モンゴルらしさ溢れる1日

今日は朝からたくさん新しい体験をした。


まずは気球にのってきた。
今回はモンゴルに気球に乗りにいくということが最大のミッションとも言えるくらい、この旅において気球が占める役割はとても重要であった。

でも意外と飛ばないことが多いってことを、行ってから気づいたのだった。なんせ雨が降ると飛ばないし、風邪が吹いても飛ばないし、天気のコンディションが悪いとまったく飛んでくれないので、運が悪いと3日間待ってても天気が悪くて飛べないなんてこともあるらしい。

そんなことも知らないで呑気にやってきたが、昨日の夕方は天気が悪くて、全然飛べるような状態でもなく、今朝も5時までは雨が降っていたけれど、ちゃんとこういう時は晴れてくれて、無事に奇跡的に飛べることになった。


朝の5時40分頃に起きて20分で準備をして、6時にスタンバイをして、11分後にはフライトが始まっていたのでドタバタっと気球って飛ぶものなんだなと思って、これはこれでいい経験になった。


起きて向かってみると、早速まずは風邪を送り込んでいて、まずは気球を膨らませていた。おおお、、ぼんわりと膨らんでいる。


近づいてみて、改めてぼんわりが大きい。こ、こいつが飛ぶのか???



点火して暖かい空気を送るためのバーナーは、テレビでも見たことがあったけど、思ったより激しい炎が焚かれ、おおお。。。っと迫力がある。


「シュゴーーーーーーーーーーッッ」



そうして暖かい空気を送り込むと、あっという間に気球がぼんわりと膨らみ上昇しようとする。本当にあっという間で、すぐに乗り込めと指示が来た。



いそいそと乗り込むと、「それじゃいってきまーす」と長野県からきている陽気な日本人の女性パイロットさんが気球を操って、離陸していった。

おおお、結構なスピードで上昇していくんだ・・・とちょっとびびる。



ほどなく自分たちが寝泊まりしていたゲルが小さく見えるようになったが、わずか数分でここまで上がってしまう。こんなに急に上がっていくのか。



このあたりの高さはまだリアルな感じで、「落ちたら死んじゃうなあ」とか思っていたけど、しばらくするともはや高すぎてリアル感もなくなってしまって、逆にビビることがなくなって、景色を楽しみ始める余裕が出てきた。

いまや泊まっていたゲルも小さく小さくなっていて、写真中央から左下にある川沿いのゴミみたいな白いのがそれ。1200メートルくらいの高度かなと。


さらに高さは上がって1500〜1600メートルあたりまでくると、宿泊施設の目の前にあった大きな川が、実は大きな川の流れの一本でしかないことに気づき、こんなに大きな場所に流れていたのかということを初めて理解する。

ちなみに普段は、低ければ700〜800メートルあたり、普通は1000メートルあたりで飛ぶことが多いらしいのだが、そのあたりの高度で飛んでしまうと川に流されるあたりで着地しかねないということで、今回は風が少し穏やかな1700メートルあたりまで上がって、それから一気に高度を下げていくという飛び方をしてもらったらしい。

気球の高さを十分に味わえて、それが一気に降下することのダイナミックさを体験することができてとってもラッキーだった。ありがたやありがたや。



風の早い高度を一気に降下して、あっという間に着地予定地へ。トランシーバーで連絡を取り合い、相棒のトラックに待ってもらう場所を指定し、そこにほぼ近くまで到着させていたので操縦技術も素晴らしかったなあと思う。

到着するとすぐにスタッフがかけつけてくれて、気球をおさえて、安定して着地することができた。天気が良ければ、ではあるけれど、毎日のようにこの作業を、風が落ち着いている「早朝」と「夕方」の二回やっているので、コンビネーションはバッチリである。



これまたあっという間に片付けが終わってゆき、そそくさと宿泊したゲルのあるキャンプ地にトラックで戻ることになる。プロの仕事である。



ガタゴトと揺れながら、トラックの荷台に揺られて草原の道を帰る。景色を見るためにバーナーに火を焚いて空に上がって、いい景色を見たら降りてきて、みんなが手伝ってくれてそれを片付けて帰るという、なにかを生み出すわけではない、ただの贅沢の極み。豊かなことだなと思う。

気球のチームは、バイトの現地スタッフが数名いたけれど、中心メンバーは日本人3名が担っている。ひとりは現地で遊牧民の奥様になった方、ひとりは長野で競技としての気球を続ける夫婦の奥様のほう、もうひとりが東京の東村山市にお住まいで、基本的には一年中どこかで気球を上げて、生計を立てて暮らしている男性の方。

とりあえず三人ともが「好きなことをやってそれで暮らしている」という、そういう人たちとのご縁で、空に上がれたんだなあということがとても幸せなことだなと思った。どこかでまたお会いできたらいいなと思う。

ちなみに男性の方はガチのサウナーなので、サウナでもご一緒しようかと。



さて、気球に乗るミッションもクリアして、ここから移動するのはチンギスハーンの時代に首都として栄えたと言われるカラコルム(ただし現地ではハルホルンと発音する)。モンゴルでも仏教徒ならば一生に一度は行くべしと言われる仏教の聖地「エルデネゾー寺院」を訪問するためだ。


そろそろ草原にも慣れてきた。遊牧民が大切に育てている馬や牛、そしてヒツジやヤギがたくさんいるのも慣れてきていたが、今日は2000匹くらいのヒツジとヤギの群れがいて壮大な感じであった。こんだけいると壮観であるが彼らはおかまいなしでモシャモシャと穏やかにただただ草を食んでいる。


ただ今を生きている。
お乳も出すし、売られればお肉にもなるし、とにかく生きている。

迷える子羊たちは救われるべき存在かもしれないが、迷いなきヒツジやヤギたちというのはもはや悟っているんじゃないのかと思うほどである。



さらに今回もう大好きになったのがラクダである。
道中に小さめの砂漠があって、「小さなゴビ」と呼ばれる砂丘である。ゴビ砂漠に比べると小さいというが、200kmも続く砂漠である。小さくない。

さて、そこでラクダの試乗をさせてもらえることに。わずか5000トゥグルク(約200円)なのでこれはいっちょ乗ってみようってことでお願いするも。


出番待ちの彼らの穏やかなというか、ダルそうなというか、なんとも言えない脱力感のある表情でとってもいい感じなのである。



家畜としてのラクダは鼻に棒をぶっ刺してあり、コレでいうことを聞かせるというわけである。鼻にこんなの刺さってたら痛いよね、ごめんよ。

といっても何を考えているのかわからないが、この表情である。発情期などは獰猛な性格を見せるらしく、近づいた人間が惨殺されるような事件もあるらしいのだが、基本はこんな力の抜けた顔なのである。最高。



出番が回ってこないのがわかると、「もう寝てていいっすか?」ってな感じでゴロゴロしている。体の構造上、ただそういう風になっているのだろうけど、なんとなくウケる寝相である。



そんな感じで観光も楽しみつつ、長い道中を終えてカラコルム博物館へ。

石器時代の歴史から、古いモンゴル地域の歴史とチンギスハンからフビライハンあたりまでを中心に、発掘されてきた埋蔵品を説明しているもの。



となりの体験ブースで、でモンゴル人の衣装を着れる体験コーナーがあったので試してみると「思った通り似合う」ことになった。


そこにはただの、冬のモンゴル人がいた。



ヒツジのくるぶしの骨をたくさん集めて、遊牧民はいろんな遊びを開発していたらしく、ガイドさんと一緒に全力で遊ぶ。シンプルながらコツが必要でなかなか面白い遊び。子供でも大人でも普通にめっちゃ楽しめる。



あと同僚の牧岡さんが言ってた「木製のパズル」がみつかった。たしかに!これは見たことがある。知恵の輪みたいなパズルだ。これは子供達に大量に買って帰ってやろうかなと思っている。



なんてことないゲルひとつぶんの体験コーナーだったが、めっちゃ楽しめる場所だった。



朝青龍の父親がここカラコルムあたりの出身ということらしく、朝青龍はここにかなり豪華なゲストハウスを建て始めている。「アサキャンプ」というこの場所には、ゲルに似た建物が立っているが、ゲルではなく、それぞれがおしゃれで豪華なゲストルームである。



参考にお値段を確かめてみると、350000トゥグルク(約14000円)でだいたい各地のゲストハウスの3−4倍くらいの価格設定である。



今夜のお宿はこちら。
ざくっと100000トゥグルク(約4000円)。



いやもう、こんなん十分ですよ。
昨日のキャンプ地のゲルよりずっと綺麗だし、満足度たかめ。



地元のスーパーでちょっくら仕入れ。お昼食べ過ぎたので今夜はもうツマミ程度で十分だねってことで、ヨーグルトとおやつだけ買って終了。



気になっていた袋詰めのヨーグルト。。。
飲んでみたらちょっとケモノ臭がすこし香るような、酸味強めのもの。




というわけで、本日も夜が更けていく。
明日は個人的にとても楽しみな「エルデネゾー寺院」への参拝である。


新たに知るパイセンの活躍を確かめ、敬意を表してこようと思う。

急に読者の方からサポートもらえてマジで感動しました。競馬で買った時とか、人にやさしくしたいときやされたいとき、自暴自棄な時とか、ときどきサポートください。古民家の企画費用にするか、ぼくがノートで応援する人に支援するようにします。