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フェムトマガジン

日本や世界のスタートアップについて、ファイナンスの観点から考えるマガジンです。2020年9月までの名称は「週刊isologue」。
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記事一覧

フェムトマガジン(第778号) 上場までの資本政策(2024年4月その1)

今週は、2024年4月に上場予定の会社の資本政策を見ていきます。

今週は以下の4社を。

アズパートナーズ

イタミアート

ハンモック

Will Smart

ご興味がありましたら、下記のリンクよりご覧ください。

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フェムトマガジン(第777号) 上場までの資本政策(2024年3月その2)

今週も、2024年3月に上場予定の会社の資本政策を見ていきます。

今週は以下の8社を。

ハッチ・ワーク

コロンビア・ワークス

ダイブ

シンカ

カウリス

情報戦略テクノロジー

マテリアルグループ

グリーンモンスター

ご興味がありましたら、下記のリンクよりご覧ください。

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フェムトマガジン(第776号) 上場までの資本政策(2024年3月その1)

昨日のmixi 20周年に引き続き、本日はこのマガジンの満20周年です。
(名称は「isologue(イソログ)」から、現在は「フェムトマガジン」に変わっております)

今週は、2024年3月に上場予定の会社の資本政策を見ていきます。

今週は以下の7社を。

トライアルホールディングス

STG

ジンジブ

イシン

ソラコム

JSH

L is B

ご興味がありましたら、下記のリンクより

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フェムトマガジン(第775号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その8)

今週は「GP主導の継続ファンド」の最終回です。

今回は、以下のような論点を取り上げます。

スキームより会計がややこしい?

3つの単価(継続ファンドへの出資額(譲渡時の時価ベース)、旧ファンドの簿価、税務上の取得価格)

GPが旧ファンドの単価等も管理する必要

金融機関等、株式の保有に制限があるLPの場合

旧ファンドの現物分配の制限

組合員全員一致が必要か?

GPのキャリーの「二重取り

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フェムトマガジン(第774号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その7)

今回は、株式がどのように旧ファンドから継続ファンドに移動するか?についてです。

つまり、

投資先企業に、どのような譲渡承認や名義書換の依頼を行えばいいか(「XX組合員YY組合員…ZZ組合員にそれぞれXX%、YY%、ZZ%ずつ現物分配され、それが継続ファンドに現物出資された」といった超複雑な依頼をしなければならないのか?)

投資先に、各LPやGPのパートナー別の分配割合が全部バレてしまうのか?

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フェムトマガジン(第773号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その6)

今回は、いよいよスキーム編に入ります。
前回まで、金銭分配や現物分配、キャリーあり・なし、といった基礎をやってきましたので、そこがきちっとしてれば、スキーム自体は(ある意味)カンタンです。

■具体例
では、具体的なケースを考えてみましょう。
株を移動させる元のファンドを、以下「旧ファンド」、新しいファンドを以下「継続ファンド」とします。

譲渡する株式の想定
以下、旧ファンドから継続ファンドに移

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フェムトマガジン(第772号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その5)

今週は、現物分配(キャリー含む)と金銭分配が混在する場合の会計処理について考えます。(ここまでわかれば、後は怖くない!)

今回の目次は以下のとおりです。

金銭分配のみ(キャリーあり)

B/Sも考えた場合(キャリーあり)

現物分配のみ(キャリーあり)

キャリーありだと、株価が「ゆがむ」!

「金銭分配」と「現物分配直後の全売却」を比較してみる

金銭分配と現物分配が混在する場合(キャリーあ

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フェムトマガジン(第771号) 上場までの資本政策(2024年2月)

今週は、2024年2月に上場予定の会社の資本政策を見ていきます。
(「継続ファンドシリーズ」の途中ですが、ちょっと中断させていただきまして。
だいたい上場承認の発表は上場の1ヶ月+α日前に発表されるので、これで2月上場予定の会社は全部だとは思いますが、ともかく今月のうちに2月上場予定の企業をご紹介、ということで。)

今週は以下の5社を。

SOLIZE

Veritas In Silico

V

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フェムトマガジン(第770号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その4)

今週は「キャリー」の会計処理を考えます。

キャリー(carried interest)というのは、ファンドからの分配が一定の額を超えた場合に、ファンドを運営するGP(無限責任組合員)が出資割合を超えて受け取れる分配のこと。
世界的に、超えた額の20%が相場になっています。

日本では、このキャリーが長らく、ファンドの「経費」として処理されてきました。(このため、成功「報酬」と呼ばれていました。)

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フェムトマガジン(第769号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その3)

今週は、金銭分配と現物分配が混在するケースの税務と会計について考えます。

以下、現物分配・金銭分配・キャリーなど、一つ一つの要素はまったく高度ではなくシンプルなものなのですが、「🎵アブラハムには七人の子〜」

と同じでw、それらの要素が1つ2つと組み合わさってくると、だんだん頭がこんがらがってきます。
わからなくなったら、ちょっと前に戻って確認して進めるように書き進めていきますので、何卒よろし

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フェムトマガジン(第768号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その2)

今週は「GP主導の継続ファンド」のスキーム自体を考える前提として、

「分配割合」は「分配」の「割合」ではない!?

という点について整理しておきたいと思います。

ファンドの契約書や税務では、「分配」という言葉がたくさん出てくるのですが、よくよく見ると、この「分配」という用語は、

株式会社が行う配当と同様の、資本の払戻し的な「distribution」の意味と

各組合員にどのように損益(や資

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フェムトマガジン(第767号) 謹賀新年(2023年総集編)

あけまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

今週は、2023年の記事を一覧する「総集編」をお届けします。

2023年は、毎年定点観測している、

上場前後の資本政策(6月上場企業分からは「上場までの資本政策」)

VCはいかに株式を売却するか

の他、12月最終週から、

GP主導の継続ファンド

シリーズを開始しました。

続きの本文は、以下のURLに公開しています

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フェムトマガジン(第766号) GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund その1)

今週から「GP主導の継続ファンド」を解説してまいります。

GP主導の継続ファンド(GP-led continuation fund)は、ベンチャーキャピタル業界で使用されるファンドの一種(以下「継続ファンド」)で、
海外では非常に多く組成されていると聞いているものの、日本ではまだほとんど例がありませんでしたが、我々(フェムト)では昨2022年、(たぶん国内初の)継続ファンドとして、フェムトグロー

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フェムトマガジン(第765号) VCはいかに株式を売却するか?(2022年その15)

今週も、2022年にIPOした企業の投資家が、どのように株式を売却したのかを見ていきます。

年度の最後なので、日本の上場後においてVCがどう株式を売却していくのがいいのか、

VCの持株と「オーバーハング」

VCに対する市場からの認知(ブランディング)

VCの株式保有とコーポレートガバナンス

等の観点からの考察を行なっております。

また、2022年上場分の「VCはいかに株式を売却するか?

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