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映画のおはなし

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これまでの映画感想や紹介はココにまとめてます。
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映画『ナイトクローラー』

“ナイトクローラー”はミミズ、夜の中をはう生き物。 米国で公開週の興行収入1位に輝き、さまざまな賞にその名前が上がった本作。ロサンゼルスを舞台に、ルイス・ブルームという盗みを繰り返し、まともな職に就かず、テレビの明かりだけの薄暗い部屋で、友達も家族もいない暮らしをしている男がいた。 ある日、交通事故の現場で悲惨な事故の映像を撮影しているナイトクローラーと呼ばれるものに出逢う。事故、火災、犯罪などの映像をテレビ局に売っていると聞き、ルイスは自らがナイトクローラーになることを

【空想雲上】リリーのセオリー

札幌に横山大観展が来ているので、展示物は後日に回して、足立美術館の安部さんの講演会を聴いてきた。大観の絵を集めた足立全康(ぜんこう)さんの話しや、大観の絵をスクリーンに出して、時系列順に見ていった。 全体的に富士山の絵が目立つのだけど、なんと1,500点も描いたそうだ。なんとも美しい絵たちなので、思わずポストカードやクリアファイルに手が伸びかかったが、また展示場を観に来るので、その時にじっくり絵を鑑賞して、この気持を沈めようと思う。 『リリーのすべて』を観てきた。ヤンサン

【空想雲上】『キャロル』

映画を鑑賞してから少し時間が経ってしまったが、『キャロル』は僕の中で今年ベストの映画である。 1950年代のニューヨークを舞台に同性愛者(レズビアン)の恋愛が描かれている。 離婚寸前のキャロルと、結婚しようにも全く決断できずに悩んでいるテレーズと二人が、ある日テレーズが働くデパートのおもちゃ売り場で、お互いに視線を感じ距離を縮めていく。 上映中はずっと画面に釘付けで、久しぶりに時間を気にすることなく、最後まで夢中で鑑賞できた作品だった。 スクリーンに映し出されるスーパ

【空想雲上】若くして死ぬと定休日。

本日はお休みのイッセイさんのお話し。急遽、友人と話すために休みをとって夕方から隣町へ向かった。しばらく行ってなかった町なので、古本屋などを散策してみた。お目当ての小説を見つけるも、300円と古本にしては割高な気がして尻込みしてしまった。すると左斜め上の方向から「ぺーぺぺぺっぺー♪」とドレスコーズの『贅沢とユーモア』が流れてきたのだ。これは買え!と「音楽家兼文筆家および読書家で美男子好き」の志磨遼平に背中を押された気がしたので、すぐさまレジへ向かったのだった。 それから、友人

【空想雲上】役者と俳優の違いって?

タイトルの話しは後半にゆずりたいと思う(笑)いきなりごめんなさい。 この休日は『オデッセイ』→『トゥルー・グリット』を鑑賞した。『トゥルー・グリット』はコーエン兄弟(監督)作品で、前回noteに書いた『クレイジー・ハート』の主演ジェフ・ブリッジスがまた出てくる映画なんだけども。この映画にバリー・ペッパーという『プライベート・ライアン』にて最高にかっこいいスナイパー役を演じた俳優さんも出ていて、顔が(僕としては)ミュージシャンのMIYAVIにそっくりなのだ。 で、MIYAV

【映画】クレイジーハート

先月末に公開された『ブラック・スキャンダル』を本日鑑賞してきた。 そこで、スコット・クーパー監督の長編デビュー作『クレイジー・ハート』を立て続けに鑑賞する。 ☆カントリー・ミュージシャンのバッド・ブレイク(57)は全盛期ほどの人気もなく、地方を回っては酒に溺れる毎日を送っていた。そんなある日、地元の女性記者にインタビューを受けたのをきっかけに、その女性の息子やかつての元弟子と過ごしながら、次第に人生が好転していく。 物語り前半では、バッドの自堕落っぷりがよく分かるシーンが

今年観た映画ちょこっと紹介します。

今年中には観といた方が良い!という映画紹介します。 現時点で90作品ほど今年は映画を観ているんですが、年末に向けて盛り上がる前の今はあまり進んで観たい作品が無く、映画館に足を運ぶ機会も少なくなっている次第なのですが…、そんな中で上半期に上映したいたものをメインにポンポンと書いて行こうと思います。 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) この「あるいは」ってタイトルに入ってるのはイニャリトゥ監督が村上春樹好きを知っていた翻訳スタッフによるものなのかもしれないで

その名も『野火』

塚本晋也監督の『野火 Fires on the Plain』先行上映&監督のトークショーに行ってきました。 第2次世界大戦末期のフィリピンのレイテ島で飢餓と結核に苦しむ一人の兵士『田村』がいつ終わるのか分からない戦争の中で必死に生きようとする物語。 一般人でも分かる俳優さんにリリー・フランキーさんや斉藤和義さんと『MANNISH BOYS』というバンドを組んでる中村達也さんなどが出演しています。 こんな戦争映画は観たことない。衝撃を与えてくれる映画は観た後に現実世界との

ネットで映画の感動を共有することは難しい。

映画の背景を考察してみようと試みてTwitterなどで呟いている人と表面的な映画のお約束(ここで笑う、泣くetc)に従った感想しか呟かない人の対立の話しと昨今のアメコミ映画について少し感じたことを書きます。 僕がすごく不快に感じるのは「自分は映画の過去の傑作オマージュや元ネタを知ってる。詳しい、だから表面的にしかみないカップルや浅い思考のお客さんを批判する」みたいな行動をTwitterでやっている人が自分のタイムラインに出てくるくらいにいっぱい居ることがイヤだ。なのでミュー

マッドマックス!!怒りのデス・ロード

もう本当に最高、爆発、破壊、狂った敵、寡黙なマックス。 第1作目から36年、3作目から30年の月日を経てついに公開された本作、ゲーム「Fallout」シリーズや日本では「北斗の拳」で有名な放射能汚染後の荒廃した世界でのカーチャエイスとアクションを混ぜた超ド級のアクション映画。 監督ジョージ・ミラーは御年70歳、おそらく知っているであろう作品に「ベイブ」や「ハッピーフィート」があるが、どうやらこれらの作品は自分の子供にも見れるものを…ということで製作していたらしい。ぼくも「