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「消えるチェシャ猫」の動画を作りました

私が『不思議の国のアリス』をはじめて読んだのは、たぶん20歳前後のことだと思われますので、約50年の歳月が流れています。
ルイス・キャロルの書いた『不思議の国のアリス』(原題 "Alice's Adventure in Wonderland")の初版に挿絵を描いたのは、ジョン・テニエルという風刺画家でした。

「チェシャ猫」というのは、ルイス・キャロルが創作した猫で、実際には存在しません。『不思議の国のアリス』が書かれた頃、イギリスで使われていた慣用句「チェシャ猫のように笑う(grin like a Cheshire cat 意味は「ニヤニヤ笑う」こと)」を素材として創作された架空の猫です。
これにテニエルは、上に掲げたような姿を与えました。

さて、チェシャ猫がゆっくり消える場面の文章はこんな風です。

「ねえ、そんなにパッと消えたり出てきたりしないでもらえないかしら? 頭がくらくらしちゃうわ。」 「わかった」と、ネコは言いました。そして今度は、尻尾のほうからはじめて、ゆっくりゆっくりと消えていき、しまいにはにやにや笑いだけが残って、しばらく枝の上に浮かんでいました。      『不思議の国のアリス』 ルイス・キャロル 作 脇明子 訳

この文章の最後の部分に相当する挿絵もあります。

私は、はじめてこれを読んだ時から、動画にしたいと思っていましたが、50年後、実現することができました。
ネコの体全体がふわーっと消えるのではなく、尻尾の方からゆっくり消えていかなければならないので、ちょっと凝った作り方をしています。どうやって作ったかお分かりになりますか?

前景の「テラファイトワンダー」は、グリーンのバックで撮影してクロマキー合成をしたものです。

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