2023沖縄旅行記
沖縄である。
これまであちこちを旅しているのだが、実は最多で訪問しているのは沖縄である。
一時は毎年沖縄の離島を訪れていた。
初めて行ったのは石垣島。
そこで沖縄にはまり、何度も石垣島を訪れ、その後、西表島や宮古島にも勢力を広げ、最終的に本島へ戻った。
というのも離島はリスクが高い。
一緒に行くクマの休みは夏が多く、夏といえば台風で、一ヶ月くらい前になると天気予報と睨めっこだった。
夏以外の季節でも乗り継ぎがあると、天候による欠航リスクが高まり、無事に着けるかな&無事に帰れるかなといったドキドキハラハラが満載なのだ。
そんな博打要素も若い頃にはスパイスだったが、年齢を重ねるにつれストレスになって来た。
マリンスポーツもなかなかしんどくなって来たし、乗り継がなくてもいい本島でも十分じゃない?と気づき、本島でベタな観光をしてみたところ大変楽しかった。
道の駅が大好きな私である。
ウエルカム観光地が楽しくないわけがない。
レンタカーであちこち巡り、いやはや楽しいなとなっていたのだが、今度は好きな時にビールが飲めないのが苦になって来た。
車の運転をしなくてはならないとどうしたって犠牲者が必要だ。
大抵の場合、犠牲者はクマなのだが本島に行き始めた頃、クマは仕事の都合がつかないことが多く、どうしても私が運転手という事態が続いていた。
なんとかならないものか。
私は那覇空港についてすぐオリオンビールを注入したいのだ。
空港付近のレンタカー渋滞も、レンタカーをピックアップするまでの時間も地味にストレスだ。悩ましく思っていたところ、そんな私のわがままな願いを叶えるものがあることに気がついた。
ゆいレールである。
本島では那覇空港からモニモニと動くモノレールが走っており、ビールを飲んだ人間でも市街地まで連れて行ってくれるのだ。
しかも空港からすぐに乗れるように設計されている。
ナイス!
さすが観光地。
出来る子!
ゆいレールを使って市街地まで出てホテルに宿泊し、路線バスを使って観光してみようツアーを組んだところ、レンタカーの利便性には完敗するものの、なかなか楽しかった。
何度も訪れている地で、詰め込み型の観光がしたいわけじゃない。
バスの待ち時間に猫を愛でられるのも楽しい。
これはいいぞクマも一緒に行こうぜ休みなんとかしなよ…とか言ってたら。
コロナが来た。
私事であはあるがそれまでの数年間、諸事情であれこれ厳しい制約の中で暮らしていた。
緊急事態宣言なんてものが出された2020年の春はようやくそれから解放される予定だったので、あちこちへ行こうと計画していた。
沖縄もその候補の筆頭格で、真っ先に飛んで行ってオリオンビールを飲んでやると息巻いていたのだが。
旅行どころか日常生活さえもままならなくなってしまったわけだ。
スーパーへ買い物へ行くのもリスクを考慮しなくてはならなかった。
それでも何処かへ行きたくて、GOTOトラベルなんて素敵施策もあったので、車で行けるところへは出かけてみたが、飛行機はハードルが高かった。
自由業の私はともかく、一緒に行くクマやトータスはあれこれ立場があるものだから旅行で感染なんて事態は許されない。
皆で飛行機でどこかへ行くなんてもうないのかなあと哀しんでいたのだが、23年に入ってなんとなく行けそうな雰囲気になって来た。
よし。
軽く様子見で那覇に行ってみるか。
そう思い立ち、皆の休みが取りやすい八月に出かける予定を立てた。
二泊三日。
那覇市内のホテルに泊まり、移動はゆいレール。
三日間の乗り放題チケットを使ってふらふらしちゃうぜ。
ひっさしぶりの飛行機、ひっさしぶりのセントレア。
高速道路から二重の虹なんか見えたりして幸先いいんじゃない的なノリで空港を目指す。
安いツアーを利用したので座席指定が満足に出来ず、行き当たりばったりでグランドホステスさんに取って貰った席は全員が非常口席。
夏休みということもあり子供連れが多く、同行者全員がが大人でちょうどよかったんだろうなのだろうと推測したが、今年年初の航空事故を見ると私には無理だから今後は断ろうと思ってしまう…。
非常口席って前方が広く開いていて快適だからとわざわざ予約する人もいるんですね。
帰りの便も同じように空港着いてから空いてる席を押さえて貰うパターンだったのだが、今度は非常口席じゃないねと話しながら空港内でまったりしていたら呼び出され、何事かと思って窓口へ駆けつけたところ、非常口席を予約していたのが妊婦さんを連れた方でちょっと無理だから席を変更して貰えないかという依頼で、まあそういうわけならと帰りの便も非常口席で帰って来たのだった。
若い頃は飛行機もビーサンで乗ってたけど、今は何処へ行くのも必ずスニーカーで、荷物も出来るだけデイパックにしている。
飛行機だって新幹線だって電車だっていつ停まるか分からないし、いつ逃げなきゃいけないか分からない。
加齢により自分の体力に自信がなくなったせいだけじゃなくて、アクシデントの割合が多くなっているように感じている。気のせいかもしれないが。
そんなこんなでほぼ満席の飛行機で那覇に着くと、空港内でオリオンビールを飲み、涙した。
これよ、これ。
数年ぶりのオリオンビール。
ありがとう、オリオンビール。
今は何処でもオリオンビールの缶が売ってるけど、違うのだ。
沖縄で、飲む、オリオンは違うのだよ。
ビールって現地で飲んで美味しいなあって思って、帰って来てから同じ物を買って飲んでみてもさほど美味しくないのは現地の気候との相性なのではないかと思う。
333然り、シンハー然り。
沖縄で飲むオリオンは最高。
全員で一杯引っ掛けられるのも車移動ではないからなのだ。
オリオン注入した後、ゆいレールで市街地へモニモニ移動。
ホテルへ荷物を預けた後、再びゆいレールで首里城観光へ。
人生で四度目の首里城。
燃えてしまってからは初めてで、八月にゆいレールで行くのも初めてだった。
これまで春とか冬に訪れていたから感じていなかったのだが、暑い。
当たり前だが、暑い。
名古屋に比べると気温的にはさほどではないものの、湿度の影響もあり駅から首里城まで歩くのはなかなかハードであった。
途中、見つけた鳥にはしゃぎながら坂や階段をひいひい上がって、無事に再建されますようにと願って帰って来た。
そして、見学を予約していた首里城近くにある泡盛の酒蔵「瑞泉」さんへ。
泡盛の造り方を収めたビデオとかで勉強した後、試飲をいっぱいさせてもらい、いっぱい泡盛を買って宅配で送って貰うよう手続きした。
余りにしあわせ過ぎたからだろうか。
この時の写真が一枚もない…。
何故だ…。
泡盛もオリオンビールと同じく沖縄で飲むと美味しさが倍増する気がするんですが気のせいじゃないですよね?(ずっと言ってる)
暑い中を再び歩いて駅まで戻り(途中休憩を挟みつつ)ゆいレールでホテルへ戻り、今度は国際通りへ。
久々の国際通りにはしゃぎつつ、夜ご飯はどうしても行きたかった店があったので開店前から並んだ。
大変混む店なので予約を受け付けていない為、並ぶしかないのだ。
あっという間に開店を待つ客の列が伸びて行く。
ようやく入れた店では念願の沖縄料理を満喫し、オリオンを飲んで泡盛を飲んで、これよこれがやりたかったのよと涙した。
一時はもう飛行機で移動出来る日は来ないんじゃないかと暗澹たる気分にもなったりしたので、喜びもひとしお。
帰りにブルーシールでアイスまで食べてしまった。
次の日は以前から行きたかった沖縄県立博物館へ。
常設展で沖縄の歴史を学び、テンペストファンの私は色々と思いを馳せたりして、すごく楽しめた。おすすめなので是非。
ついでに美術館の方でやっていたミニチュア展も覗いたら大人気のようですごい人だった。旅先で美術館とか行きがちだよね。
昼はやちむん通りの方へ移動して沖縄料理のランチを食べ、国際通り近くの裏通りをふらふらして、おやつは沖縄ぜんざい。最高である。
夜は新しくなった公設市場で魚を見繕って料理して貰うタイプのTHE観光!的な夕餉にしてみた。
ブダイのマース煮(塩煮)とかね。
沖縄でしか食べられないから。
正直、お高めではあるんだけどこういうところで食事する楽しみというのも味わっていきたいのだった。
もう初沖縄並の観光具合だったでござるよ。
実際、クマは本島には仕事でしか行ったことがなく、那覇はいつも乗り継ぎ地でしかなかったので、なかなか楽しめたみたいだった。
晩ご飯の後のブルーシールアイスもね。
二泊三日の旅はあっという間で、最終日はホテルをチェックアウトしゆいレールで空港へ行き那覇空港を隅々までぐーるぐる満喫した。
那覇空港って私的には博多空港と同じくらい買いたいものが多くて困る。
飛行機に乗る前には最後のオリオンビールとソーキ蕎麦をきめて、「また来るね」と約束した沖縄の空。
自分の年齢や健康、環境的なことを考えると、次に行けるのはいつなのか分からないけど、また行きたいなあ。
当たり前のように思っていた、いつでもどこでも行ける環境というのは、決して当たり前じゃないとこの数年でつくづく思い知ったので、許される限り出かけたい。
違う色の空はやる気をくれる。
違う土地の酒は心を潤してくれる。
旅はとても大事なものだ。
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