マンガの投稿をはじめて1週間の感想など

「原始人A」というマンガを描きはじめて2週間弱、投稿をはじめて1週間が経ちました。率直な感想を述べると「めっちゃ面白い」です。

思い立ったはいいものの、すべてが手探り状態ではじめていて、とりあえずこの「note」の他に、「マンガボックス インディーズ」「LINEマンガ インディーズ」に投稿してみています(ちょっと遅れてcomicoにも)。

やってみてわかったのですが、とにかくどのサイトも、投稿して世の中に公開するだけなら非常に簡単にできるようになっています。PVやLikeなどのフィードバック、ランキングや課金システムなど、投稿したあとの継続させる仕組みもなかなかよくできています。「マンガボックス」も「LINEマンガ」も、普段はユーザー側で接していたので、プロの連載とはまったく別レベルのインディーズではありながらも、同じアプリの中で同じUIに並んでいる時点で、「おぉ!」と思ってしまいます。

この文章を書いている時点(投稿からちょうど一週間くらい)で note / PV:1575 / Like:63、マンガボックス / PV:1767 / Like:146、LINEマンガ / PV:1848 / Like:78 といった感じで、これがいい数字なのかどうか分かりませんが、一週間で5000人もの人が見てくれているというのは、とても励みになります。特にマンガボックスはわりとコメントが活発で、ありがたい言葉もたくさん頂き、おかげさまで週間のコメント数ではランキング1位になることができました。ま、一週間なので作品数も少ない中での比較ですし、「原始人A」は1話1Pで更新頻度を上げているので、まんまとお調子に乗れてしまう仕様になっているのですが、そこは冷静に見つつも、こういったシステムは作る側のモチベーションUPには非常に効果があると思います。

とにかく「創作物を世に広める」という観点で見たときに、これほどプラットフォームが充実しているジャンルも珍しいのではないでしょうか。ちょっと大げさですが、この国にまだ「創作のジャパニーズドリーム」があるとするならば、可能性として大きいのは、動画、音楽、マンガぐらいなんじゃないかと。もちろんその中でも成功するためのハードルはかなり高いとは思いますが、やはり「コンテンツ」の時代なんだと思いました。

じゃあ、自分が専門としている「デザイン」とか「広告」というジャンルの中で同じような仕組みがあるかというと、どこにも存在しない訳です。たぶん。もちろん創作ではないのでベースがまったく違いますし、そもそも競争ではないので比べてもしょうがないのですが、若手の成長機会やモチベーションの向上という視点で考えると、こういった「さらけ出す場」になるようなものがどこかにあってもいいのではないかと思いました。まず周辺の空気から感じられる「活気」が全然ちがうなぁ、と感じた次第です。もしかしたらCMプランナーを目指す人は、一度マンガ投稿サイトで武者修行するのもありなんじゃないかとすら思っています。

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ところで、自分は今までマンガを描くということからはずっと逃げ続けてきたのだと、今回気づかされました。思い返してみれば、子どもの頃いちばん熱中して描いた絵はドラゴンボールの模写でした。美大を目指す人間は大体、マンガの模写でクラスでちょっとだけ人気になったことがある人が多いのではないかと勝手に思っているのですが、自分も例外ではなく、今までの人生の中でも何度かマンガを描いてみようと思ったことが確かにありました。ただ実際手を動かしてみると、何となくキャラクターのイメージはササッと描けて、ザックリとした設定のようなものは考えられても、細かいストーリーが書けないんですね。

今でもそうなのですが、CMを企画するときでも、ストーリー、セリフ、ギャグなどを考えるのは、あまり得意ではありません。若い頃は特に、そういった感情表現の要素にどこか「気恥ずかしさ」を感じてしまって、いわゆるADが考えるような、一枚絵から発想して映像化したようなCMの方がやっぱり考えやすかったんです。ただ、それはクールな反面、ややタンパクで、往々にして「人間を描けていない」ために、いまいちグッとくるものではなかったりします。グラフィックでは、映像に比べて全体の情報量が少ない分、そういった「気恥ずかしさ」はうまくごまかして何とかカッコつけられるのですが、基本的に時間軸のあるメディアとはやはり脳の使い方がちょっと違っていて、苦手意識がずっとありました。そんなこともあって「やっぱりマンガは無理だ」と、ずっと諦め続けてきたような気がします。

まぁ、どこかでカッコつけようという意識が邪魔をしていたのではないかと思います。デザイナーなんてそんなものです。どこかで「カッコつけることのカッコ悪さ」みたいなことに気づかないと、特に広告の場合、一皮むけない気がします。最近特にそんなことを考えていたので、若い頃には考えられなかった意識のシフトが少しはできたような気がします。

また、表現としても「今のマンガとはかくあるべし」みたいな視野の狭さも阻害要因としてあったんだと思います。今のマンガっぽいキャラクターがいて、今っぽいリアルな設定が必要で、ハラハラ・ドキドキしなくちゃいけなくて…といった、偏ったイメージ。

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ところが、かたやネット上にあまたあるマンガ表現を見渡してみたら、なんと自由なことかと、あるとき改めてハッとしたんです。待てよ待てよと。自分の描きやすい絵で、自分が面白いと思うことを純粋に描けばいいんじゃないかという、至極当たり前のことに、今さらふと気づいたんです。だったら、自分なりに無理なく描けるイラスト的な表現をそのままマンガにしてしまってもいいんじゃないかと。

それから、普段の広告的な考え方も、いろいろ役に立ちました。例えば、CMの企画やコンテ制作は考え方がマンガとすごく似ているのですが、特に広告の企画でよくある「フレーム」という考え方は、今回のようなマンガには、そのまま応用できるのではないかと思いました。企画として大きな枠組みを設定してあげることでシリーズ化しやすくなるという考え方(のようなもの)です。これを応用すれば、単発であればマンガにできそうだし、一番難しい「アイデアの量産」も可能な気がしました。

お笑いでよくある「型」みたいなものだと思います。何だかわからないけどそれを言えばスッと落ちる一言、みたいなもの。今回のマンガで言うと「きょうの進歩」というのがそれに当たるのですが「原始時代なら何を言っても格言になる」ということにちょっとした気づきがあったように思います。これがあれば無理にチャンチャン落ちにしなくてもいいし、さらにそこに現代の風刺的な要素をまぶしていけば、ネタにも事欠かないし、個人的に世の中に訴えたいこともシレッと入れ込めるかも…と何となく思ったんですね。やはりテーマとしてまず「描きたいこと」「伝えたいこと」はしっかりしていた方が、いいのかもしれないなと思ったのと、逆にそこさえしっかりしていれば、わりと回せるような気もしています。

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ということで、何でもやってみないと分からないし、どうせやるならすぐにでも行動した方がいいので、とりあえず走らせてみている感じです。別にだからといって本業をやめるわけでもなく、もちろん今まで通り全力投球していく構えなのですが、逆にマンガの方で得た知見を本業に活用することもできるかもしれませんし、活動の場を広げることは、これからの人生にとってプラス以外の何ものでもないはずなので、とりあえず続けることが大事かなと思っています。

そんなこんなで、引き続きよろしくお願いします。


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