BPLS4 IIDX部門 ドラフト前に既存戦力を確認する

 BPLS4のドラフト会議が2024年4月23日(火)に開催されます。それぞれのチームが自身の戦力を強化するために、どの選手を残しあるいは入れ替えるかが明らかになります。ファンにとっては新たな選手の誕生を見られるとともに、これまで応援した選手が選手ではなくなる瞬間を見せつけられる場でもあります。まさに緊張感と期待感が同時に高まる瞬間です。この記事ではそれぞれのチームの補強ポイントを事前に把握し、各チームが何を補強するべきかについて考えてみます。


前提事項

  • 試合におけるポイント配分が変更されており、先鋒と中堅を勝つだけで試合に勝てる(大将がすべてひっくり返してドローにはできない)

  • シーズンが進むにつれ、平均的な選手レベルが向上している。したがって既存の選手のキープは相対的な価値の低下を意味するかもしれない。

  • 本記事は既存チームの分析にとどめます(新規選手については知らないことが多いため)

※記事執筆後に今シーズンは「先鋒」「中堅」「大将」の呼称が用いられていないことに気が付きました!ですが記事の読みやすさを重視し今回はこのままでお許しください!

APINA VRAMeS

  • KENTAN選手を入れ替えるか?

 昨年優勝チームだけあって戦力は極めて充実しています。3巡目までのUCCHIE選手、WELLOW選手、CHP*1E選手までで課題曲の全範囲をカバーできています。
 KENTAN選手についてもシーズン2で見られた不安定さがなくなり、昨シーズンは安定してポイントを稼いでいます。(CORIVE選手、8S.選手から自選曲で2ptを獲得)ポストシーズンの成績も良いです。(4曲中3曲でポイント獲得)
 しかし、ノバ東北の撤退にともないフリーになったNIKE.選手との競合が気になります。昨シーズンNIKE.選手とKENTAN選手は2度ぶつかっており、2回ともNIKE.選手の2タテに終わりました。またNIKE.選手はシーズン2まではアピナで活躍した選手であり、基本的にはKENTAN選手にたいして上位をとれる選手です。両者ともにアピナへの縁もありチームは難しい選択を迫られるかもしれません。

ROUND1

  • I6VV選手を入れ替えるか?

  • ☆12担当を増やすか?

 昨年の準優勝チームです。エースのUTAKA選手が圧倒的に強さとKUREI選手の分厚い本番強さがウリのチームでしょう。UTAKA選手のマジメさストイックさがある意味ややお堅いチームカラーを作っていましたが、NAGACH選手の加入により雰囲気もややマイルドで親しみやすくなったように思えます。
 昨シーズンではレギュラーシーズンで☆12の試合でUTAKA選手を3試合中1試合しか起用できなかったのも気になります。KUREI選手もできれば☆11以下で起用したいと思うのであれば、☆11のソフランスクラッチ大将戦を任せられる選手、もしくは☆12の鍵盤系を任せられる選手のどちらかが補強できるとUTAKA選手の起用にもうすこし余裕が生まれるかもしれません。
 シーズン2から加入したI6VV選手の成績はやや厳しいと言わざるを得ません。シーズン3で獲得したポイントはKIDO.選手から獲得した1曲2ポイントのみであり、ポストシーズンでは1曲の勝利もかないませんでした。もっともシーズン2ファイナルではI6VV選手の魂の『バッド・スイーツ、バッド・ドリーム』が優勝を決定づけたのも事実です。チームはI6VV選手にどのような評価を下すのかが注目です。

TAITO STATION Tradz

  • RIOO離脱の穴をどう埋めるか(スクラッチと☆12)

  • RAITO.への評価は?

 昨シーズン猛威をふるったKKM*の残留が最大の補強といえるでしょう。トラッズは2巡目のRIOO選手がエントリー外となったため、必ず新たな選手を補強しなければなりません。RIOO選手が担っていた役割から考えるとスクラッチ全般とファイナルでの2人目の☆12担当が必要でしょう。
 昨シーズン加入したRAITO.選手の成績はあまり良くなく、UCCHIE選手やWELLOW選手に負けるのは仕方ないといえるものの、46選手にスクラッチ曲(Central Station)で挑んで敗北したのは内容的にも非常に痛い敗戦でした。しかしクオーターファイナルではKIDO.選手に2タテを決めており、意地も見せたと言えるでしょう。チームがRAITO.選手に下す評価が気になります。
 8S.選手については、同等の力量を持った選手の補強も可能かもしれません。しかし新規参入選手は加入直後の試合ではパフォーマンスが出にくいのはむしろ普通であり、2シーズンを通して得た経験値の分8S.選手に優位があると考えます。
 トラッズは外国人選手を起用したことがある唯一のチームであり、日本での生活や練習のサポートも慣れていると考えると今ドラフトの超目玉選手であるDON選手の獲得を目指しても良いかもしれません。そうなればKKM選手にとっても心強い存在になるでしょう。(2巡目に残っていれば、ですが・・・)

GAME PANIC

  • 「みかピー」コンビの強さはさらに有利に

  • TAKA.SとFRIPでカバー範囲は足りているか?

 MIKAMO&PEACEの低難度コンビは今シーズンも健在で、ポイント配分のルール変更によって凶悪さを更に増しそうです。
 過去のシーズンを振り返るとソフランスクラッチの試合にTAKA.S選手、FRIP選手、2年前まで遡れば#MA3#選手や54GAYA選手を起用しています。4名ともこれらのジャンルは得意とは言い難く変則ジャンルの担い手が1人足りない印象は拭えません。
 これについては3巡目4巡目選手を組み替えて対応するのももちろん手ですが、鍵盤ジャンルについてPEACE選手への依存度を少し下げて、スクラッチソフランをPEACE選手に担当してもらうことも可能なように思います。
 強烈な強さのあるチームが故に、戦略の固定化がやや目立っています。これについてチームごと改革するか、オーダー変更で対応するか、あるいはそのまま押し切るのか、さまざまな可能性があります。

SILK HAT

  • 入れ替えなしの可能性が高く、ドラフト注目点は少ない

  • VELVETとLICHTをどの程度の戦力と計算するか?

 昨シーズンはなんといってもエースキラーKIDO.の爆誕が見せ場となったシーズンでした。高難易度、低難易度、変則ジャンルそれぞれにエキスパートがいます。VELVET選手とLICHT選手が合わせて3回程度の2タテを持ってきてくれると計算するのであれば、特に補強ポイントが見当たりません。チームの配信でもSEIRYU選手が「このチームには特に変えるところが無い」という旨の発言をしており、現在の形のまま悲願のファイナル進出を目指すのではないでしょうか。

GiGO

  • 2タテを取れる選手がいない

  • NUCHIOとCYBERXの役割が近接しすぎている

  • ☆12鍵盤担当の補強は必須

 昨シーズンはレギュラーステージで敗退を喫しました。ジャンル配分がキツすぎたレジャーランドと異なり、得意ジャンルを多く割り当てられたのにもかかわらず勝てなかったという事実が非常に厳しいと言えます。(※CORIVEはスクラッチ2回、ソフラン1回、罪過の聖堂を含むトレンド1回に出場した)
 現状の問題点はなんといっても2タテを取れる選手の不在です。これは新規選手を加入させることでしか解決しないでしょう。DON選手を狙いましょう。他チームが1巡選手をリリースするとは考えにくく、一度CORIVEをリリースすることを考慮しても良いと思います。(DON選手獲得に失敗してもCORIVE選手を獲得し直せる)2巡目以降も他選曲のポイント奪取にすぐれたNIKE.選手や☆12にとことん強い46選手など、積極的に新規選手を獲得すべきです。
 NUCHIO選手、CYBERX選手、LOOT選手の3名については横一線での比較が必要になりそうですが、担当領域の広さと戦績から言うとCYBERX選手に分があり3巡目選手としてキープされそうな気がします。NUCHIO選手についても4巡目として引き戻せるならオイシいかもしれません。
 既存のファンには苦しいドラフトになるかもしれませんが、去年の結果が芳しく無く、外部要因によって改善する見込みもあまり無い以上致し方ないでしょう。

レジャーランド

  • 栄光のシーズン2に近いルールになる

  • 1-PIN、U76NERの相対的価値が上がっているかも?

  • G*選手の役割をどう考えるか

 昨シーズンはとにかくジャンル運に恵まれず、スクラッチ大将戦を3回割り当てられそれらをPEACE選手とU*TAKA選手にすべて持っていかれてしまいました。今年は総当たり戦になる(同じチームと2度はあたらない)上にレジャランが得意とする☆11での大将戦も残存したため、よほどのことがない限り昨年のようなことにはならないでしょう。ポイント配分の変更により、1-PIN選手とDINASO選手の2名で大将戦に入る前に勝ちきってしまうプランも考えられそうです。
 1-PIN選手は他チームのエース格と比べて派手さはないものの☆11までの精度は凄まじく、先鋒中堅までのポイント配分が高まったことで役割が拡充したと言えるでしょう。
 G*選手は鍵盤系であればカバー範囲が広いものの、1-PIN選手を低難度で起用する場面を増やすのであれば、もっと徹底して高難度に強い選手(例えば46選手)との比較は考えうるところです。
 DINASO選手は昨年は成績に恵まれなかったものの、安定した強さと明確な武器がある選手です。U76NER選手も得意ジャンルであればドラ1選手にもぶつけられる強さがありそれ以外でも安定した試合ができます。☆10のスクラッチ、ソフランは『Shamshir』『PARANOIA survivor MAX』『fun』『Tripping Jumping』など猛烈に難しい楽曲が増えており、U76NERの価値はさらに上がっていると考えます。DINASO選手U76NER選手の2名は検討の必要がないでしょう。

最後に 

 BPLS4のドラフト会議について、各チームの補強ポイントと選手の評価について考察しました。この記事では戦力的な部分しか考慮していないものの、実際にはチームアイデンティティの維持や発信力など戦力以外の部分も考慮されていることでしょう。どんな結果になっても選手を応援し、対戦を楽しもうと思います。

文責:ユキジ X(Twitter) @isuzumi_BPLFan

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