってる人がいたら読んでみてもいいかもしれません。

売上を増やすという言葉の曖昧さ

フリートゥープレイ(F2P)や基本無料アイテム課金と呼ばれているゲームモデルは、ゲームを始めて遊ぶだけなら無料で遊べます。ただし、みんなが無料で遊んでいるとサービスが成立しません。作るのにも運営するのにもお金がかかっているからです。
全員がお金を払わなくてもいいけど、お金を使いたい人は使える。もしくは、最初は体験版のように無料で開始できるけど、一定を越えてより遊びたいならお金を使ってねというモデルですね。
ここでよく聞こえてくる声がこちらです。

「売上をもっと増やそう」

これを聞いて、みなさんはどうイメージするでしょうか。どうやったら売上が増やせるでしょう?ざっとよくあるアプリゲームで想像されそうな範囲だと、

・安売りをして買う人を増やそう
・いっぱい宣伝して人を増やそう

などでしょうか。他にもたくさんあるけど、言い出したらキリがないので…
結論から言うと、どちらも正解でどちらも不正解になりえます

では、それは何故なのかそれぞれのパターンについて考えてみましょう。

■安売りで買う人を増やそうとした場合

こんなパターンが考えられます。
いつも1000円で売っていて、10人の人が買ってくれる商品がありました。
これを期間限定半額の500円で売りました!
買ってくれる人が15人に増えました!

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グラフにするほどのことでもないんですが、左が通常時で右がセール時です。こんな形で買う人が増えても売上が低下するということがありえます。
値段の設定と買う人の増加の見積もりが甘かった結果ですね。

■いっぱい宣伝して人を増やそうとした場合

今回はTwitterやyoutube、TVCMなんでもいいんですが、宣伝して人を増やしていこうというアプローチをすることにしましょう。

これもまた基本的な考え方ですがCPI(1人の人がインストールするために必要な広告費の平均単価)、とLTV(1人の人がゲームを始めてから辞めるまでの平均課金額)と思ってください。
CPI:500円
LTV:400円
こういう状況でした。


これは、宣伝をするほど、1人増えるごとに100円の赤字が出てしまいますよね。というのがシンプルな考え方です。
ゲームの状況に応じて宣伝を打つのが正解じゃないパターンが存在するのが難しいところ。

逆に言うと、むちゃくちゃ鬱陶しいくらいに広告を見る!というタイトルはLTVがCPIより高いという結果が出ているんでしょうね。広告費を使えば使うほど利益が出てしまうというパターンだと想像できます。
(もしくはリリース直後で勝負をかけているか)

ちなみに、僕が経験した衝撃の体験として昔の話ですが、
宣伝費を2000万円使ったら今月の売上が150万円上がりました!こんなにアップした!(ドヤァ」みたいな事を言ってる人に出会ったことがあります。

ちょっと算数から勉強してきてくれよって思っちゃったんですが、それを口に出したせいで周りの人達にむちゃくちゃ嫌われました。口に出しちゃう僕も若かったなと思います。

そもそも売上とはなんなのか?

よく言われていることですが売上はこういう要素に分解できます。
僕も前に別の記事でちょっと触れた内容ですが、

売上 = インストール数 × 継続率 × 課金率 × 課金単価
インストール数:ゲームを始めてくれた人の数
継続率:ゲームを遊び続けてくれる人の割合
課金率:お金を使って遊んでいる人の割合
課金単価:お金をどれだけ使っているか

森を見て木を見ずというか、大きな枠ではなくどんどんと分解していくことでもうちょっと具体的なアプローチができるという考え方です。

もちろん、この売上を構成する4つの要素ももっと分解できるんですが、今回はそこまで話してたらキリがないので割愛します。また、機会があればどこかで。

この計算式を見てもらえればわかると思いますが、右側に入っている要素のどれが1つでも大きくなれば売上は増加します。また、どれかが下がれば売上は低下します。

これも前言ったことの繰り返しになっちゃいますが、もしゲームを楽しんで遊んでいる人がこの記事を見ている場合、ゲームの売上のために課金しなきゃはそんなに大事じゃない(いや大事なんだけどそれだけじゃない)って事を覚えておいてください。

周りの友人に勧めてインストールしてもらう。楽しいゲームだよと発信するというのも、売上構成要素の1つであるインストールを増やす行為に繋がっています。これらをして頂けるだけで、僕たちはとても助かっているという事をお伝えしておきますね。いつも、ありがとうございます。

平均値で考えることは危ない

さて、これも当たり前の事なんですが、平均値って他の人と混ぜられて取られるのすごい怖いことですよね。よく言われることですが平均年収なんて、典型的な例だと思います。

無題

すごく雑な例えですが、A社とB社で平均年収は同じ300万円ですが、同じ待遇かと言われたらもちろん違いますよね。A社はAさん以外は厳しい思いをしていることでしょう(B社の300万も厳しいですが)

平均値では同じでも中央値で見ると3倍の開きがあります。同様に、アプリゲームでも平均課金額が仮に1万円だとしたら、みんな1万円使うよ!って考えでやってるとダメで、平均値で見ちゃうと、一部の人に押し上げられちゃってるという事が多々あるんですよね。

それじゃ、中央値で見ようぜ!ってなるかというと、そうでもなくって
その中央値に属する人がどれくらいいるのかで判断も変わってくるかと思います。実は高額と少額の人しかいなくって、中央値に属する人が存在しないかもしれないし。

できるだけ、多くの人のスタイルに合わせるために更に分解して傾向をとっていくという事が大事になってきます。実際にどういう動きをしているのかを見ながら多くの人へのアプローチをしていくというのがお仕事なので。

それじゃ、どんなふうに分解しているの?というと、よく使われる手法だと、セグメント分けとして、デシル分析をいろいろな数字で行ったりとか、RFM分析をかけてみたりとかします。
この辺りは説明すると長いので省きますが興味のある人は入り口として、この辺りを読んでみてください。

という感じで、長くなったので今回はこの辺りで。
同業の人にとってはつまらなくてすみません。あと、文字ばっかりで読みにくかったかも。

よくわからん!そんな事無い!みたいなご意見があったらコメントいただければ。

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