見出し画像

2 大気の熱力学の概要

傾向と対策

 大気の熱力学は、毎年2問出題されています。そして、計算問題として直接何らかの数値を計算させる形式で出題されることが多く、そうでなくとも正解を導くためには物理公式を利用した定性的・定量的な推論が必要になることが多いです。難易度は気象予報士試験でも最高になります。そのため、自信をもってご自身が理系であると断言できる方は、ここで差をつけてください。そうでない方は、最低でも1問は正解できるように努力してください。

理系の方向けのアドバイス

 基本的な数式操作は完璧にできており、大学で教養レベルの熱力学を学習した経験のある方が対象のアドバイスです。

 結論から言えば、公式の導出はやらなくても問題ありません。それどころか、近似式をそのまま丸暗記するだけで十分です。いくつか定数として覚えるべき数値がありますが、筆者の分類では3種類(過去問解説の際に紹介します)だけです。「一般気象学」の様な専門書(の入門書)に手を出さないようにしましょう。時間を無駄にするだけです。

 その他の注意事項としては、本番では電卓(計算尺も)は使用できないということです。すべて手計算となります。筆者の場合、本番で些細な計算ミスが原因で、求めた数値が選択肢のどれとも合致せずに焦りました。そのため、面倒かも知れませんが普段から必ず練習を兼ねて手計算で過去問に取り組んでください。

その他の方へのアドバイス

 まず最低限の大前提として、義務教育までに習得した算数・数学については確実に使えるようにしましょう。中学校までに習う文字式の計算ができないようでは、気象予報士にはなれないと思います。

 さて、他に習得すべき事項ですが、高校数学で扱われる指数・対数については簡単に復習してください。具体的には、数式の操作ができる程度です。対数は、指数よりは必要となる頻度が低いですが、指数とは概念上対になっているため、知っておくべきです。

学習の目安

 理系の方は、完璧を目指しましょう。ここで差を付けられるだけで、大幅に合格に近付きます。そうでない方は、せめて2択や3択まで正解を絞り込めるようになりましょう。結果として1問でも解ければ良いのです。

 過去問は合計で123問(第60回試験まで)ありますので、入手可能なものは全て集めて活用してください。筆者の場合、過去問を23問集め、全ての問題を消去法に頼らずに3回連続で解けるまで繰り返しました。それでも、第61回試験では計算ミスによる焦り(時間はかかりましたが、計算ミスに気付いたために正解できましたが)と、謎の思い込み(何度も見直したはずなのに)によりうっかり1問間違えてしまいました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?