夕食後、後片付けをしていたら、
流した水が流れない！

あわてて、排水口のゴミ取りをよけたが、
水は流れない。

排水溝が詰まった時の秘密兵器も使った。
空気を送ってみたが、やっぱり水は流れない。

5分ほど頑張ってみただろうか？
それでも、虚しいほどに変化はなかった。

いつもは、使った水は下水に流れていく。
でも、現実には汚い水がシンクにたまる。

目の前の現実は、何をしても変わらない。

水が流れていかないと、
食事の後片付けもできない。

排水溝が詰まったことで、
当たり前のことが当たり前にできる
ありがたさに気づくことが出来た。

そう感じつつ、排水溝の詰まりを直さねば！
という現実を解決しなくてはと考えた。

そして、排水溝の詰まりを直すには外注だ。
そう思って、手配をした。

手配が終わったら、
今度は、料金のことが気になり始めた。

食事の後片付け出来ないもどかしさやら、
お金の不安やらの中、待っていたら

突然、台所から　”ゴゴゴゴ〜”　って
音がして水が引いていった。

まさに、何ということでしょうって心境。

水が引いた後、シンクを見つめた。
そして、水を流したら、
シンクにたまることなく流れていった。

それは、当然だが、不思議な気持ちで見た。
何度も水が流れるのを確認して、
手配していた修理をキャンセルしたのだった。

何が詰まっていたかは分からない。
とにかく、その後は、水はスッと流れている。
シンクにたまることもない。

そして、次女と二人、”なんだったんだ”
って、顔を見合わせたのだった。