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カメルーン人には勝てないと思った日

以下の文章には衝撃的な内容が含まれています。虫が苦手な人は読まないほうが良いと思います。

かつてドイツに住んでいたときにこんなことがありました。僕の職場にカメルーン人が働いていました。彼には何度か家に招待されて、彼の奥さんが作ったカメルーン料理をごちそうになりました。

と書くと、料理に虫が入ってたのかな?と思う人がいるでしょうが、そうではなく、とてもおいしかったです。しかしながら、通常ドイツではあまり見かけないゴキブリが、何故か彼の家にはいました。どうも彼らにとってはゴキブリなんていうのは大したものではないらしく、ゴキブリが家の中を歩いていているのを見ても平然としていて、ゴキブリの方もリラックスしているような様子でした。一度、職場の何人かと招待されたときに、白い壁のところをゴキブリが這っていたので、「あ、ゴキブリだ。」と僕とイギリス人が騒いでいると、彼は、なんでそんなに騒いでいるんだろう?と不思議そうでした。でも客人が嫌がるのならそのゴキブリを殺そうかと思ったらしく、ゴキブリに近づいて行きました。日本人なら何かで叩くとか殺虫剤を吹き付けるとかすると思うけど、彼の場合は手の中指と親指をくっつけて(その瞬間僕はまさか?と思ったけど)、「フンッ」と言いながら中指でパチンとはじいて殺しました。それだけでも驚きなのですが、もっとすごいと思ったのは、そのあとです。彼は一仕事終えたという表情で食卓に戻ってきて何事もなかったようにごはんを食べ始めました。ゴキブリの死体を処理するわけでもなく、手を洗うわけでもなく....

なんだか、この人には勝てないって思った日でした。

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