現在あるオタク・3 マッテローヨ

質問箱から
「ポケモンで絶対にパーティーに入れるポケモンはどれですか」
「俺ポケモン世代なんですよー」
と嬉しそうに答える稲葉君。

「その時その時で違うけど、序盤に出てきて三段変化するやつは入れる。ポッポとか」
 ここで「おっさん」がモニターで「カメックス」連呼の謎のカメックス推し。
稲葉君は
「俺はリザードン派かな」
「サン&ムーン(?)も買ったけど、随分簡単になっていて驚いた」
ファミコンの代も覚えているそう。

「雑誌のインタビューで自分で実際に演劇の舞台を作ってみたいとありましたが」
 の質問に対して
「大きな舞台というより、登場人物も最小限で、小さな世界の狭い範囲の話を作ってみたい。会話劇とか。出演はよく知っているメンバーで。台本や演出の名前は出しません。俺が出るかどうかもその時によりますね」
 ここで演劇畑の人らしいおっさんの突込み。
『主演は小柳友かカメックス』以下カメックスの連打。シュールだ…

 あとは就活に挑む方へのアドバイスに
「誠実に、笑顔で。でも自分に就活の相談する?(笑)」
(稲葉君は高校在学中から芸能活動をしており、大学進学・卒業後もずっと続けていた)
と優しく励ましてくれたり、
 レシートに縦読みで「ユウスキ」という文を打ち出してくれたお客様から、スチューベンという葡萄について教えてもらったり。
 目を大きく広げて、フムフムと頷きながら聞く表情がとても尊い。
 尊いカウンターを発動させたいくらい「尊い」しかないのでご注意。

「自分はボーイッシュでショートカットで、彼氏にしたいと言われる。でも女の子らしく可愛くしたい。どうしたらいいでしょうか」

 この質問には他のお客さんも、稲葉君がどう答えるか注目していた。
 稲葉友君はテレビドラマ「High&low」の第2シーズン、映画で凶暴だが心は女性でメイクは欠かさずイケメンの彼氏がいるというおカマの『キジーちゃん』役を演じ、彼氏の『カイト』と絶妙の彼氏彼女感を醸していた。
 パッと見、健康な男子そのものだが、よく見ると表情も仕草も「女性の心」そのものになりきっていた。
 ついでテレビドラマ「レンタル救世主」では警察署長の息子でカフェ店員ながら、ゲイでEカップの下着とワンピースとロングヘアのズラを身に着け、ヒロインの前に現れては意味深なセリフを言って核心を突くという、色白美脚のおカマを演じており、一時は『おカマ役の若手スペシャリスト』となっていたのである。

「自分の周囲の可愛い女の子を観察して、質問してみて、いいなと思ったら真似すればいいし、そうじゃなかったらしなくていいと思うよ。パーソナルな自分らしさが出ている姿は魅力的だし、いいと思います」
 ここで「おっさん」が謎の『ショートカット』推し。
 おっさんの好みはショートヘアらしい。
「おっさんはそうだよねー」
稲葉君は自分らしいのが一番。

「ミュージカルには出ないのですか」
「(略)ミュージカルは難しいし、ものすごく歌が上手い人が出ていらっしゃるので…今はミュージカルよりもストレートプレイの方に興味があります」

「竹内君や内田理央ちゃんと共演するとしたらどんな役がいいですか」
「その二人と一緒だったらどんな役でも嬉しい。涼真が主人公で、内田がヒロインで、俺が四番手くらいのがいいかな」

「今後はどんな役をやりたいですか」
「なんでも。いろんな役をやりたい。
ドラマは入りも上がりもバラバラで、あまり顔を合わせない共演者もいるけど、舞台はがっつり一緒なので、自然と仲良くなる。終わった後飲みに行くにも、最後まで付き合ってくれる人も。で、みんなお酒強い。村川さん(「すべての四月のために」の夏子役)は本当に強いし、男前。関西弁が出てくるとさらに男前度が増す」

「自分は姿勢が悪いのですが、稲葉君はいつも姿勢が良くて羨ましいです。どうしたら姿勢よくなれますか」
「骨格が傾いていたり、偏っていたりしてそれに応じて筋肉が付いちゃっていることもあるから、一度パーソナルトレーナーに観てもらうといいですよ」

 ここでタイムアップ。歌のお時間。
 曲は「青いベンチ」
 大変エモーショナルな歌い方で、流石は役者だなあと納得。
 特に『声が枯れるまで』(?)のくだりはものすごくよかった。
 情感がこもっていても、決してあざとくはならない。
 あと、歌っている時のお姿が大変感情豊かで切なくて、寸劇を見ているようだった。
 そして、白い。
 やや紅潮したほんのり桜色のお顔が、ベルばらのアントワネットの描写「ミルクにバラを浸したような」そのもので、美しい。

 「俺3キロ痩せたんですよ」
 それはそうだよなあ。
 『すべての四月のために』というハードな舞台(ダンスシーンもあり)を一日2公演とか全力でやっているんだから。

 というわけで、短髪の小さなお顔がますます小さく、ほっそりとなっておりました。

(以下、チェキ編に移りますが、皆様の期待する感じではなく、私達夫婦がいかに阿呆かという内容になると思うので期待しないようにお願いします)

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