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機械学習から考える人間学習 汎化性能編

コンピュータ将棋に対するよくある誤解なのですが、「コンピュータが記憶力があるから人間より強いんだよね」というのがあります。コンピュータは丸暗記が得意です。なのでみなさんがそう思うこともそんなにおかしなことではないです。しかし実際は、機械学習ではいかに丸暗記しないかが大切なポイントとなっています。どういうことなのでしょうか?

確かにコンピュータは記憶力に優れています。写真なんて何枚でも保存できてしまいますよね。プロ棋士たちの全ての棋譜を覚えることなど簡単です。でも、人間を凌駕する記憶力は何十年も前から実現しています。そして昔のコンピュータ将棋はものすごい弱いです。つまり丸暗記できれば課題が解決するような問題はすでに何十年も前に解決してないとおかしいのです。

将棋でどれほど局面を覚えたとしても、必ず未知の局面に到達します。例えば電王戦でPonanzaと佐藤名人が戦った時もPonanzaは初手に▲3八金と動かしました。これだけで前例がほぼない展開になるのです。こうなると局面を覚えていても役に立ちません。

初手からあっという間に未知の局面に

機械学習の世界では汎化という概念があります。色々な場面でも有効という意味です(←もうちょっといい表現ないかな)。機械学習の世界で汎化能力を高めるのが大事なことです。今の機械学習はついつい丸暗記してしまうので、いかに丸暗記を防ぐかということをみんな一生懸命やっています。

人間も機械も結局は丸暗記はダメで、可能な限り抽象化やモデル化しないことには実際の問題には対応できませんよねという話でした。私も気をつけよう。



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