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フェムトマガジン(第774号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その7)
今回は、株式がどのように旧ファンドから継続ファンドに移動するか?についてです。 つまり、 投資先企業に、どのような譲渡承認や名義書換の依頼を行えばいいか(「XX組合員YY組合員…ZZ組合員にそれぞれXX%、YY%、ZZ%ずつ現物分配され、それが継続ファンドに現物出資された」といった超複雑な依頼をしなければならないのか?) 投資先に、各LPやGPのパートナー別の分配割合が全部バレてしまうのか? 上場時の有価証券届出書に、この現物分配や現物出資、譲渡の詳細が開示されてしま
有料250フェムトマガジン(第773号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その6)
今回は、いよいよスキーム編に入ります。 前回まで、金銭分配や現物分配、キャリーあり・なし、といった基礎をやってきましたので、そこがきちっとしてれば、スキーム自体は(ある意味)カンタンです。 ■具体例 では、具体的なケースを考えてみましょう。 株を移動させる元のファンドを、以下「旧ファンド」、新しいファンドを以下「継続ファンド」とします。 譲渡する株式の想定 以下、旧ファンドから継続ファンドに移動するのは、以下の株式と想定します。 また、下記のとおり、旧ファンドには4人の
有料250フェムトマガジン(第770号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その4)
今週は「キャリー」の会計処理を考えます。 キャリー(carried interest)というのは、ファンドからの分配が一定の額を超えた場合に、ファンドを運営するGP(無限責任組合員)が出資割合を超えて受け取れる分配のこと。 世界的に、超えた額の20%が相場になっています。 日本では、このキャリーが長らく、ファンドの「経費」として処理されてきました。(このため、成功「報酬」と呼ばれていました。) 日本のベンチャーキャピタル(VC)業界は米国と同様、世界でも最も長い1970
有料250フェムトマガジン(第769号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その3)
今週は、金銭分配と現物分配が混在するケースの税務と会計について考えます。 以下、現物分配・金銭分配・キャリーなど、一つ一つの要素はまったく高度ではなくシンプルなものなのですが、「🎵アブラハムには七人の子〜」 と同じでw、それらの要素が1つ2つと組み合わさってくると、だんだん頭がこんがらがってきます。 わからなくなったら、ちょっと前に戻って確認して進めるように書き進めていきますので、何卒よろしくお願いします。 今回の目次は以下のとおりです。 税務でも、経済合理性があれば出
有料250フェムトマガジン(第766号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その1)
今週から「GP主導の継続ファンド」を解説してまいります。 GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund)は、ベンチャーキャピタル業界で使用されるファンドの一種(以下「継続ファンド」)で、 海外では非常に多く組成されていると聞いているものの、日本ではまだほとんど例がありませんでしたが、我々(フェムト)では昨2022年、(たぶん国内初の)継続ファンドとして、フェムトグロース・ワン投資事業有限責任組合を設立いたしました。(プレスリリースはこちら。)
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