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フィルムシミュレーションとはなんなのか


APAアワード2022


RED CUBE GALLERY【KONTON VOX vol.1】にて寫眞を展示中です!
APAアワード2022に選ばれました!東京都写真美術館にて26日から展示開始します!
ありがたいね!

昨年から寫眞環境を整えていて、自分の色や表現を探しているんだけど、ベースはAgfa ULTRAのフィルムの記憶なんだよね。
一方、フィルムが静かなブームで、デジタルの”フィルム調”なんていうのも流行っている。
それでデジのフィルム調が元来フィルムを使っていた身としては全然フィルムに見えなくて。。
腐りかけのフィルムを安物スキャナで取り込んで特に補正かけてないやつを”フィルム調”とか言ってない?

映像では入門者が何故か分からないけど8mm風をフィルム調と読んでいて、いやいや、フィルム調にするならとりあえず35mmじゃないの?なんて思いも抱えながら。。
その”味”は分かるけどもメインではないよねえ。

俺達はずっと昔から、フィルムで映画や広告を作ってきた。
そしてそれは意図した通りの色を出していて、ホワイトが狂ったり妙にコントラストが低かったりするようなものではなかった。
昨今の”フィルム調”ってちょっと感傷にひたりすぎてない? という疑問を解消する実験をしようかと思います。

そんなこんなで購入してみました!

DxO FilmPack 6

DxO FilmPack 6
DxO FilmPack ELITE 版は、ラボで実施される独自のキャリブレーションプロセスを活用して、伝説の銀塩フィルムの色と粒状感を忠実に再現します。DxO FilmPack はデジタル写真に色相、彩度、コントラストを加え、84 本の銀塩フィルムの本格的な仕上がりを再現します。また、独自のアプローチにより、写真の歴史を築いたさまざまな時代を確認することもできます。

いろいろ覗いてみたけどこれがかなり良さそう!
特に、いつごろ、こういった意図でこのフィルムが使われていました、という解説が非常に秀逸。
フィルムの進化と共に写真の歴史が学べます。
ルーツを識れば独自の表現を自信を持ってできるのだ。

とりあえず遊んでみた。

俺の好きなフィルムシミュレーション決定戦!
まずはカラーフィルムを流し見して好きなシミュレーションを選んでみるよ!
最終選考に残ったのはこちら!

Agfa Precisa 100

Agfa Precisa 100
アグファのリバーサルフィルム。
使ったことなかったのですが(シミュレーション見る限り)結構好きかも!
現在も製造中とのことですがAgfa社って今どうなってるんですかね?

Agfa Ultra Color 100

Agfa Ultra Color 100
これずっと使ってたやつ。カラーネガ最強の発色。
フィルムを経験した人たちはアンダーを緑に振りがちですがこれを使っていた人は紫方向に振りますw

Agfa Vista 200

Agfa Vista 200
Ultra常用者がお金がない時に使うやつ。
シミュレーションだとUltraに比較してノイズが随分抑えられていますね。


Fuji Provia 100F

Fuji Provia 100F
フジの基本のフィルムといったイメージ。
ベルビア使いでしたがシミュレーションだとこっちを選んだことに驚きです。
しかしデジタルのシミュレーションはお金も時間もかけずに同じ絵でいろいろ試せるのが凄い進化ですね。どこまで忠実か謎ですが……。
余談ですがフィルムシミュレーションて5000kで見るのと6500kで見るのどっちが正解なん……?


Fuji Superia Reala 100

Fuji Superia Reala 100
使ったことないんだけどめっちゃ好みでした。
って思って検索したら”普通”のやつだー!!
参考画像

Fuji Superia Reala 100


jfk

jfk
これは非常に興味深いシリーズで、歴史上のプリントをデジ上で再現したもの。
jfkはJ.F.ケネディ暗殺の報道写真をシミュレーションしたものです。
写真の歴史は報道の歴史と密接に関わりがあり、その当時のプリントをプリセットとして再現してみるというのは面白いアプローチですね。
赤と青の閾値がかなりピーキーでどちらかに振られる傾向にあります。


Generik Kodak Kodachrome

Generik Kodak Kodachrome
コダクローム!ただしジェネリック!
80年代の彩度の高いプロ向けバージョンから粒状感を抑えたものだそうです。
マゼンタ側に振られる感じが好みです。


Kodak Ektar 100

Kodak Ektar 100
エクター!エクタクロームじゃなくてエクター!
Goldじゃなくて贅沢する時のネガコダック!
ちなみに現在も製造中とのことです。ヨドバシで36枚撮りが2500円だった。マジかよ。。


Kodak Portra 160 NC

Kodak Portra 160 NC
問題の(?)ポートラです。
近年、国内でポートラNCとそのシミュレーションが再評価されているかなと。
というかSNSの”フィルム調にしてみました!”は大体ポートラ。
欧米ファッションブランドの写真で中判フィルム使ってるとこの主力も多分これ。とてもいいと思います!でも、そんなに手放しで喜べるほどいいですかね?黄色人種を撮るには合っていない気もするのですが……!


ここまでが予選を勝ち抜いた全9種類のフィルムシミュレーションです!
俺の好きなフィルムシミュレーション決定戦、一体どれが勝ち残るのか……!
準決勝開催!

準決勝!各ジャンルからトップ3を選定!
ポートレート、ファッション、スナップ、そして石井の推進するkajouシリーズ、猥雑シリーズから71枚をチョイス。
各シミュレーションで現像。
1カット9シミュレーション中のトップ3を選び、選別された枚数で競います!
準決勝とは言っていますが汎用性を重視した場合はここで選ばれたフィルムが強いということですね!

準決勝の結果はこちら!

Agfa Vista 200

1位 Agfa Vista 200 35枚
ULTRAを抑えてのまさかの1位!
人物写真系がほぼ全て選ばれていて圧倒的勝利です!
model:残夢風花

Generik Kodak Kodachrome

2位 Generik Kodak Kodachrome 33枚
ジェネリックはフィルムに現代のデジタル技術を反映しているので総合的に強い印象。
人物でも街のスナップでも汎用性抜群です。
特に何も考えずに適用してもいけるんじゃないかな!?

Fuji Superia Reala 100

3位 Fuji Superia Reala 100 31枚
これも総合的に強い印象。
やはり”普通の”フィルムは何撮っても強いですね。さすがFuji!
model:sari

Fuji Provia 100F

4位 Fuji Provia 100F 30枚

Kodak Ektar 100

5位 Kodak Ektar 100 29枚
model:残夢風花

Agfa Ultra Color 100

6位 Agfa Ultra Color 100 21枚
model:残夢風花

Agfa Precisa 100

7位 Agfa Precisa 100 16枚

Kodak Portra 160 NC

8位 Kodak Portra 160 NC 15枚
model:残夢風花

jfk

9位 jfk 3枚


長くなって参りましたので一旦ここまで!
続編ではベスト1と遂にフィルムシミュレーションとフィルムの実際を比較します!
近日公開いたしますのでどうぞお愉しみに!


写真展も来てね!
Carpe diem,Memento mori!


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