町内会後編7

NPOは町内会の下部組織になればいいんだよ

令和に入ってから”昔ながら”で済まされていた問題が一気に表面化してきましたね。その多くはテレビに関係する巨大企業が中心でしたが、今後私たちの暮らしにもその波はやってくるでしょう。

少し真面目な導入になりましたが、最初の文章はタイムラインに流れる非常に重要な文章なのでお堅く書かせていただきました。

前回の記事で、江戸時代から戦後までの町内会史について書かせていただいたので、今回は高度経済成長期から現代までの町内会史と町内会が新時代の中でどのような役割を担っていくべきかを書いていきます。

多分ここまで町内会について書いてる記事はそんなにないと思うよ〜
↓前回の記事【予習必須!】

戦後日本の町内会事情

前回の記事で、町内会は戦後GHQによって解散令を出されたが住民の意思によって活動が続けられた。と書きましたが、現在の町内会事情はどうなっていると思いますか?

おそらく多くの人にとっては「加入率が低下している!」「町内会費の横領が問題になっている!」といったマイナスなイメージが大きいいでしょう。

実際のところ、世帯数の増加と反比例して町内会の加入率は減少の一途を辿り続けており、このままでは日本全体で町内会がなくなってしまいかねない状況まで来ています。

や、やばい!
なんでこんな現状を招いてしまったのか。その原因は高度経済成長にあります。

高度経済成長とは、1954年から1973 年までの日本の経済成長のことを指していて、その発展は東アジアの奇跡とまで言われるものでした。

ただ、その発展にはさまざまな痛みを生む結果となったんですよ、、
何かわかりますか?

一般的には「イタイイタイ病」や「水俣病」と言われる4大公害が有名ですが、町内会の歴史でいうと市部人口が郡部人口を逆転したことが最も大きいでしょう。

この都市部進出で”昔ながら”の産業や町村は若者を都市部に流失することとなります。
そのおかげで都市部人口や核家族、世帯数は増加の一途を辿りますが、地方の地場産業やリーダー的役割を担っていく若者を失ってしまいました。

と、ここまでは学校でも学べるところで『いちごじラジオ尖ってねーな!』と言われかねないのでニッチな情報をひとつ。

この若者の都市部流出。なんで起きたと思います?
普通に考えて都市部の仕事の方が魅力的だからだと思いますよね。
ただ、いくら魅力的でもここまで多くの若者が生まれ育った土地を離れると思いますか?

当時、敗戦から復興を目指す日本は経済の立て直しを図りました。
一般的にこの復興には朝鮮戦争や石油エネルギーへの変換が大きいとされていますが、それ以外にも国内でも大きな動きがありました。

一言でいえば、人付き合いの煩わしさを大々的にPRしたんですよ。国が。

嫁姑問題やお隣さん同士の監視社会。
損益両面あったこの現象のデメリット部分のみを国民に周知した結果、若者は地縁のない都市部へ逃げていったり、核家族の増加やマンション世帯への誘致に成功しました。

このように世帯の切り離しを行うと、あるものが売れるようになります。


これまで3世帯で居住していると、車や冷蔵庫といった高額家電製品は一家に一台で事足りますよね?

でも都市部に引っ越したり親子で別居したら、その世帯ごとに高額な商品を一から揃える必要が出てきます。


このようにして一人当たりの支出額を増加させることで国内の経済が大きく動かされ経済の発展が進んだのではないか?
そういった都市伝説があることをお話ししておきます。(信じるか信じないかは、、読者さん次第!)

是非はともかく国内の経済が復興した日本。そうなるとこれまで手が届かなくなったサービスまで行政が担うようになり、”住民は税金さえ支払えばあとは国がどうにかしてくれる”といった思考に日本人全体が考えるようになっていきました。

その後、高級マンションや団地が増えるとその中だけの閉鎖的なコミュニティ(ゲーティッドコミュニティ)が立ち並んだり、インターネットの発達による対面を通じた地域間での交流はより希薄化していくこととなっていきます。

その後、東日本大地震や熊本地震により町内会は必要だと思うけど、自分は入りたくない。そもそも何をやっているのかわからない。といった状態が現代の日本全体を覆っています。

それはマズイ!
ということで、町内会の役割やその意義について学んでいきましょう!


町内会がまちづくりを担う意義


町内会の役割というと、夏祭りや回覧板の配布などが挙げられますが、他にはどんな役割があると思います?
クローズアップ現代さんをゴリゴリに引用すると

以上の約30ものの役割があるそうです。

地域のイベントや資料配布、高齢者の方の家庭訪問など多岐に渡ります。

ここまで種類があると「そんなの行政がやれよ!」との声が聞こえてきますが、もし仮に、これらすべてを行政が担うことになったらどうなると思いますか?

まず第一にサービスの質の均一化が出てくるでしょう。
これまで町内会単位で行われていたサービスが市町村単位で行われるとなったら、業務量を軽減するためにすべてのサービスを一本化するでしょう。そうなれば同じまちの中でも高齢者が多いところや子育て世代が多いところも関係なく扱われるため、本当に必要な人に援助が行き渡らなくらる可能性が出てきます。

次に税金負担が住民にのしかかってくるでしょう。
これまで自分たちが行なっていた活動を行政がやることになったらどうなるか。
仕事が増えた分、職員さんの負担が増えることになり、これまで満足に受けれていたサービスすらなくなってしまうこととなります。
そうならないため、職員を増やすしか方法がなくなり、結果的に住民が支払う税金が高くなって生活を苦しめることとなるでしょう。

こうならないように町内会は地域ごとの問題をみんなで解決するよう行政から委託金をもらいながら活動していました。

よく行政からの委託金に文句を言う人がいますが、それをなくしてしまうと町内会費以上の税金を支払うか、今より受けるサービスの質をさげるしかありません。

こうしてお互いの協力のもと町内会は運営されていましたが、近年、加入率が低下していることから大きな問題点が噴出しています。


町内会が抱える問題点


町内会の加入率は減少の一途を歩んでおり、間も無く半数を割ると言われています。
このまま減少化が進むとどんな問題が起きてくると思いますか?
基本的には

① フリーライダーの増加
② 町内会費の減少
③ 関係者層の固定化

この3点です。
①のフリーライダーの増加とはどういうことか。
町内会には所属もしないしお金も出さないタダ乗り野郎が増えてくることです。
昔は村八分といったフリーライダーを出さない仕組みがありましたが、現在そのようなことをやったらSNSでフルボッコです。

さらに、お金を出さない人のためにゴミの収集をやめたりしたら、それこそ町にゴミがあふれたりして、対応しない方がデメリットにつながってしまいます。

②の町内会費の減少は、参加世帯が減少することによって年間の活動費も減ることになります。そうなると、町内会で行える活動も規模や回数が減ってきたり、そうしないために町内会費を増加させて余計に負担になることとなります。

最後に③の関係者層の固定化ですが、年若者が新たに町内会に参加しないと、当然高齢者の方々に参加者が固定されていきます。

そうなると、地域の諸問題に対応するはずが、高齢者よりの問題しか扱わないこととなっていき、町内での高齢者vs若者の構図が出来上がってしまいます。

構図が出来上がるだけならいいですが、実務面において広報紙の配布や行事の手伝いを一部の人が負担することになり、積極的に参加するほどバカを見る状況が出来上がってしまいました。

このように、現代を取り巻く町内会の実情は決して明るいとは言えません。
みんな心の中では必要と感じていても町内会が消えて無くなってしまう未来はそう遠くないと思います。

町内会が残り続けるためにはどうすれば良いのか、

一緒に考えてみませんか?


新時代の町内会のあり方


町内会をめぐる議論で必ず出てくるのが、日常的なコミュニケーションの煩わしさ災害時の自主防災活動の役割の2点です。

この2点を取り分けて考える人も多いですが、これらは損益一体なものなので分割して考えるのはナンセンスだと僕は思います。

よく全世帯加入をやめろ!といった論調も見ますが、それこそ町内会を規定する要因を無視しており、とてもとてもローセンスだと思います。

次に出てくるのが、町内会の仕事量を減らそう!といった意見も多くあります。
個人的には賛成でもあり反対なのが、町内会の問題を根本的に直すには至っていないのが非常に残念です。

町内会の仕事は参加人数に対して重いものであり、時代や地域に合わせて適正化していくのが望ましいですが、地域という非常に高度に絡み合ったコミュニティの中で何を必要とし切り捨てるかを適正に判断できるほど人間は賢くないと思います。

町内会紙なんて誰もみてないから廃止!としてみたけど、実はその町内会紙の配布こそ地域のコミュニケーションを循環させていたり
お祭りなんて大変だから廃止!としてしまえば地域ごとの氏神様を次世代に継承することが不可能になったりと。

ようは切り捨てることを第一とした改革はより地域を衰退に導くだけだと僕は考えています。

ではどうすれば良いか。

僕は今ここでこそ町内会に権力を与えるべきだと思っています。

具体的にいうと、

そもそも町内会は一つのコミュニティでなく、さまざまな主体の集合体をまとめるコーディネーター的な役割を担っていました。(婦人会や青年部など)

それがいつしか、町内会の規模自体が縮小し、親である町内会本部しかまともに活動していない地域が多くあります。
だからと言って地域のことをみんなが嫌いになってしまったのでなく、特定の課題や人だけで取り組んでいたり、個人の時間が許す限りの活動を行なっている住民は数多く存在しています。

しかし、そういったNPOや個人の活動は問題意識や参加者のターゲットが限られていることから地域や行政に対する発言権が小さいデメリットがあります。

そこで、NPOや活動家の方々を町内会の下部組織として受け入れることで、活動費の振り分けや行政に対する発言の機会を増やせるのではないかと考えます。

僕が町内会の全員加入の原則を保ち続けるメリットはここにあると思います。
特定の意見でなく、町内会を通じた意見であればより行政や議会に対して効力を発揮するからです。

町内会をコミュニティとし、NPOなどの個別活動をアソシエーションとするにはいまだに問題も多く、実際、NPOのうち9割は町内会と共同したいといいつつ、町内会のうちNPOと協力体制をとりたいと答えたのは44%と半数しかいません。

しかし、地域をよくする目的を持っている各機関がバラバラに活動している現状で地域は本当に良くなるでしょうか?

ましてや急に個人単位で「町内会に加入するわ!」といった現象が発生するとは思えません。

それならば、まずはすでに地域のために活動している人同士を連携させ、じょじょに地域の輪を広げていくことが現実的であると僕は考えています。

その役割を地域の真ん中にいながら俯瞰できる町の役場が長期的視点で担っていくことこそ地域が生き流れえる数少ない手法だと提言します。


-----------------------------------------------------------

あとがき(面白いよ)

夏真っ盛りですね。
7月には「全国的冷夏!」と囃し立てられていましたが、もはやこの有様です。

そんな今夏ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。

今日は近くでお祭りがあるらしく、お姉ちゃんが浴衣を着てお家を出ていきました。
僕もお祭りが大好きで浴衣を着た女の子と約束を取り付けられるほどナイスなボーイの一面も持っています。

僕は男の子だから私服で祭りに行ったり、気合を入れて浴衣を着ることもあるんですけど、女の子って大変だよね。

着物ってバカみたいに高いじゃん!?
レンタルでもいいんだけど、ウエディングドレスと違って何回か着る機会もあるから買ったほうが安いし、、かといって着るたびに毎年クリーニングに出さなきゃいけないし、、

ましてやお祭りLOVE的なことになったらさ!翌朝また浴衣を着直さないといけないわけじゃん!?
それは言い過ぎか!?

と。。女の子を気遣う優しい男の一面を見せましたが、今年は女の子とお祭りにいく予定が無い、いちごじラジオがお届けしました。

恋って儚い。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?