民生委員

民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、社会福祉の増進に努める方々であり、「児童委員」を兼ねています。(厚生労働省HPより)

以前、私達が住んでいた地域は、古くからその土地で暮らしている人達ばかりでした。地主の一人が畑をアパートにして貸し出していて、そこに住んでいました。 

子供の頃、統合失調症の母親は死体があるとか血が流れているとか、支離滅裂な奇妙な妄想を人に話していました。ただし、他害のおそれはありませんでした。このような問題行動を起こしていたので、民生委員がたびたび家に訪問に来ていました。

最終的に、大家はもちろん、民生委員からも地域を乱す悪は出ていけといわれました。当時小学校3年生だった私に対しても直接いわれました。結局、家族はその地を後にします。

民生委員の方は、古くからその土地を治めていた人たちが交代で引き継いでいました。「常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、社会福祉の増進に努める」とありますが、ここにある”住民”とは、以前から住んでいたつながりのある人たちであり、精神疾患で問題行動を起こす人は住民と思われていないのでしょう。

死体がある、血が流れている、こうした奇妙な発言をしたり、実際に警察に通報して騒ぎを起こすのですから、平穏な暮らしをしていた地域住民からすれば、問題のある人たちだと思うのは当然だと思います。また、地域を守るため、このような問題のある人たちがいると地域の人たちに周知することもまた当然の発想だと思います。こうして、民生委員は私たち家族の事実はもちろん、事実でないことも地域に言い広めてしまいます。

父は謝罪したり関係の回復を試みませんでした。しかも、自分たち家族を批判する人たちに敵意を向けるようなことをしていました。また、そもそもお酒を飲みに出ており、家にいませんでした。なぜ父は子供のような態度なのか、広汎性発達障害の疑いが最近わかったので、そのためかもしれません。しかし、自閉症スペクトラムなど知る由もない人たちには、そもそも理解もなく、また、言い訳にもできません。

もちろん、以前から住んでいる人たちの中には温厚な方もいらっしゃいましたが、家族の中に地域との関係を取り成す人がいないので、地域に溶け込めるわけもありません。

私は、下校中や外で遊んでいる時、地域の同年代の人から石を投げられたり、理由もなく殴られたりすることは多々ありました。子供とは正直なもので、親が言っていることをそのまま私に言ってきました。「お前の親はキチガイ」、「お前はキチガイの子だ」「だからお前と遊ぶなと親がいってる」等。そうして、ガス抜きのため、私はおもちゃにされました。子供だけでなく大人から直接言われました。本当に何もしていないのに畑を荒らしたと殴られました。また、学校でも、先生より、お前の素行が悪いと地域の人から聞いている、などと決めつけられ、問題児として扱われました。

民生委員はそもそも守秘義務があり、民生委員の活動として知り得た情報を他人に伝えてはなりません。しかし、民生委員をしている人すべてとは言いませんが、私の住んでいる地域は、いわゆる近所の“おばちゃん”、“おじちゃん”がしているので、民生委員としての意識は希薄です。それは昔も今も変わりません。

今でも、民生委員の人が、私が働いていない、引きこもりだと地域の人に伝えています。町内会長にあったとき、Aさん(民生委員の人の名前)から聞いたといい、「あんた、いつも家におってなにしてる?」と面と向かって言われたことがあります。

逆に、民生委員より、近所に住んでいる同年代のB君が同じように引きこもりだと伝えられたこともあります。だから気が合うのでは、仲良くしたらと言われました。もちろん、民生委員なりに問題解決につながればと思ったのかもしれません。しかし、B君の事細かな情報まで、蔑むような笑みを浮かべて話してきました。

B君は家から出られないから、親に食べ物や雑誌を買いに行かせていうそうだ。親がかわいそう。排泄はトイレでせず、袋などでしているとか。人間じゃない。そうした物やゴミがたまっていて異臭がするんだって。親にそれらを掃除させてる。ああなってはおしまいだぞ。

私とB君は高校が一緒だったので、名前と当時から不登校気味だったことは知っていますが、話したこともありません。今祖のような状態にあるなど民生委員より聞かされるまで知りませんでした。

なお、B君のことだけは、本人がわからないよう少し変えてあります。私は民生委員でもなく守秘義務もありませんし、B君のことを書いてもどうせわからないと思います。しかし、万が一、B君やその周辺の人がこのnoteをみるかもしれません。そのため話を少し変えています。本来の守秘義務とは、ここまで配慮するのです。

行政に報告しても、民生委員には守秘義務というものがあるため知り得た情報を外部に漏らすはずはないとマニュアル通りの返答しかしません。事実、もらしていると言っても、講習をしていると伝えられます。

私は大学等で事例検討会や事例研究をしていたので、守秘義務の教育も受けています。しかし、守秘義務という意識は講習を受けたから身に付くものではありません。私も時にうっかりミスをしてしまい、先輩方から注意を受けました。意識とはこのように高い意思を持った人が集まりお互い刺激し合うことで初めて身に付き、持続できるのです。

ちなみに、事例検討会で出た話は例え家に帰って家族にも話してはなりません。また、事例研究で論文を発表する場合は、本人に公表していい部分を確認し了承を得て、さらに上記のようにデフォルメして本人が特定できないように配慮します。名前や地名を伏せるさいも、田中さんをTさん、北海道をHとすると連想できるためしません。ABC順で、AさんがBというところでCさんと会った、などとします。

生活保護や生活福祉資金を利用するには、民生委員に家庭の内情を詳しく伝えなければなりません。これは厚生労働大臣の委嘱のもとに行われているので強制です。民生委員を受け入れないなら生活福祉資金など申し込めません。民生委員は審査の目となるため、民生委員は自分たちが審査してると権限を振りかざすことさえあります。

しかし、守秘義務に反するなど、民生委員としてあるまじき行為をしても罰則はありません。

それでは、公務員が行ってはどうでしょうか。地域それぞれのことを把握するためには多くの人員がかかります。公務員を少なくしようという世論があるなかで、人員は増やせないでしょう。

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