ジャグリング面白ポイント

「ねー、なんでジャグリングしてるのー?」公園で練習をしていたら、ちびっ子達に言われたことがある方も多いのではないだろうか?「面白いからだよ」と返しても、彼らは「ふーん?」みたいな顔をされる。この面白さがわからんか…

さて、本項はジャグリングの面白ポイントについての話である。大会ではよく難易度、完成度、構成、新規性で審査が行われる。しかし、ジャグリングの面白ポイントをこれら4つで括ってしまっていいものか。いや、括ることもできるかもしれないが、括ったところで「新規性てなんやねん」みたいな話になる。これらの4つの指標はふわっとしすぎである。

各々ジャグリングに対して面白いと感じる部分はなんだろうか?一度考えて、なんなら具体的に書き出してほしい。筆者もやってみる。

・難易度の高い技
・音ハメ歌詞ハメ
・視覚的な技
・パズルのようなマニピュレーション
・「新しい道具」の使い方
・新しい「道具の使い方」
・生物のような動き
・身体拡張
・ストーリー性

まぁ、書き出したらキリがないわけだが。恐らく全員書き出した内容は異なるはずである。

さて、私が考えるに、ジャグリングの面白ポイントを考える上で重要なのは、各ポイントがレッドオーシャンなのかブルーオーシャンなのか、というところである。「レッドオーシャン」はすでにみんなが理解しており、先人達が開拓してきた「良さ」である。「ブルーオーシャン」はまだ一部、もしくは自分だけが理解している未開拓な「良さ」である。

私が感じる面白ポイントのうち、難易度や音ハメ歌詞ハメなんかはみんながすでに良さを理解している「レッドオーシャン」であろう。相当なハイレベルなことをしなければなかなか評価はされない。逆に生物のような動きであったり、ルーティン中に明示的なストーリーを入れる良さはまだジャグラー全員に浸透しているとは思えないので「ブルーオーシャン」。「こういうのがあるんすよー!」という提案がうまく伝われば、まだ評価される可能性がある。

最もレッドオーシャンな分野は「難易度」であろう。そもそもジャグリングの本質であり、技そのものは新しくなくても未だに越えることのできない難易度を持つ海外ジャグラーは多くいる。難易度のみを求めるのであればナンバーズとピルエットだけをひたすら練習すればいいわけだが、「それは違う」という人も多いのではないか。(もちろん「難易度が全てだ!うぉぉおお」というジャグラーもいるとは思うが)

結局のところ、我々はどうすべきなのか。私が考えるおススメ道筋を以下に示す。

①自分が感じる面白ポイントを探す

これが全てと言っても過言ではないかもしれない…。自分はどんなジャグリングが好きか?もしくは、今のジャグリングで何が足りていないか?を考える。ひたすら我儘でいい。まだ見つかってないポイントかもしれないが、それでいい。その方がいい。囚われてはいけない。この面白ポイントは追加されることもあれば複数種類が統合される場合もある。「○○系の技が好き!」「○○さんのルーティンが好き!」というのであれば、どこのポイントが好きなのか分解する。面白ポイントは定期的に更新すべし。

②自分の面白ポイントを形にする

自分が面白いと感じるポイントは自分の道具、パフォーマンスで形にする。形にする過程で、新しいポイントが出てくることもあれば、本質を理解することになる可能性もある。動画を見て「これ好き」と言うのではなく、「こういうのが好き」と自分で実演できるように。

③最適な形で共有する

ここに関しては私も悩んでいる。技単品ならInstagramか、Twitter、技全ての統一性ならルーティンを作って大会出場…?動画は撮り直しができるので、失敗を気にする必要が無く、繰り返し見ることができるため、良い保存方法ではある。秘密基地、空転劇場は競技の場ではないので、形にとらわれない発表ができる場所である。今後こういったオムニバス公演の場が増えることを期待する(くらいなら作るべきなのだろうか…)。

こうして発想、造形、共有を多人数で行うことでまた新たな発想に返ってくる。全員でジャグリング価値のパイを広げることができる。

難易度というレッドオーシャンは後でいくらでも掘り下げられるので、最初に我儘面白ポイントを見つけてみてはいかがだろうか?私はみんなの感じる面白ポイントを沢山見たい。

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