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パワーアップしたGPT-4に大学レポートを再び書かせてみた。

はじめに

GPT-4とは何か

 GPT-4はOpenAIが開発した最新の大規模言語モデルで、AIテクノロジーを利用して質問に答えたり、文章を生成したりすることができます。前回、私はGPT-3.5を使って大学のレポートを作成する試みを行いましたが、今回はさらに進化したGPT-4を使って同じレポート課題に取り組んでみたいと思います。

前回の記事の結果

 前回、私はGPT-3.5を使って「英語科教授法について」の大学レポートを作成しました。その結果、AIを上手く活用すれば、ある程度の質のレポートが生成されることがわかりました。

GPT-4を使ったレポート作成の経過


レポート課題を与える

 前回同様、GPT-4に「英語科教授法について」のレポートを作成してもらうため、その課題を与えました。

適宜「続けてください」と打つ

 前回同様、GPT-4は一定の文字数で文章が切れてしまうため、適宜「続けてください」と入力しました。

字数を再指定して生成する

 最初に生成されたレポートは900文字でしたが、2,000字のレポートが必要だったため、再指定して再生成しました。

 こうして生成されたレポートがこちらです。

振り返り

GPT-4の驚異的な精度

 GPT-4を使ってレポートを作成することで、その精度の向上が実感できました。前回のGPT-3.5と比べて、より質の高い文章が生成されました。

レポート課題を学生に課すことの意義

 もちろん、AIを使ってレポートを作成することは推奨されませんが、GPT-4の進化は学生がレポート課題に取り組む意義を再考するきっかけになるかもしれません。今後の教育において、AIの活用と人間の役割について考えることが重要になってくるでしょう。

お気付き頂けただろうか…

 今回のレポート課題では、準備無しにいきなり課題を与えて書かせるという形式を取ったため、文章に不自然な点はないものの、やや単調な構成で文字数も若干オーバーしています。
 しかし、個人の文体や論理展開の方法などを学習させるデータを用いて学習をさせれば、より精度が高く、その人が書いた文章と見分けがつかない文章も生成することができるようになるでしょう。もしかしたら、あなたが普段呼んでいる記事やツイートなども、実はAIが書いたものと気付かずに読んでいるものがあるかもしれません。
 というのも、実は、この記事の上の項目までの部分は全てGPT-4に書かせたものなのです。画像・ファイル・リンクの挿入は当然私が行いましたが、それ以外は全てアウトラインを指定したブログ記事を生成せよという指示に基づいてGPT-4が書いています。文章については一切の加筆・訂正を行っていません。

 正直に言って、私は驚愕しました。「人間対AI」という対立軸はよく語られてきたテーマですが、こんなに雑な指示で、ここまでこなれた文章を、2,3分で仕上げられる人間はこの世に誰一人居ないと言っていいと思います。

AIファーストの時代へ

 かつてIT業界では、「クラウドファースト」という言葉が流行りました。詳細はググってほしいのですが、要は、初期費用・運用コストに優れるクラウドでのシステム運用を最優先に検討することが、最適なIT戦略につながるという考え方です。
 これから世界は、確実に「AIファースト」の時代に変わっていくと思います。産業革命以来、製造の現場の労働力が機械で代替されてきたのに比べ、知的労働の分野では単純作業も含めて未だに人間が担っている部分が大きいです。”システムではなく運用で解決する”という発想の強い日本は外国に比べてその傾向はより強いと思います。しかし、今後、企業を始め様々な事業体において、業務処理の際にまず「どうAIを活用できるか」という観点で考えることが最適な業務運営につながるようになると予想されます。
 この半年間のAIの目覚ましい技術革新を受け、まだ社会の変化は目に見えて起こっていませんが、知的労働の単純作業から人間が解放され、そのリソースを全てクリエイティブな方向に配分されれば、技術や生活の変化のペースは今までのものとは比べ物にならなくなるでしょう。
 10年後に2023年を振り返ると、そこには産業革命以前/以後ほどのギャップが生じているのかもかも知れません。

学びはどう変わるのか

 AIChatの技術は学びの姿を確実に変えていくと思います。
 教える側の視点としては、既に授業の教材作成に活用し始めており、かなり強力なツールとなることが確認できています(気が向いたらその関係の記事も後で書きたいと思います)。一方で、前回の記事にも書いた、AI時代に最適な学びの形については具体的な答えを考えられていません。これについては、継続課題として引き続き考え続けていきたいと思います。
 学ぶ側の視点としては、今まで以上に「学ぶ意思」の重要性が増していくと思います。ヤル気がある学生とヤル気のない学生がいるのはいつの世も同じですが、今まではヤル気のない学生も、指定された課題を嫌々ながら処理することで一定の学びを得られていた面があると思います。
 しかし、進化したAIの力を使えば、人が書いたものと見分けがつかない(むしろ、自力で書いた場合よりも優れている)課題を一切の労力を使わずに提出する事も可能になると思います。当然、その場合の学習効果はほとんど無いでしょう。
 その意味で、「学ぶ意思」と「学ぶ目的」を持っている学生とそうでない生徒の差は今まで以上に開いていくようになると思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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