ニューヨークでラーメン屋と寿司屋を見ない日はなかった。しかし僕らが驚いたのはその店の数ではなく、全ての店がものすごくかっこよかったことだった。

SushiやWasabiの看板文字はシェイクシャックのロゴくらいクールなものとして輝いているし、Ramenのカウンターは人気のバーのようにナイトアウトを楽しむ大人たちで溢れかえっている。

二日目にして早くも日本食が恋しくなっていた僕らがディナーに選んだのがラーメンだった。さらに別の日、また麺がすすりたくなって並んで入ったのがEast VillageのMomofuku Noodle Bar。あっさりスープにベーコンを使った一杯で、本当に美味しかった。

オーナーは韓国系二世のカリスマシェフで、日本で修行した後にニューヨークで開いた店が現在のラーメンブームの先駆けになったという。最初に行ったIvan Ramenも、元は経堂にあった人気店のオーナーが故郷のニューヨークに戻って新規オープンし、Netflixのドキュメンタリーになったほどの話題店。

中華麺をルーツに持つラーメンが、日本全国で独自の発展を遂げ国民食になったのち、ニューヨークの外国人シェフ達によって最高にヒップな食文化に発展した。
高校時代、友人達と「ラーメン会」を結成してしまうくらいラーメンが好きだった僕は、海を越えたこの成功を誇らしく思うと共に、ラーメンという食べ物の懐の深さを感じていた。

Ivan Ramen Slurp Shop
600 11th Ave, New York, NY 10036, USA

Momofuku Noodle Bar East Village
171 1st Avenue, New York, NY 10003