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北の果て、知床と、南の果て、沖縄に、住む実際


#どこでも住めるとしたら
 以前の富裕層であれば、実際の居住は東京、そして避暑地には別荘を構えて夏の間はそこに滞在。高原の涼しい環境で、テニスをしたり・・・。
 こんな生活がごく限られた層に許されていた時代があった。

 バブルがはじけて、デフレ景気の30年を経験してきた日本人にとって、季節によって居住地を替えて生活するなど、夢のまた夢となった今、
「もう、かつての富裕層にしか許されなかった特権は手にすることはできないものなのか?」と日々考えてきた。

 新卒で就職した企業は大手ではあったが、なにせ忙しかった。余暇?そんなものは考えることもなく、ただただ会社と自宅の間を行ったり来たりの毎日に、旅行すらも計画する間もなく。
 ただ、転勤が多い会社だったので、13年間の間に配属先への配属の機会を含め、6回の転居があった。どこの居住地でも、観光地に行った思い出は少なく、日本全国、「どこにでも住める自由を与えられたら!」と日に日に思いはつのるが実現せず、とうとう50歳を超えてしまった。

 一軒家の主になったものの、ここから引っ越して好きなところに住むような生活はかなえられていない。

 沖縄の友人の元に昨年、一昨年と何度か来縄した。沖縄に居住するという欲求が湧いていた。
 また、インターネットのチャンネルで、ドラマ「北の国から」のかつてのシリーズを放映しており、見る機会があり、知床の自然の風景をみてからというもの、「ここにも住んでみたい」という欲求にも駆られた。

 私の場合、沖縄と北海道だが、2拠点、3拠点の場所に季節を意識して住んでみたいという、その「思いの場所」はそれぞれにあるに違いない。
 スポーツが好きな人は夏はサーフィンのメッカ御宿、冬はスキーの聖地苗場、など、季節の変化が美しい日本では、なおさらその思いを持つ日本人は多いのだと思う。

 ただ、この欲求を満たせそうな方法がチラチラと伺えるようになってきた。しかも、2拠点に家財道具を詰め込んだ住居を建てる必要がない新しいライフスタイルの実現。富裕層である必要はなく、とても喜ばしい条件がいくつか重なったせいで実現しそうな状況が発生した。
 リモートワークによる、仕事に制約される居住地の選択からの解放と、インターネットの簡便化、そしてなにより「コンテナ+トレーラ ハウス」の現実化である。

 アメリカでは、規制が緩いせいか日本のそれとは全く違い、経費面でもコンテナハウスの建設費が安いのだが、それでも、日本の状況であっても、今では工場で建設出来る建設費用が安価なものも出てきた。まして、車輪を付けて、トレーラーとして移動が可能な状態にすれば、楽に居住地を移すことが出来るようになるので、家財など拠点ごとに購入する必要もなくなる。

 場所と条件にもよるが、トレーラーハウスは、移動が出来ることで、固定資産税がかからないメリットがある。そして、そのメリットはさらに広がり、「市街化調整区域」などであっても、「住宅の建設」ではないため、住もうと思えば住める可能性も出てくる。当然、インフラを容易に利用できる設備を用意した土地を賃貸する事業者も出てくることになる。

 自身の居住したい沖縄と北海道などであれば、陸路による住居の移動であれば、かなり厳しい距離となるだろうが、これがコンテナハウスであれば、海上輸送船により移動出来るので、少々日数はかかれど、重量を気にすることに制限がなくなるはずである。頑丈な鉄骨に囲まれたコンテナは積み重ねに優れるのと、かつて輸送の中心的な役割をなしていた貨物列車での移動も可能となる。
 
 あくまで自身の空想の世界での出来事であるが、この自身の住居が移動可能な不動産というモノになっていけば、ノマド生活がこの日本でも可能になっていくし、視野を広げれば、法律が許せば海外移住もかなり自由に行きき出来るはずである。

 インフラの整備については、規格さえ統一して行けば、前出させたが、拠点拠点を整備し、そこを家賃貸しする業者のビジネスも確立するだろう。

 海に向かって傾斜が緩やかに下っている場所をRCクロアブロックなどで整備し、段々畑のような居住スペースにインフラが簡単にセットできる設備を整えて、賃貸する。
 上下水道も、電力供給も、ガスも、インターネットも、すべて、ガシェットでつなぐだけでその日、その場ですぐに生活がスタート出来るような場所を提供する。

 ここまでの生活スタイルが頭の中に浮かんでいる。
 ただ、将来の展望であり、今、すぐにこの生活を手にすることは不可能であるとは承知している。
 車中泊人口が急激に伸びている昨今の状況を踏まえて、「実質、居住出来るライフスタイル」を展望した際に有効な手段だと思い頭の中を書いてみた。

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