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生命力の一手 2020手合い③

2020年の対局振り返り3局目。

2月6日に囲碁界の藤井、こと藤井浩貴初段と碁聖戦予選Cで対局した。

藤井浩貴初段(白) vs 私(黒)

テーマ図

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白1と打たれた場面。左辺から左上にかけてと右下はある程度形が出来上がっている。

白1の周辺右上か、それとも下辺の白模様に何かアプローチするか。作戦としては主にこの二つが考えられる。どちらを選ぶべきだろうか。

さてここでお昼休憩のブザーが鳴った。お昼は林漢傑八段(以下漢ちゃん)、三谷哲也七段(以下てっちゃん)と三人で、棋士がよく行くお店に。

漢ちゃんはそばと小丼のセット、てっちゃんは鴨南蛮の大盛だった。そしてぼくは親子丼を食べた。

ぼくは対局中の食事に大盛を食べたことはない気がする。

食は元気の源か。さて実戦に戻り。

1図 実戦進行

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黒1から動いていった。

下辺の白模様を深く荒らすことがこの局面の急所だと思った。

大事なのは、浅く削減するのでは逆効果で白にありがたがれてしまうということだ。黒1以外の手では物足りない。

2図 テーマ図で大事なこと

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テーマ図の場面では黒△の四子を最大限に活用できるかがこの局面のポイントだ。白陣に取り残されているようでも活力がある。石は完全に取られるまでは生命力があるのだ。

この対局はここでペースを掴んだ。いつもだと後半何かやらかしてしまうがこの局は奇跡的にうまく打てたようで黒4目半勝ちだった。

次の日にも研究会で他の若手棋士とこの対局を検討した。藤井初段は独創的な手を打つので、天才藤井と呼ばれている。ぜひ名前を覚えておいてほしい。

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