ワイン、宗教、言語レベル、つぶやき(?)

二連続での投稿です。今回もまた面白そうなテーマですね。世界で生産面積1位そして生産量は3位(資料によっては2位と書かれていることもある)のワイン、スペイン王国というカトリックが大多数を占める宗教国、ヨーロッパの国の1つであり、また各自治州への帰属意識が高い彼らの言語レベル、そしてつぶやき。


ワインのレビューをして欲しいと言われたのですが、そもそもあんまりワインのテイスティングが上手くなくて、色や匂いや味について「これ〇〇の匂いがする、〇〇の味がする」というのがテイスティングなのですが私は全くそれができません。「これ〇〇の味しますよね」と言われて初めて「あ確かに」となるのであまりレビューらしいレビューはかけないのですが、それでも匂いや味や舌触りで若いワインなのか熟成されたワインなのかはだいたいわかるので、日本でスペインワイン飲みたいという人はぜひ声をかけてください。

ワインというとみなさんはどんなイメージを浮かばせるでしょうか。美味しい、苦い、大人っぽい、白なら、、赤なら、、シャンパン、フランス、ドンペリ、、などとかになるんでしょうか。フランスはワインとても有名ですよね。ブルゴーニュ地方やボルドー地方でワイン生産が盛んで、あとはシャンパーニュ地方も有名ですね。ちなみにシャンパンはご存知の方は多いと思いますが「シャンパン」というお酒の種類があるのではなく、シャンパーニュ地方でできるスパークリングワインのことを「シャンパン」と言います。ワインは赤も白もロゼもスパークリングも全てブドウからつくられます。ブドウと言っても、普段私たちが食べているのは食用のブドウで、他にワイン用のブドウもあります。そのワイン用のブドウにはたくさん種類があって、それぞれに適した自然環境でないとちゃんと育ってくれません。例えば赤ワインに使われるカベルネ・ソーヴィニヨンは乾燥地に適しておりまた長く強い日差しを必要とするのに対し、フランスのブルゴーニュ地方の種類のピノ・ノワールは比較的寒冷な地域でないと育たないというように、それぞれのブドウがそれぞれ適した環境条件を持っていて、またそれによってワインの味やアルコール濃度が変わってくるというのも面白い点ですね。

スペインワインの注目すべき点は、他の国のワインと比べて、安いワインの品質が良いということです。本来は価格が下がれば品質も下がるのですが、スペインの場合は違います。価格が安くても品質が落ちない、つまりコストパフォーマンスが高いということです。これはスペインの厳格なワイン法のおかげで、高品質なワイン生産が保たれているとも言えます。スペインのワイン法は生産地によるランクづけ(ここのワインはこのランク、そっち地域のワインはこのランク)と、何年間熟成させたかによるランクづけの大まかに分けて2つの審査基準があります。双方の基準とも、ワインの品質向上を目指すことによって上のランクに入ることができるので、各生産者はそれを目指して日々ワイン生産工場に向けて営業しています。上のランクに入ることによってそれだけ名声や評判がつくわけなので、生産者はこぞっって競い合っています。

スペインワインの歴史は古いです。ローマ帝国が興る以前からフェニキア人やギリシャ人がイベリア半島の主にカタルーニャ地方やフランスのマルセイユに基地を設けワインを生産していました。第二次ポエニ戦争でスペイン軍を率いたハンニバルがローマに敗れイベリア半島がローマの手に渡った時からイベリア半島でのワイン生産は本格的になります。それ以来スペインではワイン作りが行われてきたものの、有名になったのはここ最近です。それはスペイン内戦の影響が大きいとされています。スペイン内戦、つまりフランコ独裁政権時代が終わり、新立憲王国建設の道中で1977年からスペインはEC加盟を申請したのですが、当時のフランス大統領ミッテランらによる時期尚早論が多数でした。そのためスペインのEC加盟は難航し、7年間の共通農業政策、関税同盟適用の過渡期間、個別農産物に対する10年間の過渡期間が設定され、スペインのEC加盟は非常に斬時的なものでした。またNATO加盟の際にも、一悶着ありました。1982年に結果的には加盟したのですが、当時のスペイン・ゴンザレス政権は1979年に加盟を申請ていたのですが、NATO加盟国によるスペインの加盟の承認の難航と、またスペイン国内でのNATO加盟反対運動のダブルパンチにより非常に難航したものの、ゴンザレス政権はうまく民意をまとめ1982年に正式に加盟することができ、結果的にこれがヨーロッパに「スペインは国民をまとめるだけの力がある」ということをしますことになったのです。それ以来、農産物やスペインの品物がヨーロッパに出回るようになり、そこで初めてスペインワインの良さに気づき、その良さがさらに世界に広まっていったということです。

また、歴史も大きく関係しています。スペインはよく「栄光と衰退の国」と表されます。一時は世界中に植民地をもち、日の沈まない国とも呼ばれました。そんな強い国がなぜやっとここ数年で農産物特にワインの発達が見られたのか、それはいとことでまとめると戦争に明け暮れていたことと富が適切に使われなかったということです。スペインは多くの植民地を持っていたために世界中から多くの富が本国に入ってきてはいました。ただその富は一部のブルジョワジーの贅沢のために使われたり、あるいは戦争の費用になったりして、国の発達のために適切に使われなかったのです。またスペインは各自治州への帰属意識が高いので、「スペイン」という国を発達させるために投資をするということへの国民によるコンセンサスが欠けていたという見方もでできます。簡単にいうと「別に国の発達はいいから俺らの自治州に金回してまず俺らのとこを発展させろ、国はそれからだ」というような調子です。

というように、多くの歴史や事情を抱えている分、スペインのワインは深いです。太陽のワインとスペイン人が例えるワイン、一度試してみてはいかがでしょうか。


続いては宗教です。イタリアはよく宗教色が強い国とされますがスペインも同様です。国民のほとんどがカトリック教徒です。街には教会やカテドラルがあり、ミサに参加したり祈りを捧げる人が多いです。またキリストに関する行事も多いです。例えばイースターの時期はスペイン語ではセマナサンタ semana santa 聖週間といって今年は4月の3日から13日まで10日間の休日が設けられています。またよくは知らないのですが、月に一回程度特定の聖職者をお祝いするための祝日も設けられており、やっぱりカトリックの国なんだと感じさせられることは多いです。またそれは言語にも表れています。驚嘆した時はdios mío (なんてこった!直訳するとああ神様!)や¡Hostia!もしくは¡Ostia!(まじか!直訳すると生け贄の供養物)といったようにスラングとして使われる言葉に宗教が関係していることもあります。また私のクラスメートで常に十字架のネックレスをつけている子がいたり、「〇〇(本名)は神を愛しているかい?」とダイレクトに聞かれたこともありました。その時は「僕は日本人だからあんまり宗教について知識はないんだ」と言ったのですがそれでも「わかったよ、でも神は君のことをいつも愛しているよ」と言われたのでそれはいい意味でびっくりしました。なので総じて宗教色は強い国なのかなと思います。


続いては言語レベル。

この言語一つとっても、彼らの自治州への帰属意識の高さがうかがえます。私たちスペインから見た外国人はスペインで話されているであろう言葉を「スペイン語」と言いますが彼らにとっては私たちの「スペイン語」は「スペイン語」ではありません。あくまで「カスティーリャ語」なのです。なぜかというと、カスティーリャ語をスペイン語と言ってしまうと、「じゃあ俺らの自治州の言葉はなんなんだ」等風に捉えられてしまうからです。スペインにはカスティーリャ語の他にガリシア語、カタルーニャ語、バスク語、などと言った言葉が存在しており、各自治州で公用語として認められています。なので日本人である私が例えば「昨日スペイン語勉強しててさ〜」という話を彼らにすると、「ああ、カスティーリャ語ね、どうだった?」というようにスペイン語ではなくカスティーリャ語として聞かれる場面は一定数あるなと感じます。また外国語に関しては、若い人特に大学生は英語話せる人は多いかなと思います。またそれ以外の一般人も英語を話せる人はたくさんいて、スペイン語がわからない旅行客にも英語で対応できるくらいのレベルは持ってるのかなと思います。やっぱりヨーロッパは違う言語を持つ国同士が国境を接していることが多いので、ヨーロッパの言語いくつか話せる人は本当に多いと感じます。スペイン語英語フランス語ドイツ語話せて最近やっとポルトガル語始めたんだよねという友達もいました。どこにそんな勉強する時間あるんだ、、、と思ったりもするのですがこっちの人は本当に勉強熱心です。ただそれもある意味当然ちゃ当然かなとも思えます。よく日本人の大学生は勉強しないと言われることはありますが、それは大学の学業の他にバイトや他の活動がありますしまたたくさんできることの選択肢があります。日本にいた時学生はバイトをすべきじゃないというエッセーを書いてた人がいましたがそれは各家庭の経済事情を考慮すべきであって少しでも家計を助けるために、自分のことは自分で賄うためにバイトしなきゃいけないっていう人もいますからね。特にバイトに関しては社会に出て一般のお客さんを相手にして働くという経験ができます。その一方でスペインでは大学生が学業しながら働くということはありません。0かはわかりませんが、少なくとも私の周りではいません。勉強して、ジム行って、ディスコに行くくらいしかできることがないので、その分勉強に時間が避けるようになるのは当然といえば当然なのかなとも思ったりもしました。なのでなのでだいたい大学生は英語は少なくともB2レベル、一般の人でもB1もしくはA2は持ってる人が多いんじゃないかなという印象でした。


つぶやき

今この時点で4200字なんですけど意外と書くの辛いですね。しかも今日この記事だけじゃなくてもう一個書いたんで結構肩にきますね。ちょっと今日ねれなくて朝5時に目が覚めちゃったのでそれ以来タラタラと書いてたらもう9時ですね早い、、、ちょっと嫌なのは日の出が遅いってことですねほんとに今この時期でも8時半にならないと明るくならないんですよだから本当に冬場とか学校ついてもまだ暗いとかでそれだけでなんか気分落ちますよね。ベッドに座りながら書いてるのでめっちゃケツ痛い。まあスペイン語に関しては、、、上達したんじゃないかな2年しかやってない割には。それも四六時中スペイン語で考えなきゃいけないっていう環境のおかげかなとも思いますね。多分日本帰ったら確実に鈍くなるんでそれをどうレベルをキープするかが問題ですね、、、でも褒められるとちょっと鼻高くなりますよね。よくない。英語は、、、まあちょっと上達したかなって感じですね一応前期は全部英語講義だったのでそこでちょっとは鍛えられたのかな、、って感じです。全然発音キレイじゃないって思ってたのに昨日スペイン人の友達に「おめーあんまり英語のくせないよな」って言われて3秒くらい固まりましたねびっくりしすぎて。ちなquiteとquiet同じだと思ってたわ。留学、、、そうですねまあいろんな意見がありますけど行ってよかったんじゃないかなと思います。あざす。

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