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多目的トイレに私がこだわる理由

はじめてのIT勉強会アドベントカレンダー3日目です

本日12/3は「国際障害者ディ」になります。と言っても、11月のIT勉強会でも聞いたよと仰る方もおられることでしょう。私がこの日に注目させることを押しつけと感じられる方もおられることでしょう。あらかじめ申しますが、人それぞれ関心事は違います。私も決して押しつけようとは思っていません。そうした点を踏まえた上で記事を書かせていただきました。

自己紹介

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一般社団法人イトナブ石巻のPenともうします。

はじめてのIT勉強会は、わりと参加できてる方なので、ご存知の方も多いことでしょう。仕事以外のことを書くなら、読書とネット麻雀とリアリティショーが好きな42歳です。普段は、フロントエンジニア的なことをしたり、今年は、自分が取り組んでるプロジェクトと関連するイベントのスタッフをしてることが多かった2021年でした。

自分が取り組んでいるプロジェクト

ご存知の方も多いと思いますが、私は身体に障害を抱えて生活しいています。どういう障害と言われると、説明が長くなるのですが、脳からの障害によって、身体全体が麻痺し、結果手足や言語が障害を負っております。「Pen」という名前の由来も、私が指の代わりにペンでキーボードを入力することが由来になっています。そんな私は、イトナブ石巻で「ITと障害福祉」と言う観点で活動させていただいております。その1つのプロジェクトが、「石巻トイレマッププロジェクト」です。

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以前にも何度かお話しさせていただきましたが、このプロジェクトは、石巻市社会福祉協議会様が作成した、「石巻バリアフリートイレmap」という冊子を基にし、webマップにしていくプロジェクトです。紙ベースから、web上に展開していくことで、画像と行った情報が加えることが出来たり、各拠点の多目的トイレをデータ化することで、検索の機能を実装でき、各々が必要な機能がある多目的トイレを探すことが出来ます。確かに、取り組み始めてから数年が経ち、なかなか「公開」には行き届いておりませんが、一歩、一歩、高い山を登っております。

多目的トイレと、障害者の社会進出

私が、多目的トイレのWebマップを作りたい大きな要因の1つは、私よりも1つ前の世代の方々から、伺った経験談が大きく影響しています。今よりも社会が障害者に対し、理解が少なかった頃、障害を抱えていて車椅子で生活していても、「一番町で買い物をしたい」とか、「国分町に飲みに行きたい」など、そういった気持ちが自然に沸き起こっていたようです。しかし、そうした願いを阻んだのが、歩道の問題であり、階段を含めた段差の問題であり、トイレ問題でありました。ご存知のように、私は歩行はすることは出来ますが、障害故に何かが出来ないという気持ちは、痛いほど理解できます。こうした先輩たちの経験が基づき、街には整備された歩道や、どこの建物にもエレベーターがあり、フラットな床が増え、多目的トイレがあちこちに作られるようになりました。こうした改善において、日本や宮城における障害者の社会進出も少しは増えてきたことでしょう。私もその恩恵を受けているからこそ、いろいろなことに取り組んだり、挑戦することが出来ています。

しかし、私の願いはもう一歩「障害者の社会進出」を進ませたいのです。こうした願いの背景にあるのは、海外に旅行に行った際に拝見することが出来た、1つのシーンが思いに残っています。ハワイのビーチ沿いを歩いていたときに、1台の電動車椅子の女性と私とすれ違いました。彼女は、片手にソフトクリームを持ち、電動車椅子を快調に走らせていました。正直私は、なんて素敵なんだろと思いました。もちろん、日本がそこまで変化を遂げることが出来なくても、障がいをお持ちの方が、より自信を持って街を歩けるようになるためには、事前に出掛ける先の情報を知ることによって、しっかりシミュレーションできる環境を作ることが必要です。その1つのツールになればと思い「石巻トイレマップ」を作っております。

多目的トイレは「障がい者専用」としないために

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しかし「石巻トイレマップ」は、単に障害をお持ちの方に、情報を渡すツールではないと思っています。それは、多目的トイレは、皆で使うトイレだと私は思っているからです。だからこそ今年、多目的トイレの機能をチェックボックスで絞れる仕組みをCodeforJapanのコミュニティーの協力を基に、実装することが出来ました。

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これが使えることによって、小さい子を持つ親御さんやオストメイトを必要とされてる方も、自分の必要に合わせて多目的トイレをお探すことが出来ます。これを実装するために利用したのは連想配列です。

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上のコードは、サンプルですが、こうした連想配列を用意することによって、チェックボックスやテキストボックスが変化した度に、定義されているpointDataに対して、filterを掛け、該当するところが抽出され、その抽出に基づきlatやlon、popupContentを使って、web上の地図にマッピングされます。

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加えて、各拠点ごとの多目的トイレの情報も、今までは複数の定義に基づいて、上のようなモーダルを表示させておりましたが、true or falseのDOMなどを、functionにまとめることによって、先のpointDataから、nameを引数にし、functionに渡してあげることで、モーダルを表示させる仕組みも実装することが出来ました。

どうして、この検索の機能を実装したかったかと申すと、先にも書いたように多目的トイレは、みんなで使うものであるという考えがあり、皆で使えるものを作ることで、多くの人に知っていただき、そうした情報が多目的トイレを必要としている障がいをお持ちの方にも届くと私は考えているからです。だからこそ、みんなの「トイレマップ」を作りたいと私は思っています。

何合目か分からなくても

以前、公開する日は発表できませんが、私はこうしたバックグランドを持って、このプロジェクトに取り組んでいます。時に挫折しかけることも何度もありますが、発起人の自分が気持ちを熱くもつことによって、一つ一つをこなしていき、公開に結びつけたいです。その日まで、あとどのくらいか分かりませんが、頑張って登っていきたいと思います。

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