見出し画像

2023年のマイベストゲーム Top5

大作・中堅・インディー問わず様々な名作がたくさん発売し、「最大の当たり年」とも称された2023年が終わろうとしています。

本記事では、毎年恒例の企画として、僕が今年遊んだゲームの中からTop5を選んでご紹介します。

年初に僕はある目標を立てました。それは「2023年発売の新作をなるべくたくさん遊ぶ。具体的にはIGN JAPANが年末にやっているGOTY企画に投票できるくらい」というものです。その目標は見事に叶い、投票に参加しただけではなく、「サウンドデザイン部門賞」を獲得した『Hi-Fi Rush』の選評も担当することができました。

そんな傾向を反映して、今年選んだ5本は全て、2023年に発売された作品となりました。以下、毎年恒例のお約束を示したあとで、僕が選んだ5本をご紹介します。

<年末ベストゲーム企画のお約束>
1. 僕が「今年遊んだ」ゲームなので、今年発売でないものも含みます。
2. ベスト5を選んでいますが、5本の中に順位はありません。
3.「遊んだ」とはある程度(おおむね1時間以上)プレイしたこと、「クリアした」とは何らかのエンディングに到達したことを指します。


※タイトルは50音順に並んでいます。

スイカゲーム 〜個人的には今年のダントツNo.1!なぜなら…〜

客観的な評価をすべて抜きにすると、本作は僕の中で、今年のダントツNo.1ゲームです!なぜなら、本作は、僕の娘たち(5歳の双子)が「人生で初めて、自分の力だけでプレイできたゲーム」だからです。

『スイカゲーム』をプレイする次女(5歳)

でも、そういった個人的な体験を抜きにしても、本作は、ビデオゲームの裾野広げてくれている意義深い作品だと感じます。

Nintendo DSの全盛期は、これまでビデオゲームに触ったことがない人向けの入門は、『脳トレ』などの任天堂タイトルが担ってきました。しかし、Nintendo Switch世代における任天堂タイトルは比較的操作が複雑なものが多く、本当のカジュアル層にはややハードルが高いです。

そんな中、シンプルでカジュアル(なおかつ面白い)本作が人気を博し、12月13日現在で500万人ものプレイヤーを獲得しました。本作を楽しんでいる500万人の中には、これまでほとんど家庭用ビデオゲームを遊んだことがないカジュアル層も相当数含まれていると思います。そのような層にNintendo Switchを手に取ってもらえたことは、ビデオゲームの未来にとって明るい希望と言えそうです。

Starfield 〜完璧ではない、しかし、本作からしか摂取できない栄養素がある〜

僕がStarfieldで最も好きなロケーション、宇宙ステーションの「アイ」。

率直に言うと本作は、100点満点の傑作、とは思いませんでした。

現代の水準では古臭く思える要素がありますし、宇宙全体を舞台にした代償によってSkyrim等の過去作から後退していると感じる部分もあります。それでも、本作からしか摂取できない「SF的栄養素」がありますし、なんだかんだプレイし続けてしまう面白さを確実に有していると思いました。

まず難点を指摘すると、僕が最も気になったのは、NPCとのインタラクトが、2000年代のOblivionの時代から本質的には進化していないことです。1対1で会話をするだけなら不自然さはないのですが、NPCが移動しながらアクションをする、といった少しダイナミックなイベントになると、途端にマネキン臭さが露呈します。そのため、ダイアログではどんなに深刻なストーリーが語られていても、どうしても滑稽な印象を受けてしまうのです。

だからといって本作が駄作なのかというと、決してそうは思いません。1000個以上存在する探索可能な惑星は、その変化に富んだロケーションで楽しませてくれますし、緻密に設定された年代史と宇宙に息づく人々の生活は、本作に用意された宇宙への興味を掻き立てさせてくれます

また、大量に用意されたクエストの「ちょうどよい面白さ」は、小さな達成感を積み重ねて主人公を成長させてゆく、RPGの根源的な楽しさを与えてくれます。確かに、一つ一つのクエストがとても興味深いとか、チャレンジに満ちている、というわけではないのですが、クエスト受注→探索や戦闘→報酬というループを回すのは楽しく、プレイし続けられる面白さがあります。

本作は2024年以降も機能改善のアップデートが予定されています。僕の本作プレイ時間はまだ60時間弱でクリアには程遠いので、アップデートによってますます改良されていくであろう本作を、じっくり楽しみたいと思います。

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム 〜記憶を消してもう一度『ブレワイ』を…。そんな願いが叶いました〜

僕の旅の終着点。152箇所の祠をすべてコンプリートしました!

ビデオゲーム史に燦然と輝く傑作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(ブレワイ)。記憶を消して本作をもう一度プレイしたい!というのは全ゲーマーの願いだと思います(断言)。本作『ティアーズ オブ ザ キングダム』(ティアキン)はそんな願いを叶えてくれました!

言うまでもなく、ティアキンはブレワイに対してあらゆる面で進化しています。探索できるフィールドは約3倍(空と地下が追加)になりましたし、ウルトラハンドなどの今作のスキルは、ブレワイからさらに進化した「掛け算の遊び」を提供してくれます。

それでも、(これは決してネガティブな意味ではないですが、)僕個人は本作をブレワイの再来と感じました。

広大なフィールドを少しずつ探索する面白さや、祠の謎解きをあれこれと考える楽しい時間、自分の思いつきや工夫にゲームがきちんと答えてくれる喜び…。ブレワイで楽しかったあれこれが、同じことの繰り返しでなく新しい経験としてまた楽しめること、それが本当に幸せでした。

本作にはDLCの予定はない、ということなので、次のゼルダ新作は、(おそらくはNintendo Switchの次世代機で)全く新しい遊びを提供してくれるのだと思います。その日を楽しみに待ちたいと思います。

Hi-Fi Rush 〜リズムゲームとNUMBER GIRLの幸せな結婚〜

本作の主人公たちがガラスを突き破って敵のアジトを脱出すると同時に、NUMBER GIRLの「INAZAWA CHAINSAW」のイントロが鳴り響いた瞬間、それは今年のゲームプレイで僕が最もアガった瞬間でした!

本作は、『デビル メイ クライ』をはじめとした3Dアクションの標準的な文法を踏襲しています。しかし、攻撃・ドッジ・パリィなど、すべてのアクションが曲のビートと同期するリズムアクション要素が唯一無二の体験を生み出しています。

前述のNUMBER GIRLの楽曲も、 ただBGMとして流れるのではなく、ゲーム展開に合わせて再構成されており、ゲーム中の盛り上がりと完全に同期しています。

アクション部分が軽視されがちなリズムアクションジャンルにおいて、本作は、効果音の一つ一つに至るまで、その音色とタイミングが磨き抜かれたサウンドデザインによって、リズムとアクションを高いレベルで両立していると思いました。

パラノマサイト FILE23 本所七不思議 〜メタ要素も、キャラ造形も、緻密なロアも、全部…!〜

本作には冒頭からぶっ飛ばされました。なぜなら、ネームエントリーをしてゲームを始めたら、案内人に「え…でも、あなた本当は〇〇さんですよね?」と、いきなり僕を本名で呼んだのですから。ネタが割れてしまえばどうってことはない(Steamのユーザー名を読み取っただけ)ですが、メタ的要素を含むゲームが大好物な僕は、この時点で心を鷲掴みにされたのでした。

その後のゲーム展開も、僕の期待を裏切りませんでした。「呪いの声を聞かないようにするために、オプションからゲーム音量を0にする」といった謎解きのメタ的解法は、その発想の柔軟さに感心しました。本作の物語は、実在の怪談である「本所七不思議」をベースに構築されており、その設定の緻密さに息を飲みました。

本作において緻密に設定されたロアの数々

そして何よりも、個性的なキャラクターたちの存在は、本作のプレイを楽しくしてくれました。善人・悪人を問わず、ステレオタイプなキャラクターはおらず魅力的に描かれていました。個人的には特に、志岐間春恵が自分の好みドンピシャでした。

僕は普段、ADVはそんなにプレイしないのですが、上で挙げたように、本作には僕が好きな要素がたくさん入っていました。また、ボリュームがほどほど(クリアまで11時間ほど)だったのも高評価ポイントで、最後まで楽しんでプレイすることができました。

本作は、プレイ前の僕の期待を大きく超えてきた、嬉しい驚きを与えてくれた傑作だったといえます。

まとめ

振り返ると今年は、ゲームソフトだけでなく、ゲーム関連ハードについても、さまざまな新製品が発売された年でした。PlayStation関連では、PlayStation VR2(PSVR2)やPlayStation Portalなどが発売されましたし、Steam Deck OLED、ROG Ally、Legion Goといった製品は、ポータブルゲーミングPC市場を大いに盛り上げました。

僕自身も、PSVR2とROG Allyを手に入れ、そのおかげで充実したゲームライフを過ごすことができました。特にROG Allyは、寝る前の枕元でPCゲームを遊ぶことができるので、『Starfield』のプレイ時間を稼ぐのに重宝しました。

さて、来年はどんな年になるでしょうか?僕自身は、個人的には、新作のプレイは抑えめにして、積みゲーを崩す年にしたいと思っています。ただ、来年も『ファイナルファンタジー VII Rebirth』をはじめとして、期待の新作が目白押しなので、我慢できずに新作を買いまくってしまうかもしれませんw

いずれにせよ、来年、2024年もとても楽しみです!

付録:2023年にプレイしたゲームのリスト(合計50本、うちクリア22本)

PlayStation:9本(うちクリア6本)
バットマン アーカムVR
SUPERHOT VR
Rez Infinite(クリア)
BIOHAZARD VILLAGE(クリア)
Horizon Call of the Mountain(クリア)
SEASON: A letter to the future(クリア)
ファイナルファンタジー XVI(クリア)
シアトリズム ファイルバーライン(クリア)
Humanity

Xbox(PC Game Passを含む):16本(うちクリア6本)
バイオハザード RE:2(クリア)
バイオハザード RE:3
Metal: Hellsinger(クリア)
Wo Long: Fallen Dynasty
Dordogne(クリア)
Planet of Lana(クリア)
Rise of the Tomb Raider
GhostWire Tokyo
コーヒートーク(クリア)
コーヒートーク エピソード2: ハイビスカス&バタフライ
Forza Motorsport
Cocoon
Hi-Fi RUSH(クリア)
Jusant
龍が如く7 光と闇の行方 インターナショナル
Starfield

Nintendo Switch:14本(うちクリア5本)
Pokemon LEGENDS アルセウス
Love Choice 愛の選択(クリア)
Finding Paradise(クリア)
ケイデンス・オブ・ハイラル: クリプト・オブ・ネクロダンサー feat. ゼルダの伝説
Slay the Spire
テトリス99
Unheard -罪の代弁-
ゼルダの伝説 神々のトライフォース(Nintendo Switch Online)
F-ZERO 99
ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム(クリア)
やわらかあたま塾
スーパーマリオブラザーズ ワンダー(クリア)
スイカゲーム(クリア)
スプラトゥーン3

PC:6本(うちクリア3本)
Muse Dash
パラノマサイト FILE23 本所七不思議(クリア)
ファミレスを享受せよ(クリア)
HOKKAIDO Game(クリア)
崩壊: スターレイル
Outer Wilds - Echoes of the Eye

モバイル:5本(うちクリア2本)
スーパーマリオラン(クリア)
7 Days to End with You(クリア)
Pokemon Sleep
崩壊: スターレイル
Mini Metro(※Amazon Echo タブレットのキッズモードに収録)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?