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手を動かすエンジニアのために、手を動かさない人が必要

ネタ元は市谷さんのこのツイート。

プロジェクトマネージャーになったら負け的な風潮は、僕がこの業界に入った当時からあったと思います。代表的なものは以下の通り。

- 手を動かしていない(その意味を理解していない)やつがRTしてるだけ
- 待遇変わらないのにメンタル負担が大きくなるので貧乏くじ感強い
- 手を動かすことが減るから、エンジニアとしての成長が絶たれる

わからなくもない・・・という所じゃないでしょうか。

プロジェクトマネジメントが大切は総論賛成だけど、各論になると誰が旗振るのだ問題を始めトーンダウンしてしまいます。悪の秘密結社SIerでお馴染み、PG→SEそしてPMへ。この出世魚キャリアによく似た憂鬱を感じます。

しかし、ロールやタスクの異なるメンバーが同じ目的に向かうようになれば、受託開発/自社開発関係なしに、質の異なる様々な課題が表面化します。立場が違えば抱える問題も違いますから。

ここで、手を動かすことで価値を生み出す人が、必要なこと・すべきこと・やりたいことに手を動かしてコミットできるように、手を動かさない人が必要になるんです。タスクをこなして全体を見るのは、かなり無理があります。

昔の会社でお偉い人が言っていた「マネジメントはドブさらいみたいなもんだよ」という発言は、僕にとってのマネジメントの本質を表す言葉として、とても印象に残っています。逆に、ドブさらいになっていないのであれば、マネジメントが機能していないと考えましょう。とてもわかり易い判断基準です。

ドブさらいが示す内容はいくつかあります。1つは課題管理。プロジェクトを進めていくのにわからないこと、想定外の事態が出るので、何かを決める必要がある。未決の決定事項を潰すために課題を管理し、同時に課題解決をする施策に落としながらも、スコープが破綻しないように調整するという、なかなか大変な役割です。

もう1つは、方針策定だと思います。成し遂げたい何かに対して考え方・やり方をデザインして、方針として抽象化して、望む成果をみんなで出せるようにする。

その対象は色々あると思います。

人事制度、プロジェクト、ソフトウェア設計、インフラ設計、組織設計、業務設計など、色々とエンジニアリングのエッセンスを使って工夫できる余地は大いにあるはずです。

僕自身はこの種のプロセスを作り上げることが得意なので、その中でもビジネスとITをつなぐ考え方・やり方をデザインする「ITプランナー」という立ち回りを実践しています。

手を動かすことで達成できないものもあれば、手を動かさないで達成できることもあります。そんなところで。


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