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やっぱり写真は楽しいな

本を書いています。 Vol.34

前回も書いた通り、いま写真を撮るのが楽しくてしょうがない。

カメラを持ち歩くと、積極的に「よそ見」をしたくなる。これは拙著にもさんざん書いているのだが、人間「余裕」を持って「よそ見」をすることが、良いインプットの第一歩なのだ。そういう意味では、わざわざカバンの重みを増してまでカメラを持ち歩くことで、「何か撮りたいな」という思いが自然と湧いてきて、キョロキョロとよそ見をすることになる。これは、カメラを持ち歩くようになってから発見したメリットの一つである。

そして、その次に大事な「観察」の力も自然とつくようになる。「あ、これ撮りたいな」と思ったときに、どの角度から撮ったらより魅力的に見えるか、近づいたり離れたり、いろんな角度から観察することが何よりも大切だからだ。特にモノクロで撮影する場合、目で見えているものとは明らかに違う世界を捉えることになる。写真撮影にとって最も重要な「光」をどう捉えるか、その観察力を養うには、余計な情報を排除したモノクロの方が、カラーよりも適しているように思う。

これらのことを総合するに、拙著「面白い!」のつくり方 に書いた「面白い表現をするためのステップ」が正しいとするならば、写真を撮る(もしくは撮ろうとする)ことは、面白いものを表現するためにも効果的な「遊び」であると言えるはずだ。

写真の撮り方も、いろいろ試してみると面白い。基本は、前回も書いたような「思いつきのスナップ写真」だ。キョロキョロと周りを見渡して、面白いと思ったものを素直に撮る。もちろんそこでの見せ方は重要だが、まさにその瞬間しか撮れないようなライブ感や、リアルな空気感のある写真になる。

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ちなみに最後の写真は、小6の娘が作ったあみぐるみ。

スナップのライブ感はもちろん写真の醍醐味なのだが、キチンと計算しながらじっくり時間をかけて撮るいわゆる「ブツ撮り」の面白さにも目覚めてしまっているのが、今回のマイ写真ブームの新しいところでもあり、困ったところだ。はっきり言って、面白すぎる。

基本は自然光でしか撮らない(撮れない)のだが、今回新たに導入した武器が「スライドアーム」だ。これは、三脚の雲台に取り付けて横方向に突き出すことのできるアームで、これがあることで「真俯瞰での撮影」が可能になってしまう。撮影風景は、こんな感じ。

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このアームを支えるためにも、前から持っていたイージーな三脚だと心もとなく、ガタも来ていたので、思い切って三脚も少しだけランクが上のものを投入した。

写真撮影にとって重要な要素は「ライティング」「アングル」「露出」だ。そしてこの3つこそが、プロと素人の間にある大きな差であることは間違いない。そういう意味では、私も撮影に関してはまったくの素人なので、このように機材を導入することでプロ並みの「アングル」が得られるのであれば、決して高い買い物ではないように思う。

そんな武器を試したかったのもあって撮ってみたのが、この辺の「小さなブツ撮り」たちだ。

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とりあえず手近にあった小さな自然物を撮ってみた。敢えて理屈をつけるなら、モチーフとして「種子」というのは面白いと思っている。まさに生命の源であり、生きるためのエネルギーがこの中にギュッと凝縮されていると思うと、何だかロマンを感じてしまう。

ライティングは自然光に少しレフを当てただけ。曇っていてもガッチリ固定さえできれば、撮影は十分にできる。

一見何でもない写真のように見えるが、もし仮に「プリントして飾りたくなるような写真とはどんなものか」と考えるならば、日常のスナップよりはこういう整理された絵の方が飽きが来ないのではないか、とは思う。

他にも、いまちょっと面白いなと思っているのは夜の部屋で撮る写真。先ほども書いたように、三脚などを使ってカメラを固定できれば、よほど真っ暗でなければ撮影はできるし、周りが暗い分、余計な情報がそぎ落とされて良いというメリットもある。

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いやー、楽しい。

前回も書いたように、今までも何回か写真ブームが自分の中であったのだが、いつもは新しいカメラそのものの魅力にばかり捕らわれていて、モチーフや写真そのものとじっくりと対峙する余裕を持っていなかったような気がする。少し歳を重ねたこともあり、やっと落ち着いて写真を楽しむことができるようになってきたのかもしれない。

仕事ではもちろん写真とずーっと付き合ってきたわけだし、何よりも超一流のプロの一番すぐそばで、その仕事っぷりを目の当たりにしてきた経験が、少しだけだけど、ここにきて活かされているようにも思える。

何よりも、心から楽しめる趣味を持つというのは、やはり人生にとって大事なのだな、と改めて思っている次第。

写真、面白い。


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