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他学部・他大学から東京大学情報理工学系研究科システム情報学専攻に合格・進学した話(2023年8月受験/2024年度夏入試)

 東京大学の他学部から情報理工学系研究科に合格し、今年度から通い始めたので受験までの対策とそれ以降の生活についてお話します。
受験動機等は省略させていただきます。恥ずかしいので成績だけ有料です。

はじめに

 システム情報学専攻の院試について説明します。

a.書類提出・審査

 まず、諸書類と研究計画書を提出します。分量はそこまでありませんが、抜けに注意しましょう。また、Toefl関連の書類もここまでで提出しておいたほうがいいです。スコア、または未提出連絡書のどちらかですが、スコアを出すほうがいいかと思います。

b.筆記試験

 数学と専門科目の試験があります。
 数学は1問50分の試験を休憩をはさみつつ3回行います。3問を150分で解くわけではないので、2番から解いたり早く終わった分他の問題に時間を割いたりすることはできません。
 専門科目は3問の中から2問を選択して解答します。こちらは試験で問題を見てこれは捨てようという選択ができます。
 おそらく、合否に最もかかわるのはここです。

c.面接試験

 教授との面接です。この時、面接官は志望している方ではなく、同専攻の他の教授になるかもしれません。人によって長かったり短かったりするらしいですが、おおむね自分の研究テーマについてintroductionが書ける程度の考えがあれば問題ありません。

1.研究室調査、第一志望決定

 研究室を調査し、第一志望の研究室を決定しましょう。最も、この記事を読まれている方なら余計なお世話なのかもしれませんが。この際、自分の興味で決めることも大事ですが、研究室の環境(雰囲気、組織構成、コアタイム等)や、教授との相性(学生に求めるレベル、研究成果)等を考慮すべきです。「24時間365日研究してやる!俺は本気なんだ!」という方もいるかもしれませんが、卒論が終わったら気が抜けて確実にそんな気持ちではなくなるので気を付けておきましょう。最初の数か月で、分野に対する興味ごと燃え尽きてしまうということも起り得ます。

2.研究室見学

 上記の調査の段階で訪れる場合もあるかもしれませんが、ここでは2番目とさせていただきます。研究室見学で大事なことは、先輩や教授と疑問点や研究テーマについて話すことと、先輩に過去問をいただくこと、そして他の志望者とグループを作って対策することです。

 まず、先輩や教授と話すことが必要なのは言うまでもないと思います。1で調査した雰囲気が本当に正しいか、どんな生活をしているか、研究室とあなたのテーマが合致しているかを十分に調査しましょう。理由は前述のとおりです。
 次に、過去問とその解答をいただくことの重要性も自明です。大学受験と異なり、書店では売っていませんからね。私がいる研究室の説明会や入試説明会で私に声をかけていただいてもお渡ししますので、是非当ててみてください。可能であれば専門科目の対策として、計数工学科の講義で使った資料や期末試験問題を入手し、勉強するといいかもしれません。
 最後に、ほかの志望者とグループを作ることです。なぜライバルとグループを組むのか、と思われるかもしれません。しかし、どの教授も合格者は3人採ってくださると思うので、全員で協力して合格しましょう。最も大事なのは自分の得点を高くしておくことです。なお、同じ研究室で指導教員複数人いる場合の扱いは研究室次第なので確認しておきましょう。

3.受験勉強

 筆記試験の対策について説明します。なお、参考書を貼り付けていますが、情報が古い可能性があるため、最新版があるかどうかを確認してください。できるだけ2024年現在最新のものを貼っています。
 6割あれば合格でき、7割あれば第一志望研究室も行ける確率が高いと思います。

a.TOEFL-iBT

 数時間かかる英語の試験です。対策は単語帳、公式問題集、あとは普段の英語利用です。
 実のところ得点はあまり関係ないといわれています。50点程度で合格した人もいますし、私は70点程度で第一志望に合格しています。
対策に用いたものを列挙しておきます。

b.数学

 1回目の試験です。1問目は線形代数、2問目は微積または微分方程式 、3問目は確率統計です。
 前提として、どの科目も過去問からの傾向がありますが、ここ2,3年傾向に合わない問題を増やしているように感じられます。そのため、マセマで基礎固め→大学院入試問題集での広範な問題の演習とするのがよいと思います。

線形代数向け参考書

ここはマセマ以外にプログラミングのための線形代数という本をおすすめしておきます。

微積・微分方程式向け参考書

確率統計向け参考書

全般演習

少し難しめですが、余裕を持っておきましょう。

c.専門科目対策

 ここが対策が一番難しいです。私は制御と回路を選択したので、おすすめの本を貼っておきます。信号処理は全く勉強していないので、他サイト、ブログに解説を譲ります。
 専門科目で190点取ったという記事もありましたがその年はコロナがはやり始めてオンライン試験が始まったタイミングで、とても簡単な問題が出た年だったので参考にならないと思います。

回路

傾向が強く、オペアンプと二端子対回路をよく見ます。

制御

傾向が読めません。私が受験した年ははずれだったので信号処理を選んだほうがよかったそうです。
古典制御、現代制御があります。

あとは、こちらのみなみゆうき様のYouTubeの動画も非常に参考になります。


これらの教材を活かしながら、皆でわからない部分を教えあいながら進めていくとよいでしょう。

4.合格後

 基本的には3月ごろまでやることはありません。ただし、時々送られてくるメールには気を付けておきましょう。
・入学許可書の通知(10月入学者は9月中に取得してください!)
・入学書類関連の通知
 これらのメールは何故か締め切りの4~6か月前くらいに来たはずなのできちんと保存しておきましょう。リマインドは来ません。

終わりに

 皆さんの合格を願っております。この記事が少しでもお役に立てば幸いです。初めてのnoteなので、見づらいことはご容赦ください。

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