ことわざで覚えるデザイン その2

今回、新しいことわざを書くために、ことわざ辞典を片っ端から読んで、ことわざのパターンを解析してみました。

すると、圧倒的に多かったのが

「   」の「   」

というパターンでした。

 阿吽の呼吸、後の祭り、医者の不養生、イタチの最後っ屁、一日の長、烏合の衆、雨後の筍、うどの大木、同じ穴の狢、火事場の馬鹿力、河童の川流れ、烏の行水、机上の空論、狐の嫁入り、漁夫の利、苦肉の策、蛍雪の功、怪我の功名、犬猿の仲、鯉の滝登り、紺屋の白袴 、ごまめの歯ぎしり、コロンブスの卵、三顧の礼、三度目の正直、水魚の交わり、雀の涙、青雲の志、青天の霹靂、対岸の火事、高嶺の花、高みの見物、宝の持ち腐れ、他山の石、脱兎の勢い、竹馬の友、鶴の一声、伝家の宝刀、年寄りの冷や水、どんぐりの背比べ、猫の額、年貢の納め時、蚤の夫婦、背水の陣、馬鹿の一つ覚え、破竹の勢い、張子の虎、針のむしろ、氷山の一角、風前の灯火、下手の横好き、弁慶の泣き所、水の泡、無用の長物、元の木阿弥、もぬけの殻、諸刃の剣、安物買いの銭失い、有終の美、六十の手習い、若気の至り…などなど、 知っているものだけでも、60個以上ありました。

ある程度、よくあるパターンに当てはめると、それなりにことわざっぽい響きになります。他にもいくつかコツがあるのですが、それについてはまた次回以降で。

では、今日の「デザインことわざ」を3つご紹介します。

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伝わらないのは怪文書

デザインには、必ずそれを見る相手がいます。いちばんの目的は、相手にキチンと意思を伝えること、つまりはコミュニケーションです。どんなにキレイなデザインでも、オシャレなデザインでも、伝わらなければ意味がありません。それは、解読不能な怪文書と同じです。例えば、意味のない装飾をしたり、むやみに文字を小さくしたりするようなことが、ときとしてメッセージの伝達を阻害してしまうこともあります。一番ダメなデザインは「伝わらないデザイン」です。

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企画七割手三割

デザインの作業は、手を動かすことだと思われがちです。しかし実際には、頭で考えることの方に最も時間を割くべきです。なんなら、企画八割でもいいくらいです。日本の美術教育はアウトプットばかりに重きを置かれがちですが、特にヨーロッパの美術教育においては、よりコンセプトワークの方が重要視されるそうです。手を動かすための「技術」ももちろん必要ですが、それは頭の中で入念に検討されたプランを形にするための、一つの手段に過ぎないのです。

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満員電車は見る気も失せる

ついつい欲張って、画面いっぱいに文字や写真などを詰め込んでしまう人がいます。ギュウギュウに要素が詰まったデザインは、満員電車のようなものです。もう見るだけでウンザリしてしまいます。これでは、言いたいことが伝わるはずもありません。できるだけ無駄な要素を削ぎ落として、選りすぐったメッセージだけを目立たせてあげた方が、素直に相手に伝わります。みんながゆったりとくつろげるような隙を作ってあげることで、気持ちのいい空間が生まれます。何事も「余白」が大事なのです。

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デザインをする上で気をつけたいこととして「小手先のテクニックに頼りすぎると、肝心なことを見落としがちになる」ということがあります。見た目をキレイにすることばかりに囚われすぎて、一番大事なメッセージが伝わらなくなってしまっては元も子もありません。ときには原点に立ち戻って、伝わらないものになっていないか、技巧に走っていないか、情報過多になっていないかなど、客観的に見直すことが大切です。

ではまた次回!

「面白いとは何か(仮)」/ 岩下 智 著
CCCメディアハウスより今夏発売予定!


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岩下 智

ことわざで覚えるデザイン

デザインを習得することは、容易ではありません。ソフトの使い方などの方法論を覚えても、経験がなければデザインができるようにはならないからです。そこで古来から伝わる庶民の知恵を応用して、デザインの経験を伝承する「ことわざ」を作ってみました。
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