君は「ISLAND DAYS」を知っているか?

※この記事はツイのオタクV2Advent Calendarの記事です。

どうも、V2に枠が空いてたからって勢いで参戦したつき3です。アサルトバスターすき
予め埋まっていた前後の方々が結構真面目な話をしていく中、僕は高2にドハマリしたソフト「Island Days」の話をしたいのでします。(途中口調が安定せずお見苦しいかもしれません…)

まあ今からこのゲームを紹介していきたいのですが、「School Days」からはじまるデイズシリーズの作品の一つであるということと、とにかく地雷臭がプンプンするというところだけ抑えてもらえればいいです。
発売ハードは3DS。ゲームジャンルは「タワーディフェンス」。念の為言っておきますが(一周目は)AVGではないです。一応選択肢でストーリーが変化していき、それによってメインヒロインや手に入るCGが変わってきたりするのですが、基本は「コトノハサマと愉快な仲間たちが包丁やパチンコ、果ては日本刀で熊やネズミをぶっ刺していき、その日の食料を守り抜くゲーム」なのです。(嘘は言ってません)。CGは低予算故か「School Days」で話題になったフルアニメーションなどとは縁遠く、「OPムービーすら本編の静止画CGの使い回し」というある意味由緒正しきエロゲの姿を何故か3DSに来て見せてきます。そのくせ塗りはアニメ調。ごとうじゅんじ本人による作画の質は悪くはないのだけど…

ストーリーは「誠たちが高校1年の終わりに誠の父親に連れられて南の島に行こうとしたけど運転途中で誠父が失踪してたので船は無人島に座礁。どうにかして脱出しないと!」…というのが大まかな流れです。特筆すべきは「School Days」本編自体は「高校1年生」時の出来事と設定されているので時系列的にはどの作品よりも最新ということと、にもかかわらず誠は誰ひとりともフラグどころかまともに会話すらしてない状況からのスタート、ということです。さり気にデイズシリーズで「School Days」以降の時系列を描くのはこれが初なのです。あの雰囲気に流されるヤリ○ンがどう過ごせば童貞のまま一年を終えられるのかそれでゲーム一本作って欲しいぐらい興味が尽きませんが、そういう世界観です。

なぜこんなゲームが出来上がってしまったかというと、今はなき弱小メーカー「KLON」が、『3DS用のタワーディフェンスシステム作ったけど売れるわけないよなぁ』と悩んだ挙げ句、スタッフがファンであった「School Days」シリーズとのタイアップを勝手に考案。ダメ元で「スクイズ」開発ブランドの「オーバーフロー」に電話したところ何故かOKが出て何故かシナリオをノリノリで書き出して何故か原作の声優に台詞収録させて何故か世に出た。結果はご存知の通り多くの皆さまがこのゲームを「ご存じない」という爆死以前の結果に。2chのスレも炎上するまでの人すらいないほどの過疎、ゲームカタログ(笑)も「パッチ適応しろよ」の注意書きだけで記事すら建てられない始末。攻略サイトどころかまずこのゲームを攻略しきった人世の中に両手で数え切れるぐらいしかいないんじゃないかという情報のなさ。

伝える相手のいないいろいろヲタ要素
主題歌の歌い出しが「この世界中に誰もいない」なのですが、文に表すと分かる通り「この世界 中に誰もいない」ということで明らかにアニメ版ラストを意識した歌詞。他にも心ちゃんのアビリティがOVA版に登場していた『マジカルハート☆こころちゃん』仕様だったり(ただし原作ゲーム版の声優が引退したためかないみかが代役。質はともかく似てない。)と、所々にちらっと、でも確実にアニメ版を意識している部分がエモい。だが誰もやらないので気づかれない…
あとタイトルについても、実は「愛乱日々」という漢字の当て字を意識してシナリオを書いたのじゃないかという説があります。まあゲーム中は約一人蚊帳の外の状態でそんな感じです。

恋愛ゲーと言うより中間管理職ゲー

このゲームでは誠にボイスはないです(それ以前の全作品においてボイス付きであったにもかかわらず)。そもそもこのゲームの誠はゲーム名を「中間管理録マコト」に変えてもいいのではないかというくらいに中間管理職感が凄まじい。具体的には
女どもは誠が発案・同行しなければ(例え食料が底をつきていても)木の実一つすら取りに行こうとしない」体たらくであり、しかも「自分が気に入らない女と誠がいちゃついてるだけで不満度(というパラメータ)を上げていく」ので、定期的に全員に忖度して同行してやらなきゃならないという非常に鬱陶しい仕様だからです。(実際には不満度はほっといても良いのですが、そうするとメンバーが一人ずつ明らかに不審な形で減っていく。ご丁寧にエンディングのCGには人が減った用の差分まで用意されている)二週目以降は「勝利した」戦闘は消耗無しで勝利扱いにできる(このゲームのジャンルをかなぐり捨てた)素敵な仕様があるのですが、いかんせん一回は「勝利」しないとならないので、そう考えると一周目での戦力消耗は中間管理職的には痛手です(ゲーム内の台詞から、どうやら戦闘配置を決めているのも誠らしい。おいおい)。よって一周目の誠は女たちが自分をモノにしようと野生化している間にも、一人だけ残っている理性で、大好きな恋愛と情事そっちのけでどうにかして全員の気を紛らわせつつ食料確保と島の脱出を考えるというとてもじゃないけど「死ね」なんて言えない状況になっている訳です。というか女の不満度と愛情を数値に可視化して判断できるというとんでもない才能をこの作品の誠は身につけているわけだけれども、よりにもよってそれを自分の身の安全のために使わなきゃいけないって相当難儀だなぁ…

他にも「シナリオ上は熊一匹に怯えつつタワーディフェンスパートでは何匹もの熊をも平然となぎ倒すヒロインたち」「CERO:Cだけど初回版には裸の原画がついてくる」「一時期アマゾンだと通常版より初回版のほうが安かった」「BADENDはウミガメのスープ」などネタ要素は満載ですが、ここではあまり多くは語らず実際に遊んでいただいて身をもって体感していただければと思います。

桜のTSUTAYAに680円で中古が投げ売りされているので、誰か買って。
だが、僕は上に述べたところにドハマリしたわけではない。断じて。

清浦刹那が可愛い
今作ではデイズシリーズのヒロインが多く登場し、その全員が攻略対象となります。清浦刹那は原作ゲーム版でも攻略可能だったサブキャラの一人でしたが、今作では(人数減少イベント以外は)各キャラクターに概ね同量の出番が用意されているため、扱いとしては相対的に向上しています。というかとにかく清楚。どっかのメインヒロイン二人とも違い他人のイチャつきにひりつくこともなくそこも評価が高い。他のヒロインがへそ出しやらホットパンツやらほとんど痴女みたいな格好をしている中、唯一ワンピースで登場します。しかも水色。他にもこのゲーム最初の選択肢である「船上でどのヒロインに話しかけに行くか」を放置し続けると寝てしまった誠の額にキスしたりするなど、公式でも絶対推してるでしょという描写もちらほら。
その結果高2の夏、精神的に参っていた僕は現実の人間関係などそっちのけで「アイランデイズ」をやりまくって刹那たんと戯れていました。まる。(ただしこの作品のヒロインはゲーム版ともアニメ版とも違うキャラ付けがされていたので、そこで解釈違いを起こしてしまった僕にとっての「清浦刹那」はこの作品以上の展開は望めず、そうすると南の島の十数日間の描写だけで生きるのは厳しくなってきてなんとか現実世界に帰ってきました)

余談:年末年始
アニメ版、今年もクリスマスにアベマで一斉放送するらしいですね。
アニメ版しか見ていない言葉派オタクがニコ生の一挙放送に合わせて「世界の友人で言葉を見殺しにした刹那は世界と同類のクズ」というのをご丁寧に論文形式でまとめてきたので流石に僕も怒ったが、「アニメ版しか興味ない」という答えを吐き捨てられただけだった。あまつさえキャラを分析対象にしているのだから、「クズ」とか結論付けるのなら他作品とそのオタクにも注意を向けろよ、と少し思った。
実在する人物は生きている世界は一つだが、キャラというのは違う。人間は観察範囲を広げれば広げるほど分かってくるものだが、キャラはそうではない。逆にどんどんわからなくなっていく。だからこそオタクは寛容でなければならない。解釈違いは観測違いの可能性もあるということだ。ウィキペディアなどでメジャーな作品の情報は簡単に集まるようになった今だからこそ、それに乗らないような脇道を好むオタクも確かに存在しているということもわかってほしい。

とりあえず今回僕が言いたかったことは①「売れてないけど面白いゲームがあるよ」②「そんなゲームに不幸にもドハマリしたオタクがいたよ」③「シリーズ物のキャラを語るときは雑にキャラ批判はやめようね」で集約できると思います。ここに書いたことの大半は忘れてもいいですが③だけ覚えて「Island Days」をポチって帰ってくれれば僕は満足です。
他にも「学校をつくろう!!アドバンス」や「ラサール石井のチャイルズクエスト」なんかの魅力もお伝えしたいところですが、それはいずれまた機会があれば。。
ここまで駄文に付き合ってくださり、ありがとうございました。

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