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親子二代で続く、昭和の香り残る町の食堂

おばんです。
仙台で写真を撮っているイタリーさとうです。
今日もローカルな話し失礼します。 

とある食堂での話し。

佇まいから歴史の匂いを感じる渋い食堂。
いつか行きたい。
しかしかながらそう思ってる場所ほど行かないもの。
いつか行けると思ってしまうと結局行かない。

ここで「いつか行こう」を潰す作戦決行。

結論から言うと、ここもやっぱり良かった。
夜、早めの時間に行ったこともあってお客さんは私の1人。
還暦を過ぎたお店のご主人とゆっくりお話ししながら過ごす。

食堂だけあってメニューは何でも揃っている。

にしてもメニューが多い。
どれを選ぶべきか。
迷ったあげく、タンメンと炒飯を頼む。

いつもそうだが、初めて訪ねるお店でその店の王道らしいメニュー以外を頼む勇気がでない。
今回はぱっと見王道はラーメンと炒飯。
なんとなく野菜を摂りたいという気分でタンメンに変えただけでも私にとって大きな冒険なのだ。

中華鍋のコンコンと振っていく音が響く。
店内では小さなテレビに夕方のローカルニュースが流れている。
淡々と流れる平凡で幸福な時間。

気取らない味。
炒飯はパラパラ系ではなく、お米が水分をしっかり吸って炊かれたであろうしっとり系の炒飯だ。
僕はこの系統の炒飯が好きだ。

空腹を満たし、ここでの時間を過ごし、これ以上の贅沢も期待もいらない。

最近滅多に見かけない、開けると割り箸が散開するタイプのやつ。
レトロなデザインで可愛い。

食べながら、ご主人とお話しをする。

お店は昭和28年からご主人の母親が始めたそうだ。
以来、営業して66年。
そこからこの辺りの地域の歴史や、昔話をたくさん語ってくれた。
私もこの地域に縁があり、話しが弾んだ。

ネットで調べても出てこない話しは、誰かの体験と言葉によって語られる以外に知る術はない。
私みたいな若者にとって、長く生きる人たちの昔話や、その土地の話しを聞くことは常に新鮮な体験があって楽しい。

ご主人はお客さんを見て味の加減を調整するそうだ。

「いやー最初は怒られたけどねー
殺す気かっ!って言われてさー(笑)
煮詰まっちゃって濃かったんだろうねぇ」

そんな苦労話しも笑って話すご主人の陽気さが実に気持ちがいい。

「ありがとうございました!」

会計を済ませて店を出る。

いずれ建て替えが来る。
そんな話しも現実問題あるそうだ。
建物が先か、自分の体力が先か。
そんなことをご主人から聞くと、心の中に冷たい風が通るようななんともいえぬ寂寥感を抱く。

帰り道、私の母からLINEが来ていたので、店の外観を送ると、とても羨ましがられた。
母も幼い頃からこのお店の存在は知っていたらしく、いつか行ってみたいと思っていたらしい。

このお店が親子二代続いたように、次来るときは私も母を連れて来ようかと思う。

#写真 #グルメ #日記 #コラム #仙台



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